孤独手品研究会「ほうせきばこ」第1回「ひっくり返るカード」

2020-06-20

テーマを決めて勝手に手品を研究し、そのときの内容をとりあえず残す活動をやろうか。

と思い立って突然始めた孤独手品研究会「ほうせきばこ」第1回が行われたので記録残しです。

最初の目的は、Izumi(とり)さん主催の札幌クロースアップマジックサークル4月の活動が、テーマ「お客さんのカードがデックの中に表向きで現れる」であったので、これに乗じて勝手に参加した気になろう。とかそんなんでした。

きっかけとか期限がないと人は成果を出せないですしね。

そして日付を決めて勝手に勉強するつもりでしたが、突如暇人たちが参加を表明してくれたのでSkypeのビデオ通話で開催することになりました。

ちなみに2020/4/20開催第1回の参加者は

堀木智也
脇坂将太
・ゆき(わたしだ)

です。

テーマ「ひっくり返るカード」

ハンカチ使ったドゥー・アズ・アイ・ドゥっぽいやつ

ゆき氏がはじめて覚えたひっくり返る系トリックの話から開始。

トランプマンの書籍に書いてあったハンカチを使った手順。
ハンカチをデックにかぶせて持ち上げてもらい、そこのカードを覚えてもらう。をお客さんとマジシャンがそれぞれ行い、何のカードだったか聞くと偶然にも同じ色で同じ数字のカード。

デックを広げるとその2枚だけがひっくり返って現れる。

あーやるやる

パケットでやるドゥー・アズ・アイ・ドゥっぽいやつ

原理的にはあれと同じですよね、パケットをマジシャンと観客それぞれに持ってもらって、後ろ手で交換してひっくり返すと~ってやつ。

たしかにー。

ひっくり返す系の技法の話・ステランコ編

James Sterankoのアクションリバースやアクションセンターリバースの話。


堀木氏より、
あの動き、ルイス・ラムがクレジットされてることが多いけど、Tom Bachelorが最初らしい、みたいなことを聞きましたよ。等の情報あり。

デニス・ベア氏のサイトで調べると、Tom Bachelorの情報が存在していなかったりで調べにくい(どれだけベア氏のサイトに依存しているのだろう)。

ルイスとバチェラーは同じ年に本とか出してるらしい。

この辺はちょっとあやふやなので要確認である。

James Sterankoの発表したDiagonal Jog Push Thruという技法を脇坂氏が発見。
みんながよくやるあれ、Sterankoだったのか・・・、Sterankoやべぇ・・・と盛り上がる。

ひっくり返す系の技法の話・サーボンリバース編

デックをひっくり返すときに、センターの1枚だけ残して返す技法。

MMLSから佐藤大輔氏・南部伸昭氏・野島伸幸氏の三者が期間限定で出した合同誌『トリオ 2012年12号』に掲載されていた佐藤大輔氏の「Trident」という作品で初めて知った。

まぁ名前的に、ブルース・サーボン氏の本にあるんじゃないかなぁ、とふんわり決着。

ひっくり返す系の技法の話・カード・ピン・チェンの話

書籍『ニューゼネレーション+α』に収録されている高木重朗先生の技法。

意外と嫌いじゃないという話から、どうやら堀木氏が無駄に練習してコツを掴んだらしくそれを教わる。

なるほどなー。

少し話が脱線して『ニューゼネレーション+α』に書かれている「ファイヤー リスポンス」という作品がやばいという話に。

考案者の芹沢俊行氏とは一体何者なのだろう?みたいな。

ひっくり返す系の技法の話・色々編

ラリーバース、ワンダー・リバース、メカニカルリバース、フューチャー・リバース、wowコントロールを使ったリバース、wowリバースのねすもあ氏ver、タマリッツ氏のTPCを使ったリバース、パームリバース、レッグリバース、ブローリバース、ブラウエリバース、クレンツェルのファンを使ったリバース(確かクラシックスにあった)、Ernest Earick氏の書籍『Forces Unseen』の載ってる頭おかしいやつ(「Rotary Reverse」かなぁ?)、スイングカットリバース等。

細かく書いたら終わらない気がしてきた。

ブレインウェーブとかインビジブルデックとか

Alex Elmsley氏のレギュラーでやるブレインウェーブデックと、Darryl Davis氏の「Unbound」は大体同じ原理だったよねーというような話から、Scott Robinson氏の書籍『Pure Imagination』に載ってるレギュラーでやるインビジブルデック手順の最後にやってるハンドリングが賢いという話や、マイケルクローズ氏がやってるレギュラーインビジブルデックがScott Robinson氏のと原理は同じですねーと言った内容の談義。

ゆき氏が初心者の頃に買った2枚目のDVDがマイケルクローズ氏のもので、マジシャンは使ってるデックの配置をすべて覚えているものだと勘違いしていた(マイケル・クローズ氏は観客にカードを引いてもらうということをせず、好きなカードを言ってもらって、デックを一切見ずそのカードをマジックに使うというスタイルである)昔話が語られる。

T・O・H・P 

佐藤総氏の技法TOHP、ポール・カリー氏も同じ技法をやってたらしい。
1941年発行の書籍『something borrowed, something new』に記載されていたらしいが、マイナーすぎる書籍のため誰も知らなかったとのこと。某著名な手品研究家が発見したとか。

クライストさんシリーズ

クライスト・リバース(ロレインがフレンズで書いたのが初出?カレッジにも載ってる)やクライストツイストについての話。

クライストさんは自分の名前を技法につけてなくて、後世の人たちが勝手につけたものが多いんだって。

シークレットランゲージのサトルティ

Helder Guimaraes氏の書籍『SECRET LANGUAGE VOL.1』に収録されているOptically Coveredという技法が、インバージョン系の現象で使える良い技法でしたよと。

これ聞かなかったり気づかなかったぜ。

Top Slop Gag

Scott Robinson氏の書籍『Pure Imagination』に収録されている「Top Slop Gag」という手順が、トミー・ワンダー氏の「デジャ・リバース」っぽい現象のあと、あらゆるカードがひっくり返るという逆トライアンフ現象的なやつですよと教えてもらう。

良いこと聞いたー。

Inversion系トリックの話

観客の選んだカードではなく、観客の選んだカード以外がひっくり返る「inversion現象」についての話とか。
Brian Tudor氏の「Inversion Summersault 」、David Stone氏の「WiLLiAM」、Dan and Daveの「Hedbergs Perk」、Aaron Fisher氏の「レボリューションNo.9」なんかが話題に挙がる。

トニー・チャン氏がチェリー・コントロール(技法はリッキー・スミス)をInversion現象に使っていて、それが見事であった。
ちなみにリッキー・スミスはフラリッシャー(現カーディスト)・ダンデブ誕生の諸悪の根源である。

ここまでが大体テーマに沿った内容であった。

おまけ・バーノンがなんかおかしい

「The Vernon Chronicle」についての話や実演が繰り広げられる。

バーノンが8枚のカードでトライアンフをやってましたと堀木氏の実演。

「In Uniform」クソ手品現る。
だが普通に上手いせいでまともな手品に見える。

そして解説を聞くと思うのだ。・・・・・・この人(バーノン)はただのマニアだ。

 

カッティング・ジ・エーセスの複雑版「The Unadulterated Cutting the Aces」の実演。
広く知られている手順は「難しいから簡単にしたのを載せた」もので、それでも難しいからで載せられたのがヘンリー・クライストの4Aルーティンだったんじゃなかったろうか。

色んなとこでくっそ面倒くさいサトルティが散りばめられている。
面倒だけど・・・やるならこっちのがええな。

そして「Aces in Excelsis」の実演。

解説を聞くと、こいつはただマニアを殺したいだけなんだろうと思った。

そして、細かすぎて伝わらない選手権やったらバーノンが勝つ。

バーノンは筆不精のため、代筆して本を書いてもらっていたそうだが、多分書いてるライターによって細かすぎる部分が適当にカットされたんじゃないだろうかなーという推察。

最近発表される細部に拘った作品は、もうすでにバーノンがやったことなんじゃないか?と思ってしまう。というか実際そうなんじゃないかなー。

あとバーノン・ストリップ・アディションのやり方、後に出た色んな本に載ってる解説のどれとも違うじゃないか、これは良い、これは良いで・・・。

おわり

といった感じで第1回の活動は行われました。

後半はダイ・バーノン品評会みたいになりましたけど、面白かったです。

またテーマを決めて(どこかのサークル活動に被せたい)第2回やりたいですねー| |Д`*)

独り言一覧ページへ戻る

独り言

Posted by ゆき