所感:「Lennart Green & Dani DaOrtiz」

2020-06-19

「Lennart Green & Dani DaOrtiz」とは?

Lennart Green氏Dani DaOrtiz氏のセッションの様子が収録された2013年発売の2枚組DVD。
2枚合わせて2時間5分収録。

トレイラーの映像は、DISC1に収録されている「Electricity(gag)」。

所感

  • 二人の名人のセッションを味わえる。
  • ところどころノイズが入っている。
  • 詳しい解説は少ない

Disc 1

TRICKS

2人がそれぞれトリックを演じ解説します。

Red-Black Predictions (Lennart Green)

観客がシャッフルしたデックを2つの山に分け、赤いカードの枚数と黒いカードの枚数差を当てる手順。
セミオートマチックマジック。

Magic Square (Lennart Green)
4×4のマス目に1から16の数字を入れ、観客が選んだ4つの数字の合計の枚数目のカードが予言と一致する。
セルフワーキングトリック。非常に面白い。カレンダーで演じる方法も解説している。

*レナート氏が、4×4のマス目のスタンプを取り出して遊び始めるところから音声が消えているが、マスター起因らしいです。

Back at the time (Dani DaOrtiz)
カード・アット・エニーナンバーとトーン・アンド・レストアの混成トリック。
ダニ氏のDVD『UTOPIA』に収録されている「Time Travel」と同じコンセプトだが、こちらは幾分か易しくなっている

Magic Way (Lennart Green)
カードを「道」のようにマット上に並べ、観客が取った枚数分だけ「道」を進んで止まった場所のカードが予言されている。

セルフワーキングトリック。
シンプルな原理(これなんていう原理でしたっけ・・・?)だが、レナート氏の動作によって上手くカバーされている。
指でちょこちょこ歩くの可愛い。

Poker Hand (Dani DaOrtiz)
適当に選んでもらったカードが4エース。

ダニ氏が出演しているDVD『ラップ』や『トーキング・アバウト・ラッピング』だと日本語版もあるのでそちらの方が深く理解できると思います。
今作だけでも問題はありませんが。

L&D partⅠ

2人が4Aを使って色々します。

Switch while rotating (Dani DaOrtiz)
適当にジョグした4枚のカードを抜き出す時にスイッチする。
セットが要るが面白いアイディア。


Lennart’s Cull Aces(Lennart Green)
レナート氏のカル。

Switch in the hands(Lennart Green)
適当に抜き出してもらった4枚をすべてエースとスイッチする。

Switching by Snap Deal(Lennart Green)
上記「Switch in the hands」にスナップ・ディールを加えることで説得力を増す工夫。

Snap Dealing on the Deck(Lennart Green)
4枚のエースをまとめてデックの中へ戻し、ドリブル中に掴みだすあれ。

Multiple switch while turning (Dani DaOrtiz)
4枚のXカードを4枚のエースにチェンジ。

About Snap Deal(Lennart Green)
4枚のエースを消し、デックから取り出し、再度エースを1枚ずつデックへ戻していき、手に残った4枚のXカードがエースになる。
という流れをやってからの、スナップ・ディールについての解説。

Snap Deal for switching Cards(Lennart Green)
スナップ・ディールでカードをスイッチする。

Snap used to control one or more cards(Lennart Green)
スナップ・ディールでのコントロール。

Trifusion(Vernon、Garcia & Krenzel)(Dani DaOrtiz)
4枚のXカードを4Aに変化させる。
ダイ・バーノン、ケン・クレンツェル、フランク・ガルシアのアイディアを一度説明した後に、それらを組み合わせたダニ氏のアイディアを解説。

Electricity(gag)
2人がふざけます。セッションならではのいいところですね。トレイラーの映像と同じ。

EXTRAS「Snap Deal」

Lennart Green氏のスナップ・ディールを使った演技を2本。

False Count(Lennart Green)
実演のみ。どんなに配ってもカードが減らない。
これまでの解説を観ていれば出来なくはない。詳しい解説が欲しければ氏のDVD『GREEN MAGIC VOL.6』に解説があった気がします。

Separating Colours(Lennart Green)
実演のみ。カードを適当に配っていくと、置いた場所ごとにカードの色が変わっていく。そしてデック全体が赤いカードだけになったり黒いカードだけになったりする。
これも氏のDVD『GREEN MAGIC VOL.6』に解説があった気がします。

Disc2

TRICKS

2人がトリックを演じ解説する。

A Magic Count(Lennart Green)
面白い原理を使った予言。
見た目はクロックトリックだがちょっと違う。最初のフォースと思われる部分の解説はない。

10th Open Prediction(Dani DaOrtiz)
「C10」を使ったオープン・プレディクション
予言を示すタイミングはあそこなんですね。あれはもう、素敵です。

The Bet(Lennart Green)
カード当て。
カードを絞り込んでいきながら、掛け金を釣り上げていく演出。

L&D partⅡ

PART2ではフォールスシャッフルについて語る。ずっとLennart Green氏のターン。

False Rosetta Shuffle(Lennart Green)
非常に混ぜた感の強いテーブル・フォールスシャッフル。

Undoing the Shuffle(Lennart Green)
フォールスではないロゼッタシャッフル後、分離させて戻す。

Thoughts on Shuffles(Lennart Green)
シャッフルについて語っている模様。

False Riffle Shuffle on the Table(Lennart Green)
左右ではなく、前後に分けてリフルシャッフルしてからカットするフォールスシャッフル。

False Cut(Lennart Green)
よく行われるあのフォールスカット。詳しい解説はない。

False Hindo Shuffle(Lennart Green)
グリーンマジックのvol1にあるサーキュレーション・シャッフルが同じものだったはず。

False Overhand Shuffle and Multiple Cuts(Lennart Green)
オーバーハンドシャッフルとマルチプルカットのコンボ。非常に強い。

Multiple Cuts on the table(Lennart Green)
グリーンマジックで見た覚えのある、スプレッドしてからのシャッフル(カット)。
解説という感じではない。

Symmetrical Cuts(Lennart Green)
グリーンマジックでやっていた、テーブルにパケットをたくさん作るフォールス・カット。

Angle Separation Ⅰ&Ⅱ(Lennart Green)
デックを2つ(赤/黒のように)に密かに分ける技法。
Ⅰは右手をディーリングポジション、Ⅱはいかついビドルグリップで行う。

L&D partⅢ

2人がカードのコントロールについてセッションする。

Controling Suits(Dani DaOrtiz)
スロップシャッフルの動きで4スートに分ける。

Chaotic Control(Lennart Green)
カオスなコントロール。コントロールしているとは思えない、レナート氏らしさ溢れるコントロール。

EXTRAS

レナート氏の演技映像。実演のみで解説はなし。

Suit Production(Lennart Green)
実演のみ。混ぜったデックからA~Kまでの13枚を取り出す。
これまでの解説を聞いていれば出来るかな・・・?、というところ。

Playing with Aces(Lennart Green)
実演のみ。エースを取り出したり戻したり変化させたり。
解説はないがこれまでの解説を聞いていれば出来るか。

最後に

2人がセッションしている様子を楽しめるDVD。
スナップ・ディールが現在の形になる前のアイディアなんかも話していて楽しい。

ただ欠点も色々あり、ブロックノイズや手を素早く動かす時に発生するノイズが気になる点や、解説が一部適当、もしくはこんなのもあるよ、と実演をちょっと見せて終わるというものも中にはあるため、2人の技術を覚えたいという人にはもどかしく感じる部分も多そう。

教材としてなら、2人が個々に出しているDVD『GREEN MAGIC』シリーズや『MASTERFILE』『UTOPIA』『RELOADED』等の方が適していると思える。

何を目的にして購入するか次第で、評価が割れそうなDVDである。

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