おそらく手品をしていれば必ず通るであろう、3本ロープって呼ばれている手品があるじゃないですか?Professor’s Nightmareと呼ばれるやつ。
Hen Fetschが考案、Paul Youngが改案し(「Stretching and Restoring Three Ropes」というタイトル)、Gene Gordonが「Professor’s Nightmare」という名前で売り出したそうですが、このときに演出用のストーリーが付けられたようです。

でも、このときのストーリーについて話している人あんまり聞かないなーと。
出来合いのストーリーを語りながらする手品って苦手なのですが、試してみたら意外としっくり来て、悪くないぁと。
それはさておきまして、知らない人も意外といるのではないかと思うので、要点を元にしてカジュアルに作り直したものですけど、どういう感じのストーリーなのかを知るには十分だと思いますので載っけておきます(*゚ー゚)
3本ロープ
学生の頃、数学の教授がこんなことを言ったんです。
「AがBに等しければ、BもAに等しい。
AがBに等しくなければ、BもAに等しくない。」
――まあ、当たり前っちゃ当たり前の話ですよね。
でも当時の私は「そんなの信じられない!」と反発して、間違いを証明してやろうとしました。カバンから取り出したのは、なぜか3本のロープ。
まず3本のロープの上の端を揃えて持ち、次に下の端も持って同じ高さに揃えます。
「ほら!全部同じ長さになったでしょ? だから教授の2つ目の主張――“等しくなければ等しくない”ってやつは間違いですよ!」
すると教授はあきれ顔で、
「お前アホか。そのたるんだ真ん中の部分を見てみろ。どこが等しいんじゃ!」
と突っ込んできました。
そこで私はすかさずロープをピンと引っ張り、
「見てください! 全部同じ長さになってます!」
とドヤ顔。
驚いた教授は、まるで悪夢でも見ているような表情で「……確かに同じ長さだ」と認めざるを得ませんでした。
でも教授も負けじと、
「それでも最初の“もしAがBに等しければ、BもAに等しい”ってやつは絶対正しい!」
と食い下がります。
そこで私はさらに追撃。
「本当にそうでしょうか?」といいながら、教授にロープを手渡しました。
「これが短いロープ、これが中くらい、そしてこれが長いロープです。……それでもまだ、“AがBに等しければBもAに等しい”が正しいと言えますか?」
教授は言葉を失い、沈黙。
――まあ、この日が教授にとって悪夢のような一日だったことだけは、間違いなさそうです。
余談
フォーナイトメアーズというロープマジックがありますけど、仕組みが違うので注意だぞ(*゚ー゚)