所感:「At the Table Live Lecture Vol.4 – (SEPTEMBER2014) – Dan Hauss」

At the Table Live Lecture Vol.4 – (SEPTEMBER2014) – Dan Haussとは?

2014年9月に行われたmurphy’s magic主催のオンライン・ライブレクチャー、Dan Hauss(ダン・ホース)回。

氏はテビッド・ブレインにアイディアを提供していたり、「Flow」「Rattled」「Sleeping Queen」といった優れた作品を多数リリースしている想像力溢れるマジシャンである。

所感

PCでDiscにつけられたタイトルを見たら「markElsdonAttDVD」と表示される。

Right Caption
ゆき
同じ月の他のレクチャラーと名前間違って作ってるやんけ!

始まると冒頭に茶番あり。

映画『ホーム・アローン』の中で登場する映画『Angels With Filthy Souls』の有名なシーンをオマージュした茶番で、色んな手品を見せて食い下がるが、銃の乱射で追い払われて

「釣りは取っとけ、ブタ野郎(Keep the change, filthy animal.)」

っていう名台詞で締める。

てっきり実在する映画だと思ってましたけど、あれって『ホーム・アローン』の劇中映画であって、実在しないんですってね。知りませんでした。

Series of Ring Effects

現象指輪を使った3つの現象を起こすルーティン。

指輪が指に嵌った状態で出現 → テーブルで回転させた指輪を叩きつけると指に嵌る → 左手で取った指輪が一瞬で右手の指に嵌る。

レギュラーの指輪だけで出来る手順。

今ではスタンダードになってしまった手順だが良いですね。

途中でやってる、指輪が勝手に動いて締まるやつとかも好き。

Ring On Bottle

瓶の口に指輪を置いて叩きつけると、瓶の外側に指輪が嵌る。

めっちゃ失敗している。
氏の出しているギミック付きDVD『GROWING RING』に付いている指輪を使う。
DVD発売後に思いついたトリックのようで、先のDVDには収録されていない

面白い現象だが、めっちゃ失敗しているのを見せられているので怖い・・・。
もっとゆっくりやればいいんや。

The Coin Ring Thing

現象コインを指で押すと指が貫通して、コインが指輪に変化する。
その後、コインと指輪がスペルバウンド。

ギャレット・トーマスの「カラテコイン」とスペルバウンドを組み合わせたような印象だが、機構が面白い。

マジシャンが指輪orコインのどちらかしか持っていないことをフェアに示せる。

これ好き。こういうのがいいんですよ手品ってのは。聞いてますか?シンリムさん!

Sonata Ring Thing

嵌めた指輪が右手から左手の指に移動する。

すごいビジュアル。そして指輪はレギュラー。

あーーあのギミックにそんな使い方もあったかーと。いいっすね。面白いっすね。

必要なギミックはマジックショップなら大体売ってるみんな知ってるやつ。

Suger Block

現象砂糖の袋(正方形みたいな形状)から中身を取り出して代わりにコインを入れ、その状態で針を刺して貫通させる。

原理自体は他にも確かやってる人が居た気がする。メジャーなギミックが必要だがなんちゃら・スルー・コインとかのあれではない。

袋に入れたまま刺すことによって、都合の悪い部分は隠しつつ、刺さっているところははっきり見せるのでその辺は上手いっすね。

Strike Change(2variations)

デビッド・ウィリアムソンのストライキングを使ったチェンジ案。

手のひらに置いたコインが、微動だにすること無く他のコインに変化する。

WXをストライキングで行うような感じ・・・ってのが一番近いんだろうなぁと。

両手に接触感がなく、コインがカバーされる瞬間もないので本当にビジュアル。

でもまぁ、難しいよねー。

バリエーションとして、口に加えたコインとの入れ替わりという見せ方もあり。

Redline & Redline 2.0

外したリップスティックのキャップが一瞬で元に戻ったりする。

そこら辺のリップスティックやスティック糊でも出来る。少し準備はいるけど。
日用品で出来るトリックとしてはかなり良質だと思うので、気に入ったらポケットとかに入れておいたらいいんじゃないかな?

この「Redline & Redline 2.0」という手順は、「Chapslick」という商品に収録されているのと同じもの(上のリンク先のやつ)。こっちのセットを買うとラベルや容器なんかも付いてくるし、カラーチェンジや縮むリップスティックなんかも出来る。

気に入ったらこれの購入も検討したらいいかもしれない。

Right Caption
ゆき
ちなみにわたしはこのライブレクチャーを観る前から持っていた

そういえばこれと特に関連はないのですが、驚くほど何も分からない・中身がぺらっぺらな手品道具のPVを教えてもらったのでおすそ分けします。

なんでも動画にすれば良いわけじゃないなーとしみじみ思いました

Color Changing Markers

現象シャーピーを使った短い手順。
シャーピーが出現し、ぽんぽんぽんとテンポよく2回のカラーチェンジを行う。

実演だと赤・茶・黒の三色なのでわかりにくい。

ちょっとしたアイディアで簡単に一色分多くチェンジを行えるのでいいかも。

最初のプロダクションは、ペンサイクロペディアとかにもなかったような出し方で、割と良さげだと思いました。

Sandwich

観客の手の下にある2枚の赤いQの間に観客のカードが移動するサンドイッチ・カード。

サンドイッチの部分は駄作だが、よくラブ・ア・ダブ・ダブ・バニッシュでやられる「手の中に見えないように隠し持つ」という見えないパームギャグ?を魔法に変えるアイディアあり。

指の隙間からカードが見えているが、一瞬でそのカードが消える

このギミックは色々な手順に応用が効きそうですごく良い

Jumping Jacks

現象いわゆるキックバックなサンドイッチ。

2枚のジャックの間にカードが現れ観客に渡そうとすると、観客のカードだと思っていたカードが2枚のジャックに変化、マジシャンが持っていた2枚のジャックが観客のカードになっている。

よく知られているオリジナルの「キックバック」と比較すると、入れ替わりの瞬間がビジュアルになり1枚のセレクトカードで演じれるようになったが、その代償として観客に渡そうとするカードもマジシャンの持っているカードもギミックになっており、手渡しは完全に不可能

面白いトリックだが、リモートで演じるときや動画向きのトリックだと思う。

氏のDVD『Restless』のvol.2にも収録されている。
たしかこのDVDだとレギュラー版のハンドリングもあったような。

Sandwich 2

二段構成のサンドイッチカード。

一段目はマニピュレーションでよく見るあのスライトを使ったもの。
なんでしょう、あれみんな一度はやるんですかね?

二段目は某ギャフを使ったサンドイッチ。あのギャフを使ったサンドイッチは不思議ですよね、うん。

Table shot and Backpalm

テーブルショットという頭の悪い技法が登場

四指の代わりにテーブルを使って行うトップショットである。

何を言ってるか分からないと思うが、バカ技法は大体そんなもんだと割り切って欲しい。

カードが折れそう。

Asher Twist Move

頭の悪い技法その2。アッシャーツイストと一緒に使えるムーブ。

なんて言えばいいのだろうか。

踊りながら飯食ったら、超楽しいんじゃね?みたいな感じ

いや、何言ってるんだろう。如何とも形容し難いムーブ。

Torn & Restored with Sonata

トーン・アンド・レストア・カードで使えるアイディア

カードを4つに破いて1片ずつ繋げていくタイプのT&Rで使えるギミックで、最後の1片をフェアに取り出してレストア後、元に戻ったカード1枚をフェアに示すのに使える。

ダニエル・ガルシア氏の『TORN』とかが使える代表例。

無くても問題ないけど、あったら不思議になるワンディグリーなアイディア。

Flow & Flow 2.0

ペットボトルをひっくり返しても口から水が溢れず留まる。

氏を代表するトリックのひとつ。

以前、このライブレクチャーを観てもやり方が分からない・・・と相談されたのですが、確認したらわたしも分からなかった

今回見直したら、あー多分あれがいるのか・・・?くらいには分かるが、説明的なものはほぼされずギミックも一瞬映るだけ。

英語がわからない人はわからないんじゃないかなと。

元の「Flow」を持っていないのでちょっと良く分からないが、ガラス瓶のようなもので出来る方法があったのでそれを話すよ!と言っているので、その辺りが今回の追加内容とかなのかもしれない。

Robere Through Hand

輪ゴムが指を貫通する。

「RUBBER THRU HAND」(Dan Hauss氏とBlake Vogt氏の共作DVD)と多分おんなじ。タイトルは誤字かなぁ?

いまやスタンダードになった感のある輪ゴムマジック。
ダン氏のトリックだったんですね。

語るまでものねぇ、名作。

broke Band Mountain

千切れて1本になった輪ゴム(元)を引っ張ると、輪ゴム(輪っか)に復活する。

まぁ、いいんじゃないかな。
観客の後ろにぶっ飛ばして処理とかよりはまぁ。

Sleeping Queen

トランプから取り出したクイーンのカードを見ると「目を閉じて」おり、撫でると目を覚ます。

これも氏を代表するトリックのひとつ。

へーいいですね。必要なギミックは割と手に入りやすいようだ。

Right Caption
ゆき
ちょっと探して買ってくる!

Card from Box

箱にカードを乗せて指で弾くと中に入る。

レイ・コスビーの「ジャック・イン・ザ・ボックス」にちょっとアイディアを足したもの。

これは駄目だと思う。

Houdini’s Last Transposition

現象デックに輪ゴムを巻きつけて叩くと、スペードのJがマジシャンの手の甲に出現する。

次の瞬間、スペードのJは別のカードに変わり、消えたJはデックの上にいる。

よくある輪ゴムとデックを使ったトリックに、さらにもう一現象足したトリック。

これは面白い。ただ。ちゃんと演出しないと二度目の現象を見逃されそう(元々の現象が十分強烈なので、見てる側が一旦満足してしまいそうで)。

しかし、実演のみで解説はない。

Finfger Tip

「第6の指」を使った指が取れるトリックのプチアイディア。

解説はさらっと。骨が折れるような音とかを追加してる。

最後に

これは当たり回。

指輪・輪ゴム・ペットボトルなどの日常品を使った手品はスライトで出来るものやギミックを使ったものと様々だが、手法・構造あらゆる面で興味をそそられる。

一点、目玉のように書かれていた「Flow&Flow2」が見たところで分からないのが残念だったが、差し引いても全体的に面白かった。おすすめ。

製品情報所感一覧表示へ戻る