所感:「At the Table Live Lecture Vol.3 – (AUGUST2014) – Shin Lim」
At the Table Live Lecture Vol.3 – (AUGUST2014) – Shin Limとは?
2014年8月に行われたmurphy’s magic主催のオンライン・ライブレクチャー、Shin Lim(シン・リム)回。
シン・リムはFISMやGot TalentやFool Usなど色々な舞台で活躍しており、優れたスライハンドで知られるマジシャン。
今回のライブレクチャーでは「52 Shades of Red」や「The Dream Act」も披露してくれる。
所感
52 Shades of Red
一組のトランプを使ったシンリムのFISM act。
youtubeとかに動画もいっぱいアップロードされてる(本人がアップしてる)ので現象はそれを!
改めて見返してみたんだけど、まぁひどい。
動画サイトにある映像はすべて修正しているんだろうな、と思われても仕方ないでしょうこれは。
このAt the LIVE Lectureシリーズの映像ははっきり言って画質が悪いのだが、この低画質・適した照明なのにも関わらずギミックが丸わかりであった。
黒い芸術的なカードが隠れた状態で置かれている分には確かに見えないですよ。それは良い。でもそれ以外は駄目じゃねぇか!!カードが雑に切り抜いた画像みてぇになってるぞ。
あのギミックらは適切に使えば大丈夫ですよ、使えるやつらです。
しかしこの手順では、秘密の操作と現象が直結しすぎており、適切な頻度で行うならばまだしも、「種が分かるまで何回でも、何十回でもやっちゃうぞ☆」とでも言わんばかりである。
手品知らない人でも、あんだけ同じことを何度も何度も見せられたら想像つくだろと。
あとディスプレイも最悪。
なんというか、一級品の素材を集めてそのすべてをすり潰して練り物にしました!みたい。
Shin Limの良さが微塵も感じれないACTだと思いました。
ちなみに実演のみで解説はなし。使用してるギミックの一部は解説されたりしますが。
Flap Card
フラップ・カードの作成について。
さくっとライブレクチャー中に作成します。
製品版の「52 Shades of Red」のギミックを購入すると見られる解説映像とほぼ同じ内容。
あっちはギミックの素材もセットになってるけど割とお高めなので、作成方法だけ知りたいって人はこれを参考にするのもありだと思う。
フラップを使ったカラー・チェンジの解説もある。すごいビジュアルに変わりますねー。
フラップを日頃から使う人は参考になりそうです。
Black Art/Magnets & Vanishes/Cards Compressor
あの黒いギミックのシンリム流の使い方の解説。
色々思うところはあるが、まぁギミックの質的には通用すると思う。
でもなんか、個人的には今ひとつなんですよねぇ・・・。
スプリット的に使えるギミックは色々と可能性を感じるのだがまぁ。
語ると種に関することがボロボロ出てきそうなので自重。
色んな国に行って演じていると、湿気によってカードが反り返ったりするのでカード・プレスとか重要、って話が一番参考になった。
個人的にこの辺りのギミックを使うならばMiguel Puga氏の4枚組DVD『Allegro』や、 Luis Olmedo氏のノート『Unintentionally』(氏のレクチャーはかなり良かったのだが、ノートだけでそれが伝わるかと言えば微妙だと思ってる)とかにあるような使い方が賢いと思う。
あとは未見だけど、sandsmindsから出ているDVD『Black Art Project』は割と評判が良いようなのでそっちがいいんじゃないかなぁ。
Tic-Tac
観客に1枚カードを選んでサインしてもらい四つ折りにするが、一瞬で消えてしまう。
お菓子ケースの中のカードを取り出すと、サインカードである。
四つ折りのカードが消える機構と、お菓子ケースは全くの別物で独立している。
なので消失だけ~や移動のとこだけ~というように部分部分取り入れたりも可能。
TicTacは日本では見かけないので微妙だと思うが、似た雰囲気のケースであれば割と代用出来ると思う。TicTacよりも大きいサイズならなんとかなるかな。
チョコベビーあたりが一番適してそうだけど。
David Regalの「Clarity Box」からインスピレーションを得て考えたとか。
この手のトリックは、消えた後ケースを調べさせれるのか気になるところだと思うが、これは「あんまり念入りに調べられたくはないけど、出来なくはない」って感じである。
消えた直後はフェアに見せれるが、調べさせるなら処理が必要になる。
手渡すとなると、処理にスライトが必要&ケースに少し痕跡が残るので、ケースを凝視してもらって納得させるくらいがベストなんじゃないかな。
四つ折りカード消失の方は、気に入ればやったらいいんじゃないかなくらい。
ビジュアルだとは思います。薄いものであれば四つ折りカード以外でも消せる。
でも調子に乗ると・・・良くない。
Card & Coin
構造が雑なWXみたいな?
もっと応用のしようがあるだろう・・・と思わないでもない。
直接的過ぎる。
あと、用具の準備が面倒。
4Aces
4Aプロダクション・4×4 color change・Shinsplint 2.0の3つを解説。
プロダクション
プロダクションはShinsplint2.0のPVでも行われているやつ。
1箇所、セットアップ時に表向きのカードのセットとかを排除したためか、少しギルティな操作があるものの現象が起こる前だしそこまで神経質になる必要はないのかな。
ここは何なら、最初にパームリバースするだけで解決も出来るし。
類似のプロダクションはちょっと飽和気味な気もするが、好きなら覚えておいたらええと思う。
4×4 color change
デックの上に縦にずらして置いた4枚のAが、4枚のKに変わる。
一時期色んなとこでやっている人をよく見たやーつ。
DVD『Shinanigens』にも入ってたはず。広げたままで4枚とも変化のビジュアルさはほんとすごい。
ただちょっと、綺麗に行うにはそれなりの練習が必要だし、一部の操作「ここでこうしておいてー」みたいなあっさりした説明に留まるので、慣れない人からしたら「ちょっと待て、そこを詳しく」って感じる場所もあるかもしれない。
見た目が気に入れば練習したら良いと思うの。
Shinsplint2.0
広げたままで行うツイスティング・ジ・エーセス。
ガイ・ホリングワース氏の「Waving the Aces」にインスピレーションを受けたトリックだそうな。
ツイスト現象をカードを指先に持った状態で行う。というのがコンセプトらしい。
難しいは難しいのだが、実は見た目ほどの難易度ではないので習得は現実的。
3枚目のリバースが個人的には一番好き。
Snap Change
DVD『Shinanigens』とかでもやってたスナップチェンジのバリエーションを・・・解説?というには雑な気もするけど解説。
2枚のカードが高速で入れ替わる連続スナップチェンジや、2枚のジョーカーの間にAが挟まっているという状態から、
ジョーカー・A・ジョーカー→ジョーカー・ジョーカー(Aが消失)→A(2枚のジョーカーとAが入れ替わり)→ジョーカー・ジョーカー(2枚のジョーカーとAが入れ替わり)→A(2枚のジョーカーとAが入れ替わり)・・・以下略
という高速変化は観ていて楽しかった。
(このライブレクチャーのPV内でやっているので、その映像を観てくだされ)
角度に非常に弱く、1人2人くらいの観客がせいぜい/カメラ向きのトリックだが、練習するのが楽しいし良いのではなかろうか。
また、6枚で立て続けに行うあのスナップチェンジも見せてくれるが、かなり雑(忘れていて即席でそのままスナップチェンジをしてくれただけみたいな)、これはDVD『Shinanigens』に収録されていたものの方がハンドリングに変化があって良かった(解説が分かりやすいとは言ってない)。
連続スナップチェンジやサンドイッチからのスナップチェンジを観て面白い!と感じたのであれば、Shinanigens観ればいいよ。あっちは他にも4枚→4枚のやつとかも入ってるし、きっと気にいると思う。
一部パクリネタも入ってるけど。
The Dream Act
シンリムのアクトその2。
いくらなんでもその消失は雑すぎるだろう・・・。と思った以外は良かったと思います。
Theory & Routining
騙すよりも、芸術的なショーうんぬんかんぬんみたいなこと。
正直本当にどうでも良かったので割愛。
映画や動画でも作ってればいいのに。
Mercury Card Fold
めっちゃ速い四つ折りマーキュリー・フォールド。
たまに窮屈なカードのあらためをするなぁーと思っていたが正体はこれだった。
カードをあらためたりする動きの中で前準備やらを行うため非常に効率的。
動きの関係上、フェイスが見える向きでしか折れないのが欠点。
しかし、元からフェイスが見える向きで使うのであればこれをやらない手はないと思う。
「窮屈なあらため」とかめっちゃ言ってしまったが、ゆっくりとやったら自然に見えるんじゃないかなぁ?
最後に
一体どんな層なら楽しめるのかちょっと分からないライブレクチャーであった。
ハズレ回というわけではないんだけど、おすすめもなんだかしづらい。
シン・リムのスライトが大好きなファンだとおそらく知ってるネタばかりで新規に得るものは何一つなく、シン・リムのアクトが好きな人は・・・youtubeで全部観れるし。
シンリムの名前は知っているだけの人が、シン・リムを始めるために見るもの。
・・・何を言ってるんだろう。
うん、シン・リムのスライトは好きなのだけど、知ってるものばかりでこれはちょっと微妙だったな、観たことないネタが目次にあれば楽しめると思うよ!以上!!