所感:「The Magic Of Nefesch Vol.1 by Nefesch」

2020-06-20

The Magic Of Nefesch Vol.1とは?

2008年に発売された、メンタリストNefeschのDVD作品集。
一時期、有名なマジシャン達がTVで演じたほどインパクトの大きいトリックが多い。
このシリーズは3巻まで存在し、各巻Disc2枚組になっている。

ここ → vol.2vol.3

*PVは1~3巻まとめてのもの

所感

  • 準備が面倒だが、インパクトの大きいトリックが多い
  • カメラが遠く、少し見にくい部分がある
  • 実演はすべてDisc1に収録、解説は両Discにまたがる
  • 聞き手役のマジシャンはTitanas

HATCHING

サインしたコインがゆっくりと卵の中に入る。

日本円でも可能。
ギミックを作るのが大変でかつ消耗品。演技のたびに新しいのを作成しなければならず、作り置きも出来ない。
材料・作成に必要な道具は日本でも買える。
慣れれば早く作れるようになるだろうが、解説中何度も早送りになっているので慣れてもそれなりに大変なんだろう。

準備が大変だが効果は大きい典型。

GLASTION

サインしたカードが、ボトルの中に出現する。

直前まで透明な液体が入っていただけのボトルの中に、一瞬でサインカードが現れる瞬間はすごい。

準備が必要だが、他のカードインボトルと手間はあまり変わらないような気はする。
手順をなぞっていないので見ただけの感想になってしまうが、スムーズに事を運ぶのは中々に難しいと思う。色々ともたつきそうである。

演技では750mlくらいのラベルを剥がした透明なボトル(中にはいっぱいの水)に、王冠がはまっている状態であった。
ハンドリングは王冠を前提にしてのものだったが、ボトルキャップにすれば改めの際にセット出来るような気がした。

まぁそこをスムーズに出来ても、問題はサインカードしてもらったカードをちょめちょめする部分で、ここをスムーズに出来るかが最大のポイントではないだろうか。

COINETRATION

サインしたコインの上に飲み物の入ったグラスを置く。
するとサインしたコインはグラスを貫通し、グラスの中に入る。

飲み物はコーラのような色の濃い物である必要があり、事前にちょっとした準備も必要。
古典的な原理を上手く組合せている。

コインマジック特有のスライト等は必要ない(フィンガーPくらいのレベル)が、スライトが無いわけではない。

現象が起こっている瞬間(観客が注視する状況)ではギルティな操作がなく、観客の注意がそれたタイミングで大体が行われる。

良いトリック。

SWEET CARD

グラスを使ったカード当て。
グラスにコーラを注ぎ、砂糖を少し混ぜる。
観客に飲み干してもらうと、グラスの底に砂糖が固まっており、観客のカードを表している。

このトリックの解説からDisc2になる。

カード当てや予言で、観客のカードを当てる手段のひとつ。
準備はもちろん必要。現象が気に入ればどうぞ、といったところ。

BALOONED

サインした風船に携帯電話が入る。

風船に携帯電話を入れる前に観客にナンバーを教え、着信することを確認、風船に入った後に再度かけてもらい同じ携帯電話であることを証明する。

貫通の仕方は、風船を膨らませて口を結び、膨らませた状態へ押しつけて貫通させる。ビジュアル。

このDVD発売時はスマートフォンが発売しておらず(たぶん)、小型の物がほとんどであった。
スマホが普及した今だと、まったく同じハンドリングでの演技は無理であるので、演技したければなにか工夫しなければならない。

このトリックの貫通時のエフェクトがやりたいのであれば、手のひらに収まるくらいのサイズが無難。

CAPTURE

コインが帽子に移動する。
何度か繰り返した後、コインにサインしてもらうがそれでも綺麗に消失し、帽子の中へ移動する。

野球帽タイプの帽子を、つばの部分を後ろに向けた状態で被り演技がスタートする。
コインにサインしてもらう前まではスライトのみ。大雑把な解説なのでコイン系のスライトに疎い人は注意。

最後のサインしたコインが消失し、帽子の中へ移動させるのには準備が必要になる。
原理は色々なトリックにも使われているものだが、このトリックでは帽子を脱ぐ・かぶるの動作に合わせて最適化されている。

Crispes

サインしたコインがチップスの袋の中に移動する。

日本円でも演技可能。開けた後中のお菓子を食べても問題はない(人がベタベタ触ったコインが中に入ってたことに目を瞑れば)。

海外のお菓子、日本のよりも大きいですね。あれが標準サイズなのでしょう?羨ましい。

BONUS

各巻BONUSと称して、おまけ?のトリックが収録されている。
ここではメインであるNefeschではなく、聞き手役だったTitanasが演技解説する。

BENDING COIN 1/2

観客にサインしてもらったコインが、ゆっくりと曲がる。

2つのハンドリングを実演・解説。
サインは、マジシャンが指先にがっちりホールドした状態で行ってもらう。

日本円でやると犯罪なので注意。

NEEDLE THROUGH FINGER

小さな針を左手人差し指の先端に刺す。右手人差し指先端にも刺した後に、歯でゆっくりと引き抜く。

ギークマジックはやらないので面白かった。
針は少し離れただけでかなり見辛いので、その分が少し残念かもしれないが、針を引き抜く瞬間は良い意味で気持ち悪い。

セットの都合上、前後に他のマジックを演じにくいのが欠点かもしれません。

最後に

TVで有名マジシャンも演じてたトリックが収録されていた!という宣伝通り、一線を画するトリックが収録されているので、他のマジシャンと差別化出来るなら手間は惜しまない!というマジシャンには参考になるかもしれない。

インパクトの大きいトリックは多いが、サロン・パーラーの広さで演じれるか?と言われればNoのトリックが多いので、演じるならばTVや、スクリーンへアップの映像を投射出来る設備の整ったショーになると思う。
自分の演技スタイルと相談して興味があるならばどうぞ、といった評価です。

あ、Disc2の最後にはインタビューが収録。
Nefeschがマジックを始めたきっかけ、どう仕事のチャンスを掴んできたか等今までの経歴について語ってくれてます。

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