非手品人とマジックショーを観たときに感じた印象的なこと
引き篭もりすぎて筋力があからさまに弱っているごきげんよう、わたしです。
コロナ禍の自粛中にたまに行われているオンラインでのマジックショーを、非手品人と観ていたときに気づいたことの中で、ひとつ印象的だったことというか、多分一人だと気づかなったなぁと思った事があったのでそれについて少し話そうかと。
某有名マジシャン2人のショーなのですが、極力誰か伝わらないように書くので申し訳ない(あ、本人には内緒やで、絶対やで)。
その演目の中に「飲んだコーラが復活する」という演目があったのです。
マジシャンMさんがボケ倒し、クライマックスではマジシャンJさんがミラクルを起こす。といった構成で、Mさんの見事なギャグからのJさんのトリネタで締めくくられていました。
トリネタ自体はマジシャンにはよく知られていたものでしたが、それを最大限魅せるに至るまでMさんのギャグが本当に見事でした。
あのネタを演じるにあたり、これ以上の演出はないんじゃね?といった意見が多数のマジシャンから挙がる程でしたので、素晴らしい演出だったことは間違いないでしょう。
非手品人からもものすごく好評でした。これも間違いありません。
ただ気になった点が、ショーが終わった後に生まれました。
「Jさんのマジックどうだった?」と聞いたときに
「え、なんかマジックしてたっけ?」
と返ってきたことから始まります。
その後「あ、思い出した」とJさんの演じたマジックをひとつひとつ列挙してもらったのですが、「コーラの復活」が出てこなかったんですよね。
これは忘れていたとかではなく「コーラの復活」というネタを「Jさんのマジック」でも「2人のマジシャンのコンビ芸」でもなく「Mさんが演じたマジック」として認識していたことが原因でした。
まぁなんというか、コンビのお笑い芸人とかであればボケに対して相方が引き立て役に徹した、とかで良いのかも知れないですが、マジックにおいてこの状況というのはどうなのでしょう。
別に良いのかも知れません。お客さん、みんな満足してますし。
ただ、この件でわたしが感じたのは
手品人・非手品人、どちらの視点からでもこういうことには気づけなかったな
ということです。
もし「完璧だ・これ以上はない」と誰もが思うの物であれば、それ以上アップデートっていうのはされないと思います。
今回の例だと、クライマックスに至るまでの間に「あれ?あの横にいる髭、もしかしてすげぇ奴?」と観客にJさんを意識させるようなフェイズを挿れるとか、少なからず良くするためのパーツが出てくると思います。
でもこれは、手品人・非手品人それぞれからの意見からは出てこなかったんではないでしょうか。
多分、批評家っていう人種に求められるのはこういうとこなんでしょうねー。
プロ・アマチュア・観客目線、特に観客目線で~という言葉は良く聞きますが、もっと色々な視点をあるということを知って、それからいろんな視点から物事を見れないと、研鑽を積み続けるっていうのは難しいのかな。と思いましたという、ただそれだけの話でした。