プロット:All Backs(オール・バック)
All Backsとは?
1組すべてのカードが両面とも「裏」になってしまうという現象のカードマジック。
Dai Vernonが発表したことで一般的に普及した。
1組すべては用いず、数枚のカードだけを使って「両面とも裏になる」現象を行う場合は「Back off」と呼んで区別することもある。
この「Back off」という名称はDarwin Ortizの手順「Back Off!」(1981年発行の「Apocalypse Vol. 1-5」収録)に由来する。
余談だが、ダブルバックカードは1623年以前から存在しており、詐欺の容疑で逮捕された物乞いの持ち物が証拠品として押収された際に、その中から発見されたという記録を歴史研究家Manfred Hausier氏が報告している。
1800年代中頃までは一般的(マジシャン的な意味で)にもダブルバックカードの存在は知られておらず、1853年にダブルバック・カードを用いた手順が記録として現れるが、これは手品ではなくギャグとしてであった。
しかし同1800年代中頃、Johann Hofzinserはこのカードを秘密裏に使用していたと言われており、一部のマジシャン達はひっそりと使っていたのかもしれない。
・1920年頃
Ralph W. Hullの「Hull’s “Magic Picture Book” Deck」の前段階である「NRA Deck」を考案?(発表は1933年)・1920年頃
Jean Hugardに対してDai Vernonが「All Backs」を見せたという記録あり?(2006年にDavid Benが報告)・1930年
Jean Hugard’sの「All Backs」(1930年発行のマジック誌『The Sphinx, Vol. 28 No. 11』収録)は発表。・1933年
Ralph W. Hullの「Hull’s “Magic Picture Book” Deck」(1933年発行の書籍『More “Eye-Openers”』収録)は発表。・1950年
Dai Vernonの「The All Backs」(1950年発行の書籍『Expert Card Technique』収録)・1953年
Edward Marloが書籍『The Cardician』(1953年発行)において、Ralph W. Hullは「Hull’s “Magic Picture Book” Deck」の前段階である「NRA Deck」が、1920年頃にはすで考案しており(公に発表されたのは「Hull’s “Magic Picture Book” Deck」と同じく1933年)、「All Backs」現象のオリジナルはこちらではないかと主張。・2006年
David Benが2006年に発行した書籍『Dai Vernon A Biography』において、1920年頃にDai VernonがJean Hugardに「All Back」を見せていたということを報告。
関連作品
All Backs系
- 「The All Backs」by Dai Vernon
- 「Technicolor All Backs」by Derek Dingle
- 「All Backs with Selections」by Derek Dingle
- 「Triple Color-Changing All Backs Aces」by Derek Dingle
- 「Another “All Back”」by 佐藤総
Back off系
- 「Back Off」by Darwin Ortiz
- 「Back Gammon」by Philip T. Goldstein
- 「Back Ordered」by Philip T. Goldstein
- 「hide and seek」by MO
- 「Back Off」by 今田航平