マジックをしてるとき、上手く喋れません

手品を演じる際に「スムーズに演技をするために【台本】を考えて作ってみなさい」。そんなことを聞いたり・言われたりしませんでしたか?

これに対して「台詞なんて考えたことない、マジックを演じていれば台詞は勝手に出てくる」。と豪語するマジシャンがチラホラいるのですが、台本なんか作らないほうが良い理由として「形式張った同じ言葉しか言えなくなる」ということを右に習ったかのように言います。「台本を考える」っていうことを、お前らなんか勘違いしてないか?と呆れたりします。それってなんかのジョークだったりするのでしょうか?

ゆき
ゆき

本気で言ってるのであれば、他の業界の芸人にマジシャンが勝てる時代は来ないでしょう

この、台本や台詞の考え方についても、色々な方が書籍や映像コンテンツで出していたりするのでが、パブリックドメインになっていて、世界的に色々な人に読まれた『Expert Card Technique』にも、その中に、まさにこのことについてのパートがあるので、ちょっと翻訳を載せてみました。

ゆき
ゆき

台詞とか台本の考え方・作り方なんかを解説している質の高いコンテンツって、まぁ高いんですよ。並のマジシャンじゃ出来ないですし

パター(話術)

多くの人は即興で考え、その場のひらめきによって最も効果的で印象的な言葉を発することがあります。しかし、プロのエンターテイナーでステージに立つ前に、話す内容について何の準備もしていないという人は、ごく少数です。彼らは言葉を一語一句暗記しているわけではなくても、観客の前で話す「内容の骨子」はきちんと頭に入っています。

マジシャンが、「ステージに上がれば、その場で適切な話が生まれるだろう」と思い込むのは間違いです。また、同じくらい台詞を一言一句丸暗記して、オウムのように機械的に暗唱することも間違いです。

ではどうすべきか。良い方法は、まず自分ひとりで話す内容を考え、それを自分の性格や演じるスタイルに合うものにすることです。他人の台詞を真似してはいけません。その人が使えば素晴らしいジョークでも、自分が同じ言い方をしてもうまくいかないことがあります。さらに重要なのは、自分で台詞を考えることで、自分だけのプレゼンテーションを作り上げられるということです。誰かの面白いジョークや仕草をつい使いたくなる誘惑があるかもしれませんが、それは避けるべきです。お互いにとって良くありません。

台詞を書き出したら、段落ごとに一言一句きちんと暗記します。声に出して練習し、役者が声を使うように、抑揚をつけてニュアンスを伝えるようにしましょう。実際に手を動かしながら話して、台詞とジェスチャーとスライトの調和を図ります。繰り返すほど自然になります。

何をどう話すかが完全に身についたら、一旦すべてを忘れてみるのです。暗記しすぎてしまうと精神的に疲弊してしまうことがあるためです。数日後、もう一度台詞を思い出しながら話してみましょう。その際、暗記した通りに話そうとするのではなく、頭に残っている「要点」だけをもとに自由に言葉をつむぎます。内容を少し変えることで、自然な即興性が生まれます。これで何ヶ月もそのトリックを演じる機会がなかったとしても、必要なときには自然と何を話すべきか思い出せるようになるはずです。

次の段階は、実際の観客の前で台詞を試してみることです。反応を見ながら弱い部分は削り、強い部分を強化していきます。アマチュアであれば、身内や親しい友人は避けたほうが良いでしょう。彼らはあなたのことをよく知っているため、過度に手厳しかったり、逆に甘かったりするからです。できれば、見知らぬ観客の前で試してみてください。彼らは偏りのない反応を見せてくれます。

また、即興で口にした言葉が思いがけず観客を笑わせた場合、その言葉遣いや言い回しを覚えておくようにしましょう。これらの「無意識に出たセリフ」が、実は最良のパターとなり、継続的に取り入れることができるのです。

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