【翻訳】【紹介】Complete One Man Mental And Psychic Routine by ANNEMANN
Ted Annemannが1935年に発行した冊子。
トリック単体をまとめた作品集ではなく、ルーティンとしてショーで演じる前提の「ルーティン集」になっています。
今でも名前が出てくる人だけあって、手法だけではなく細部まで考えてショーをしていたんだろうなぁと感じ取れる作品集でした。
以前に『Programmes of Famous Magicians』という、プロマジシャンが実際にショーで演じている演目を集めた冊子を眺めていたときに、アンネマンの演目のほとんどがこの作品集に収録されていて、気になって読んでみました。
Fantia・Creatiaに翻訳したものを置いてるけど、興味があったら買ってみてくんなまし。
- 1.個別に紹介
- 1.1.BILLET SWITCHING
- 1.2.MAGIC vs. MINDREADING
- 1.3.THE TELEPHONE DRAMA
- 1.4.THE DEAD NAME TEST
- 1.5.THE NEW NILE DIVINATION
- 1.6.BOOK MENTALISM
- 1.7.TELEPATHY PLUS
- 1.8.THE MASTER MIND
- 1.9.THE MIRROR REFLECTOR
- 1.10.A LIVING AND DEAD COMBINATION
- 1.11.THE SEALED ENVELOPE DODGE
- 1.12.THE SPIRIT PENCIL
- 1.13.ADVANCE INFORMATION
- 1.14.PENCIL READING
個別に紹介
BILLET SWITCHING
ビレットをスイッチする技法の解説。
MAGIC vs. MINDREADING
カード当て。2組のデックから片方を選んでもらったら観客のポケットの入れておいてもらい、残ったデックを使ってスペルを使ったカード当てをする。
見事当てた後、観客がポケットに入れておいたデックで、観客に同じことをしてもらうが、見事に当たる。
2組のデックを使ったカード当てで、マジシャンはこう当てて、メンタリストはこう当てるという演出で2回のクライマックスを別の印象で作り上げた手順。
THE TELEPHONE DRAMA
観客の思い浮かべている友人の名前と、その電話番号を当てる。
次に続く「THE DEAD NAME TEST 」の準備にもなっている手順。
現代では使えないだろうけど良い演出。
THE DEAD NAME TEST
観客の思い浮かべている故人の名前を当てます。
前段の「THE TELEPHONE DRAMA」から続くトリック。
というか、構造としては1つのトリックの前半と後半に分けて演出を変えたと言った方が正確でしょうか。原理はシンプル。
上手い人が演じると不思議なんよなぁ。
THE NEW NILE DIVINATION
1人の観客にスレートを持って部屋の端に行ってもらい、残りの観客たち数人に適当な数字を言ってもらいメモパッドに書いていく。
部屋の端に居る観客に数字を思い浮かべてスレートに書いてもらい、観客たちが言った数字を合計すると、一致している。
定番のトリックで、マックス・メイビン氏も(ほぼ)同じトリックを演じているのを見た覚えがあるが、こちらの方が不思議だと思います。あのギミックの使い方が効いてます。
BOOK MENTALISM
電話帳を使ったブックテスト。
電話帳のようなでかい本じゃないと出来ないのと、高額な本ではやれない(やりたくない)のが残念。どういったシチュエーションなら不思議になるのか、昔の方がよく考えられていた気がします。今ならシェルター・ペンの良い使い途が分かる気がします(この手順で使っているわけではない)。
TELEPATHY PLUS
3人の思い浮かべている事を当てます。
当てる事柄に特に制限はなし。
ただ「有名な言葉」「知人の名前」「図形」のような内容にすることを推奨していて、観客の受ける印象や盛り上がる構成になるように考えられていました。
昨今の3つ当てる系の物って、どうしてそれを当てようとしたのか考えないで作っているのんだなって感じました。もったいないですね。
THE MASTER MIND
およそ20分で演じる5段からなるカード・メンタル・ルーティン。
「the Sphinx」に寄稿していたトリックの再録。赤青の2デック、メモパッドや帽子を使う。今でも普通に演じれるレベルの出来。
一段目:観客の選んだ2枚の合計枚数目にあるカードを予言して当てる。
二段目:2人の観客が選ぶ2枚のカードを予言して当てる。
三段目:3人の観客が見て覚えたカードを当てる。
四段目:もう一組別色のデックを取り出し、演者と観客がそれぞれデックからカードを1枚抜き出すと一致する。さらに繰り返しても一致する。
五段目:観客がデックをシャッフルし、完全に自由に選んだカードが予言されている。
現代のマジシャンが観たら、おそらく二段目三段目にあっさり引っ掛かりそうだと思いました。
THE MIRROR REFLECTOR
観客が書いた絵を透視して描きます。
タイトル通り、シャイナーを使ったピークです。
A LIVING AND DEAD COMBINATION
故人の名前を当てます。
観客たちに人の名前を紙に書いてもらいますが、故人の名前を書いた人とその名前を当てます。
やはり演出が良いです。
THE SEALED ENVELOPE DODGE
観客の情報が書かれた紙を封筒に入れて密封してもらい、読み取った後未開封で観客に返して開けて確認してもらうアイディア。
よく考えるなぁ~というアイディア。簡単には使えないけど、読み取られる当事者からしたら本当に気持ち悪いと思います。
THE SPIRIT PENCIL
鉛筆に精霊が宿って、質問にノックで返してきます。
ターベル・イン・コースに載っていたり、最近だとJuan Colasが「Heartbeat」という名前で出したもの。
記述を信じるならばRalph Readというマジシャンが最初マジックに使い始めたとか。
ADVANCE INFORMATION
ショーの前に観客の情報を得る手法。
ホット・リーディングみたいな感じ。さとられずに事前に情報を集める手法。現代でも普通に使えます。
PENCIL READING
ペンシル・リーディングで行うトリック2種の解説。
片方はペンシル・リーディングの練習になるトリック。もう一方はペンシル・リーディングが完璧に出来るようなっている前提で行うトリック。
ただ、ペンシル・リーディングのやり方に関する解説は無く、こうすると読み取りやすいよ的な記述がちょっとあるだけです。