『”Outs” Precautions and Challenges 日本語版 -カードマジックを失敗しないための予防策と無茶振り対策-』発売 (訳:由利静希)

隠れた名著や、必読書にこの本を挙げていないところは信用に値しない。などと言われている『”Outs” Precautions and Challenges』(Charles H. Hopkins 著)、その日本語版が発売されました。翻訳は由利静希さん。

ゆき
ゆき

わたしだよぉ

この本は手品本の中でも、どちらかといえば「理論書」に近い立ち位置の本です。

実際に手品(この本はカードマジック特化です)を人前で演じることになったときに立ちふさがる壁、ミスしたときにどうするか?について書かれた本なので、初心者向けではありませんが、そこを抜けた中上級者にはとても役立つ本です。

個人的には『レストラン・マジシャンズ・ガイドブック』を面白いなぁ・役立つなぁと感じた人、多分とても刺さる気がします。

レストラン・マジシャンズ・ガイドブック - スクリプト・マヌーヴァ
仕事としてのマジックを本気で考えている人へ。プロとして成功するための27の大切な話

現在以下の場所で購入できるので、興味がある人はぜひとも手にとって見てくだされ。

物理本
Amazon (物理本は現在ここだけ)

電子書籍
MAJION
Amazon Kindle
BOOTH

ざっくりと興味を持ってもらえるように内容書いてみる

内容は大きく分けて 「アウト」「チャレンジ」 の2部構成になっています。

まず「アウト」。
これは、演技がうまくいかなかったときのリカバリーのこと。
ただのフォローではなく、失敗を失敗と悟らせずに、そのまま成功として着地させるための策略です。

そして「チャレンジ」。
「じゃあこうしてみろよ」「デック持ったままやってみて」みたいな、観客からの無茶振りやリクエストへの対応法。いわば、演者に向けられる“挑戦”への対処ですね。

この本では、アウトとチャレンジの、似ている点、違う点、を挙げ、それらを理解することで学習をスムーズにしています。

またこの本は、アウト・チャレンジに至る前の段階、予防策についても解説していて、予防策・アウト・チャレンジという3つの要素を踏まえた上で読むと、かなり分かりやすいです。

本書では、トラブルを“火災”にたとえています。
実際に燃えてから慌てるのではなく、避難訓練をしておくこと。
経験こそ最良の教師だけれど、経験する前に備えることも同じくらい大事だ、と。

  • そもそもなぜアウトが必要な状況が生まれるのか?
  • なぜ観客はチャレンジしてくるのか?
  • 演者がよく陥る「勘違い」とは何か?

そうした原因の部分から丁寧に説明されています。

サッカートリックを演じるとき、観客の頭の中で実際に何が起きているのか、という心理の掘り下げも面白いところ。
単なるテクニック本ではなく、観客心理寄りの内容もあります。

もちろん、

  • 必要なスライトの解説
  • 状況別にどのアウトを使うべきか
  • 通常ルーティンとアウトの使い分けの基準
  • 大掛かりなギミック前提で進行してしまった場合のリカバリー
  • 観客の記憶違いや“勝手な補完”に合わせたアウト

といった、実戦的な話もきちんと載っています。

チャレンジについても、

なぜ観客はそう言い出すのか、受けたほうがいいとき/受けないほうがいいとき、それぞれの判断基準、といった内容まで踏み込んでいます。

身内で見せるだけなら、正直ここまで考えなくてもいいかもしれません。
でも、人前でコンスタントに演じるようになったら――
一度は向き合うことになるテーマです。

「うまくやる」ための本ではなく、「うまくいかなくなったときに崩れない」ための本

気になる方はぜひチェックしてみてください(クワッ

おまけで目次

不可能を求められたとき
あらゆる非常事態に備えて自らを訓練せよ
経験こそ、最良の教師

第1部 「アウト」

第1章 現実を受け入れる
第2章 勝利のための体制づくり
第3章 情報を引き出すためのサトルティ
第4章 便利なスライト
第5章 救世主となる「アウト」

第2部 チャレンジ

第6章 どんな挑戦者でも受けて立つ
第7章 カードがシャッフルで失われる前に
第8章 観客が「徹底的にやってくるとき」
第9章 メンタルの境界線へ
第10章 トリックはすべてを制する

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