所感:「週刊マジオン2017年1月号 – 野島伸幸」

2020-06-19

週刊マジオン2017年1月号とは?

マジッククリエイター野島伸幸氏による、新作・未発表マジック配信コンテンツ「週刊マジオン」、2017年1月号である。
チェーンを使ったマジック1種、カードマジック4種のラインナップ。

配信時はさらに追加で、元テンヨークリエイター下村知行氏をゲストに迎えた特別配信がされていた。

週刊マジオンまとめ記事

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*動画は「スタンディング・チェーン・モンテ」の発展手順「チェーン・ゲイン」のPV

所感

ノジー・リセット(2017年1月1日配信)

野島氏のオーソドックスな「リセット」の手順。

余計な持ち直しなどを省き、スムーズに現象を起こすことにこだわったハンドリング。
リセットをやったことない人なら、この手順覚えておけば間違いはないでしょう。

レッド・オア・ブラック(2017年1月1日特別配信)

「ノジー・リセット」の元になった手順で、4枚の黒いカードが赤いカードに変化しまた黒に戻るという手順。2017年最初の配信は2本立てであった。
奇術探求5号にも掲載されている。

スーパーラッキーカード(2017年1月8日配信)

1枚のカード(7のカード)が表向きになり、その枚数だけ配ると観客のカードが現れ、おまけで他の7のカードも現れる。

セルフワーキングトリック。簡単な上にウケも良い。
2012年にmMLボーナストリックとしても発表されていた(未所持)。

2016年に加藤英夫氏も自身のサイトでまったく同じトリックを発表していました。

スタンディング・チェーン・モンテ(2017年1月15日配信)

チェーンで2つ環を作り、片方に指を入れると指に絡まり、もう片方に入れると抜けてしまうことを説明する。
絡まると思う方に指を入れてもらいますが、毎回ハズレる。

有名な古典を立って演じれるようにした手順。

その後、この手順を気に入ったプロマジシャン・ヤマギシルイ氏によるバージョンが単独DVDとして発売されました。

はさみすぎサンドイッチ(2017年1月22日配信)

ジョーカーが観客の選んだカードをサンドイッチするが、なんか多い。
挟まっていたカードが一瞬で減り、観客のカードが現れる。
そして立て続けに選んだカードと同じ数値のカードが出現する。

氏本人は、挟まっていたカードが減って当たるところまで演じて止めることが多いそうなんですが(後半は少しセットが必要、前半はセット不要なので)、後半の畳み掛けが素晴らしいので最後まで演じたくなるのではないでしょうか。

2015年4月のmMLボーナストリックで同名タイトルで発表されていたが、このときの手順ではダブルバックカードを使用していたが、アップデートされレギュラーで出来るようになっている。

ゲスト:下村知行(2017年1月29日特別配信)

元テンヨークリエイターの下村知行氏を迎えての特別配信。
下村知行氏が考案したテンヨー作品の実演、トリックの解説、創作についての話をしてくれている。
特に創作の話は興味深い。まとめパックには収録されていないので注意。

トラベル占い

2016年9月の週刊マジオン配信「パーフェクト・ロケーション」の下村氏バージョン。
題材を「旅行地」へ変えており、それに応じて細部が変化している。

その後、専用のカードを付けたDVDも販売されました。

きせきのマッチング

観客がシャッフルした14枚のカードをペアにし、何組かペアを選んでもらう。
選んでもらったペアのみ数値が一致しており、他のペアはバラバラである。

ペアメイクの原理という面白い原理を説明してくれている。
翌号「週刊マジオン2017年2月」でこの原理が再度登場、興味のある人は翌号を参照されたし。

類似の現象は色々あるが、観客にシャッフルしてもらったりするため非常にフェアに見える。

最後に

まとめパックに収録されていないのが残念だが、下村氏の特別配信が興味深かった。

解説してくれた2作品もそうであるが、テンヨー時代の話が面白かった。
作品を「改案するときのコツ」についても、創作する人には興味深い内容だと思う。

下村氏のせいで存在が薄れているが、収録されているマジックはどれも秀逸である。
ちなみにおすすめは「はさみすぎサンドイッチ」。

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