所感:「At the Table Live Lecture Vol.5 – (OCTOBER 2014) – Caleb Wiles」

2020-08-17

At the Table Live Lecture Vol.5 – (OCTOBER 2014) – Caleb Wilesとは?

2014年10月に行われたmurphy’s magic主催のオンライン・ライブレクチャー、Caleb Wiles(ケイレブ・ワイルズ)回。

氏はマジック雑誌「ジニー」のコラムを担当していたり、カードマジック「リセット」の有名なバリエーションのひとつである「Reswindled」の考案者として知られる。

所感

Reswindled

現象4枚のJを箱の下に置き、黒いスポットカードを取り出す。
黒いスポットカードが1枚ずつJに変化していくが、もとに戻る。
その後、箱の下にあるJ、それがAに変化する。

ポール・ハリスの名作パケット・トリック「リセット」にさらにクライマックスを足した作品。

正直今ひとつだと思う。

このリセット現象にもう一段変化を加えるというアイディアはこれが最初らしい(この改案を観たハリスが、自分でも考え始めたという逸話がある)のだが、この「Reswindled」系統の作品は今の所すべて微妙だと思ってる。

なんかもう、オフビート使って4枚ともスイッチしたほうがマシじゃね?

という感じで、個人的には合いませんでした。

i Deck

現象トランプをi phoneやi Padのような電子機器に見立てて行うアンビシャスカードの手順。

手法的に特に気になる点はなかった。機械を操作するかのようなマジカル・ジェスチャーくらいだろうか。

構成やクライマックスは微妙だけど、バーとかで演じるときとかには便利なのは分かる。

氏のペルソナを考慮した演出らしいのだが、これまでの2作品からはちょっとそれが感じ取れないのが残念。

ガジェットマニアは、参考になるムーブがあるかもしれない。

Replicator

現象サインド・カード。

デック(青デック)とは別色(赤)のミステリー・カードを置いておく。
デックから1枚選んでサインしてデックへ戻す。

ミステリー・カードを見てみると、サインしたカードになっている。
その後サインカードが青色に代わり、デックすべてが逆の赤色に変わる。

ミステリー・カード周りの扱いは色々と気になる部分が多く粗はあるけど、全体的な構想は面白い

もっと煮詰めたら光りそうだなぁと。

Impossible Mindreading

現象観客の見たカードを心読んで当てる。

これは不思議

解説はこのライブレクチャーの一番最後に行われる。

対マジシャン用にやってたトリックなんだって。

Right Caption

ゆき

あーなるほどなぁーーー

機会があったらやりたいなぁ。
覚えやすいのがいいですね。

あとセルフワーキングっす。

Birthday Card Trick

現象観客のサインしたカードの裏にバースデーケーキのイラストが現れ、息を吹きかけるとイラストの中のロウソクの火が消える。

観客に1枚だけカードを選んでもらって行うシカゴオープナーといった感じのトリック。

VANISHING.INCにフリーダウンロードとして公開されているトリックが、このトリックのバージョンアップ品。

どっちもシンプルに良いトリックです。

Spin the Wheel and Make the Deal!

現象小さなトランクケースを観客に渡し、広げたデックの上に置いてもらう。

その下にあるカードが、トランクの裏に予言されており、サインしたカードである。さらに、トランクを開けると中に四つ折りになったサインカードが出てくる。

カード・カレッジの1巻に載っている「ラッキーコイン」に+αされた作品。

強いミスディレクションがかかるのは分かるが、あのタイミングで使うのは後から思い返えさえたときに「あぁ、あの時か」となってしまう使い方だと思うんですよね。

この手法を選択するのは率直に言ってセンスない

四つ折りカードがサインされているのは面白いし便利だし良いと思う。

The Fully Automatic Card Trick

現象観客が指示どおり(指示が書かれたカードが出てくる)カードを配ると、色々な事が起きる。

TV番組「FOOL US」に出演したときのトリックで、単独で販売もされている。

よく考えると後半はそこまで不思議じゃなかったりはするけど、任意のメッセージを表せたりするので、大掛かりなトリネタとかが欲しいときには良いのかもしれない。

使用するデックはこのトリック専用になるので、考慮は必要ですかねー。

Paparazzi Pack

現象パパラッチを題材にしたジェミニ・ツインズ。

すべてのカードの裏に有名人の名前が書かれており、それを利用してジェミニ・ツインズを行う。

手法は原案と変わらず。演出は優れていると思う。

古典的なセルフワーキングを劇的に演じたいなら参考にどうぞ。

CLUE

現象バックに「C」「A」「S」「E」と書かれたカードを使って、観客の選んだカードを絞り込んでいって当てる。

裏に文字が書かれた「CLUEカード」が最終的に選んだカードのフォー・オブ・ア・カインドに変化するところとかは不思議なんだが、絞り込んでいくとこは微妙なんじゃないかなと。

うーん、受けるとは思うけど。

よく見るカードのスイッチ(JI○Xのバリエーションみたいな)が解説されているんですけど、あれってポール・ウィルソンだったんですねー。

最後に

ふむ、面白かったのではないでしょうか。

画期的なアイディアと言うよりかは、古典を上手いこと演出して演じるのが上手いタイプのマジシャンかなと思いました。
技法的に難易度の高いものはさほどなく、幅広く色んな層に取り入れやすいんではなかろうか。

結構挑戦的な作品もありましたが、ここいらはまだまだ荒削りかなーと思う部分が多かった。

個人的に印象に残ったのは「Impossible Mindreading」と「Replicator」、あっ、どっちもマニア向けの作品っすね。

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