所感:「At the Table Live Lecture 3(AUGUST 2014) – Gregory Wilson」

2020-06-20

At the Table Live Lecture 3(AUGUST 2014) – Gregory Wilsonとは?

2014年8月に行われたオンラインライブレクチャーのGregory Wilson(グレゴリー・ウィルソン)回。
FISM Close-up Card部門で2度の入賞した経歴を持ち、数々のDVDでベストセラーを叩き出したりしたこともある実力派マジシャン。

DLコンテンツ、他のマジシャンのレクチャーも一緒になった5枚組セット、単独DVDがある。

所感

Party Bag

折りたたんである紙袋を広げると中からシャンパンボトル出現する。

よく知られている古典的な手法。
グレゴリー氏の見せ方は参考になります。

CHC

スターバックスのカップに付いているスリーブ(筒)を外し、シュガーパックを上から落として通過させると、色が変わって落ちてくる。

変化後に出現するシュガーパックの隠し方・スチールの方法が賢い。
紙筒とシュガーパックの特性を上手く利用している。

Pitch & Ditch

小銭の中から1枚を空中に投げ上げると、1ダラーに変化する。

残りの小銭は投げ上げる前にポケットへ仕舞い、最終的には1枚しか残らない。
動画に残るような状況で演じるには良くないが、ストリートマジックのような環境では強力な武器になりそうです。

氏のDVD『イン・アクション vol.1』(日本語字幕版あり。1巻だけが日本語版になっています)に収録されているものとおそらく同じ。

A Lesson on Pickpocketing

ピックポケット(スリ)のパフォーマンス。

助手(ダニエル・ガルシア)を利用した演技。
グレゴリー氏とMCのダニエル・ガルシア氏の見た目がチンピラなため、非常に説得力?が強い。

Ring Side

左手のコインが右手へ移動する。
もう一度繰り返すが、今度はコインが左手指に嵌っていたはずの指輪に変わっている。

ストリートのような、立って演じる際に適したミニ手順。

The Watch Steal

ウォッチ(腕時計)スチールの解説。

革ベルトタイプの物。
手順の中で、いわゆる「Which hand」を行っており、その解説もある。
Which handの手法はサイコロジカル的なもので失敗のリスクもあるが、ウォッチスチールと合わせることで上手くカバーしている。

英語が分からないとWhich hand部の理解は難しいと思われる。

Exact Change

観客が1~100までの間で自由に言った数字の金額が、ポケットの小銭と一致する。

単売もされているアイテムの手順と解説。

非常にフェアに見え、ハンドリングもよく考えられています。
単売されている方では全部で36通りもの手順を解説しているらしい。

また、アメリカの通貨用に考えられたギミックのため、ギミック付き単売DVDを買ってもギミックは日本円では使えない。

マジックショップ「フェザータッチ」では日本円用のギミックを作成し、許可を得て独占販売権をもらったとのことで、日本版ギミックの入手が可能です。

Questionable Trick

即席で行うダイム&ペニー(銀貨と銅貨の交換)の手順。

遠くで見辛い。演技のみっぽい。

Stick Shift

爪楊枝を半分に折り、両手の人差し指と親指で持った状態でリンキングさせ、最後には折った爪楊枝が復活する。

序盤は古典的手法。
クライマックスの復活は、細かなサトルティが効いてます。

そういえば爪楊枝、日本では片方がコケシみたいになってますが、世界標準では両方が尖った形状になっていのが当たり前らしいです。

そこを考えると、日本の爪楊枝で行う際は天地に気をつけないといけなそうですね。

Bic Lighter Color Change

カラーチェンジライター。

バーネット製とか。

ライター系の道具、嫌いじゃないというか好きなのですが、飛行機で移動する際に持ち込みNGだったりするのでほぼレパートリーに入れてなかったりします。

同じ機構でライター以外の小道具とかがあると良いなと思ったりしたのですが、
この前リップスティックで同機構のものを見つけてテンション上がりました。

一部ライターだからこそ出来る、火やフリントを使った表現なんかが出来なくなるのが難点ですが、新たに探すのも一興かと。

Performance: Revolution

混ざっているデックを箱に入れ、指先に乗せて回すと皿回しのように回転する。
デックを確認すると綺麗に揃っている。

売りネタ。
実演のみということになっている。
回転する部分の解説はないが、デックが揃う部分については教えてくれる。
ギミックを使用するのだが、この手ギミックカードを入手する一番手っ取り早い方法はなにかあるでしょうかね・・・。
ダブルパックやダブルフェイスのように、一組同じギミックが入ってるギミックデックが売っていても良さそうですが。

Card Peek

非常に有用なあのピーク。
誰の考案だったか覚えていない。

知らない人であれば覚えておいて損はないと思うし、すでに使っている人であればタイミングや当て方が参考になると思います。

Card in Box

4段構成のカード・アンダー・ザ・ボックス
観客のカードが、箱の上、箱の下、箱の中から現れ、クライマックスではすべてのデックが箱の中へ移動、手に残っている1枚が観客のカードになる。

3段目までは参考になる部分は多いと思う。

クライマックス部分はかなりの力技。

成立はするのであるが、なんというか他にやり方はなかったのであろうか。
いや、端々に賢さや工夫が見られるし、なんだかこれしか無いような気がしてくるのが怖い。

ダニ・ダオルティスのようなスタイルで演じるマジシャンだと比較的上手く扱えそうな気がするアイディアです。

Stunt Double &Las Vegas Split

ダブルの状態でカードを飛ばしたりします。

解説・・・これで分かる?わたしはわかりませんでした。

氏のDVD『Card Stunts』や『In Action vol.3』あたりで解説をしていたような気がしますが・・・。

Performance: Head Trip

スライディーニの「ペーパーボール・オーバー・ザ・ヘッド」のグレゴリーver。

解説はなし。
ピックポケットが取り込まれていました。

すでに演じている人は参考になりそうです。

これを見て演じてみたいと思った人は、スクリプトマヌーヴァから日本語字幕付きDVDが出ているのでそちらで学ぶのが良いかと。

最後に

ストリートのような、ラフに演じる場で重宝するネタが多めであった。

細かな技法等の解説はないため、基本的な技法が出来るのが最低条件かな。といったところ。
個人的に印象に残ったのは、ピックポケットとカードインボックスの手順でしょうか。

ピックポケットに関する資料は少ないため、貴重な資料になりそうです。
ただボディタッチ多めなので日本人には向かず解説は大雑把なので、初心者がここから覚えるというのは難しいかなというのが率直な感想。

すでに演じている人は参考になるといったところ。
「Which hand」や「ペーパーボール・オーバー・ザ・ヘッド」との組み合わせも良いと思いました。

カードインボックスはお勧め出来る手順ではありませんが、こういうの好きな人は好きなんじゃないかなぁと感じる一品でした。

お勧めはしませんが。

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