所感:「C3 by 野島伸幸」

2020-06-20

C3 by 野島伸幸とは?

2014年に発売された野島伸幸氏のカード技法「C3」とC3を使用したカード手順が収録されたDVD。

ランニングタイムは35分ほど。

所感

・日本語字幕と英語字幕から選択
・字幕による解説で、言葉による解説はなし

DVD発売から5年後、「MAJION Live Lecture -NOJIMA Re:C3-」でC3の解説が再度行われました。

ライブレクチャー観たけどDVDとどのくらい被っているの?買っても意味ない?や、逆にDVD観たことあるけどライブレクチャーはあんま変わらないんじゃないの?等と思っている人の参考にもなるように、収録内容の違いも極力分かるように記載してみました。

技法:C3

右手で3枚のカードをファンにしてビドルグリップのように持ち、中央のカードのみが瞬間的に変化する技法。

難易度はそれなりに高めだが、応用はかなり効く

定期マジック配信コンテンツ「週刊マジオン」(現在は終了)で配信されたカードマジックの中でも「ここはC3で変化させることも可能です」とちょこちょこ名前が出てきていた。

パケットトリックを好んで演じている人であれば「あ、ここでC3が使える」となる部分が結構あるはずである。

Right Caption
ゆき
練習も楽しいので覚えて損のない技法である

応用技として、

  • ダブルチェンジ
  • ツインチェンジ

が解説されているがダブルチェンジに関しては、このDVDの説明だけでは習得が難しいと思われる。

DVD発売から5年後の2019年、Live Lectureで「Re:C3」としてC3の解説がされるのだが、ダブルチェンジの解説はそこである程度補完される。

ちなみにツインチェンジはLive Lecture「NOJIMA Re:C3」では解説されていない

C3 Sandwich

現象

C3を使ったサンドイッチカード。

2枚のジョーカーの間に1枚カードが出現するが観客の選んだカードではなく、振ると出現したカードが観客のカードに変化する、サカータイプのサンドイッチカード。

クライマックスでC3を使いビジュアルに変化させる。
一応基本的な手順という位置づけ。

この手順を基準にすると麻痺しがちだが、サンドイッチされた中央のカードがビジュアルに変化するっていうのはすごい強い現象、というのは忘れないようにしたいところ。

バリエーションというか発展型として、関係のないカード→1人目の観客のカード→2人目の観客のカードと変化する手順も解説。

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」でも基本型の解説はあり。発展型の方はこちらのみである。

C3 Oil & Water

現象

2段構成の3枚×3枚オイル・アンド・ウォーター。
1段目は分離、2段目は混合する。

分離・混合の現象が起きる瞬間をC3でビジュアルに見せことに特化した手順。

この手順をそのまま演じるよりかは、各々が現在演じている3×3タイプのオイル・アンド・ウォーター手順があれば、アクセントとして盛り込んでいくのがいいのではないでしょうか。

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」でも解説あり

C3 Monte

現象

C3を使った3カードモンテ。

C3をビジュアルな変化に使うだけでなく、シークレットムーブとしても使う。
個人的にはシークレットムーブとして使う方が緊張します。

クライマックスで今まで追っていた「当たりカード」の裏の色が変化するバージョンの解説もある。

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」には後述のホーミングカードと複合した手順と、このDVDには収録されなかったハンドリングとクライマックスを追加したフルバージョンの2種類の解説がされている。

裏の色が変化するバージョンはこちらのDVDにのみ収録

C3 Fadeaway

現象

3枚のカードが1枚ずつブランクカードに変化していき、最後には一瞬で元に戻る。

1枚のみギャフカードが必要(すぐ手に入るやつ)。

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」では未解説

Double Change Routine

現象

2枚のジョーカーが、観客の選んだ2枚のカードに変化する。

C3の応用技ツインチェンジを使う。

Right Caption
ゆき
変化後の2枚のカードをテーブルに置く動作で処理が出来るのがええですね

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」では未解説

Double Twin Change

現象

2枚のエースが2枚のキングに変化し、さらに裏の色も変わる。

ツインチェンジを使った手順。
別色のカードを使うため気軽に演じれないが、カラーチェンジングデックの手順に盛り込むとかだと映えるのではないかな。

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」では未解説

C3 Homing Card

現象

捨てても帰ってくる方のホーミングカード(フライングクイーン)手順。
3枚の黒いカードとハートのQを持ち、ハートのQを捨てるがなぜか手に持ったカードの中へ帰ってくる。

新しいカラーチェンジ技法を覚えたら、フライングクイーンを組んでみたくなるのがカーディシャンの性なのではなかろうか。

10年以上前にガイ・ホリングワース氏のGWRを使ったフライングクイーンを考えて演じていたことを思い出しました。

Right Caption
ゆき
あの頃は楽しかったなぁ

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」ではC3 Monteと複合した手順が解説されている。

C3 Twist(bonus)

現象

3枚のカードが1枚ずつ裏返っていきます。

3枚のツイストと聞くと、Ray Kosby(レイ・コスビー)の「The Other Cheek」という手順を思い出します。

あちらと比べると非常に実用的です。
「The Other Cheek」を知ってる人が聞いたら厳つい顔をしそうですが、大丈夫です。
比較対象の「The Other Cheek」がおかしいだけでC3 Twistはまともな手順です。

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」では未解説

C3 Oil & Water 2(bonus)

現象

分離→混合を速いテンポで行うオイル・アンド・ウォーター。

手順というよりもシークエンスのアイディアといった感じ。
ゆっくり振ると分離してもっと強く振ると混ざる。といったことをカードの持ち直し無しでテンポよく行える。

3×3の手順であれば無理なく加えることが出来るシークエンスだと思う。
連続のC3(ダブルチェンジ)が出来れば、の話ではあるが。

Live Lecture「NOJIMA Re:C3」では未解説

最後に

2019年、「MAJION Live Lecture -NOJIMA Re:C3-」で、カード技法「C3」をみっちり解説する回があったので、復習の意味も込めて見直してみました。

ライブレクチャーを観たときは「今度からC3を覚えたい人はDVDじゃなくてライブレクチャーかねーDVD版の需要なくなるかな」と思いましたが、そうでもなさそうでした。

C3の解説自体はライブレクチャーの方が詳しいのでそちらで覚えたほうが良いですが、DVD版にしかないアイディアや手順が結構含まれているのでDVD版にも役目は残っています。

ライブレクチャーでC3を覚えた人が、もっと色んなC3のアイディアを知りたいと思ったときにDVD版にも手を伸ばす。といった順番が良いのではないでしょうか。

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Posted by ゆき