【レビュー】Steve Rowe(At The Table Live Lecture)
まとめ
At The Table Live LectureのSteve Rowe回のレビューっぽいの。
MURPHY’S MAGIC主催のライブレクチャーの2017年に行われたSteve Rowe回。
Steve Roweはこの5年で突如現れた(2017年時点)マジシャンと紹介されていたけど、レビューとかがほとんど見当たらなかったマジシャン。
画期的なアイディアとかスライトといった部分では目立つ部分はなかったけど、これまでのトリック・アイディアを自分のパーソナルに合わせて、実用的な形で構成出来るプロ・ワーカーって感じるマジシャンのようです。
用具なんかはカスタマイズされすぎていて、見てそのまま真似できるようなトリックはほぼ無いけども、実際にパフォーマンスをするときに他のマジシャンが、どんなトリックをどんな構成でどんな風に演じているのかってことを知れるので、もっとしっかりとパフォーマンスしたいけど、他マジシャンとの差別化や個性の出し方で悩んでるような人にはサンプルのひとつになるかなといったところ。
一番参考にしやすいかなーと感じたのは、フラップ・カード(シートタイプ)の作り方と使い方。
個別に
Sweet Worker’s Set
キャンディーを使った手順に使う用具のセット。
テーブル・ホッピングやバー、レストランなどで15から25分くらいの長さ(演技を見た上での私の予測)で演じる時に使う用具一式。
中を隠す感じではなくて丸見えで、観客が見た時に「あれなんだろー」って興味を引けるようになってる。
実際に演じるときのマジシャンのセットを見ることって中々ないので、貴重な情報ですね。
Special Gift Deck
プレゼントボックスの様なケースに入った、色々なオブジェクトが書かれたデック。
果物やキャンディ、金魚、車のおもちゃなどが書かれたデックで、選ばれたカードに書かれたオブジェクトを使った手順をしたり、その場にそぐわないようなアイテムを使いたい時に、必然性を与えるために使ったりそんな感じの道具。
バックとフェイス用のDATAが付属しています。
Breakaway Sharpie
サインしてもらうためにペンを渡すと、ペンがぐにゃぐにゃします。
ブロークン・ウォンドのシャーピー版。
口頭で、仕組みと今の仕組みに至るまで試したことについて話しているので、興味がある人は頑張って作成してみれば?という感じ。しっかりと構造を映したりはしてなかったので、見て理解して作るのは結構難しそう。
Sweet Pen
キャンディー・ロールがペンになっています。
ジョークグッズ。自作品。
Appear8
カードケースに印刷されたビリヤードボールの写真から、本物のビリヤードボールが出てきます。
フラップ的なあれなのですが、ダイレクトにフラップを使ったトリックと比べ、出現したオブジェクトに観客のフォーカスが向くのと、オブジェクトを見せたりする動きの中で自然にギミックを処理出来るので、バレバレで安易な使い方よりは大分好きな使い方。
見え方はフラップを使っているだけにとてもビジュアル。一時期SANSMINDから写真から物が出てくる(or入る)系のトリックがよく出ていましたけど、遜色ない見た目です。
フラップは最近主流のエラスティック・スレッドではなく、シートタイプのダム的なあれ。どちらが良いのか正直良くわからないんだけど、シートは突然壊れるということがないので(壊れそうなときは感触ですぐわかる的な意味)、個人的にはこっちが好みです。
LollyPOP
カードに印刷されたロリポップの写真から、本物のロリポップが出てきます。
「Appear8」と同じなので省略。こっちはカードケースではなくてカードの裏です。
Lolly Through
ロリポップが紙幣を貫通します。
有名なあの貫通ギミックをロリポップでやるだけ。
販売はされていないので、したかったら自作するしかありません。
Signed Note Transformed and Restored
サインした紙幣からサインを剥ぎ取り、紙幣の肖像を眠らせます。
現象を文章で知ったら、なんのことやら意味が分からない気がするやつ。
既存アイディアの、デビッド・ウィリアムソンのサインカードからサインを剥ぎ取るあれと、ダン・ハウスの「Sleeping Queen」を組み合わせたもの。
Sleeping Queen by Dan Hauss
Sleeping Queenに使うあの素材、どこにでも売ってるっぽい雰囲気を醸し出してるのに、中々売ってないんですよね(ネットでも)。手に入れるの苦労した覚えがあります。
#46 The Amazing Torn and Restored Card Trick
観客が読み上げる指示書通りにマジシャンが動くと、カードの破片がお菓子の中に移動する。
レストアとかタイトルにあるけど、破いたカードが復活するのではなく、食べた破片が不可能な場所から出てくるとかそういうニュアンス。
Flying saucerっていうイギリスの駄菓子(画像の円盤みたいなの)を使っているけど、それである必要はないので他にもフォーチュン・クッキーとか中空になってるものならなんでもいけそう。
日本だと何があるかな?くっそでっかい柿の種とか?
また、破片関係はゲータン・ブルームの「インターセッサー」のようなギミックを使っているのだけど、氏の使い方は破るときフェアにカードを破いているのを見せれるタイプで、説得力はかなり強い(同じ手法を選択している人、過去にも何人か見た覚えがあるけど名前出てこない)。
必然的に、最後に出てくるのはデュプリケイトになるのだけども、カードと破片を立体的に合わせることが出来る状態になっていると、経験上観客はほんの少しの印刷のズレでも気づくので(過剰に検めさせない状況にするな、とかは置いといてもろて)、渡す前に正規の破片にすり替えるなり、破片か本体のどちらかが氷の中に入ってるとか正確に合わせることが出来ない状況で出現させるのが、個人的には好みかなと思ったりします。
あ、手順内で使っている指示書カードのDATAも入ってます。
Lolli Hero
演者がロリポップを舐めると、キャンディの形が観客の選んだヒーローの形になる。
めっちゃ子供に喜ばれそうなトリック。
キャンディを見せ、フェアにそのまま口に入れて出したらその形になっている。
氏はスーパーヒーロー(アベンジャーズ)のトレカを使っていたけど、別にフォースとかをしているわけでなく、バットマンやアイアンマン、キャプテン・アメリカなどある程度メジャーなヒーローの分用意しているようです。
日本でもし演じるとしたら、ポケモンみたいなキャラクターに置きかえるのが良さそうだけれども、ギミックを作るのが大変なのと、飴細工のスキルを持ってるとかでもない限り、既製品の棒付きキャンディを元に作ることになるので、材料が手に入るかどうかが問題かもしれません。
なんか、舐めたら形が変わるキャンディとかでメーカーに持ち込んだら、作ってくれそう感ある。実はもうあったりしないのかな?