所感:「The Devil’s Picturebook Disc2 by Derren Brown」

2020-06-29

The Devil’s Picturebook by Derren Brownとは?

手品をやっていない人でも知ってるレベルで有名な、イギリスのメンタリストDerren Brown(ダレン・ブラウン)の2枚組DVDのカードマジック作品集。

Disc1はゴリゴリのスライト使ったカードマジックで、Disc2はメンタル系のカードマジックが収録されている。

今回はDisc2の感想。

残念ながら催眠やメンタルには疎いので、ただの手品マニアが観たらどんな感想になるのか?くらいで読んでいただきたい。

Disc1はこちら

所感

  • 英語わからないと地獄

マインド・リーディングについて、ダレン氏の考え方なんかが語られます。

・もしカードマジックとマインド・リーディングを両方やるとしたら自分ならどうするか?

・マインド・リーディングをよりリアルにするにはどうするか?

といった内容。
詳しくは書籍『PURE EFFECT』を読んだほうが良いらしいです。

Out of This World

アウト・オブ・ディス・ワールド。
ガイドカードも無くし、デックを2つの山に思うまま配ってもらう見た目。

ダレン氏曰く、まだ発展途上のアイディア。

分ける山を2つにすることを主眼に置いている。
ガイドカードを使わないのだが、配りきった後に各パケットから1枚ずつ目印にカードを取り出すので、最終的なディスプレイは理想的なOOTWぽくなる。

一番気になるであろう箇所は、発展途上というだけあって残念ながら微妙。そこさえクリアすることが出来ればスタンダードになりうると思うんですけどもね。

とはいえ、手順に入る前のバイプレイや、手順の演出・口上は見事であり、すでに演じているOOTWの手順があるならば参考にしたいところ。

Double Think

現象 2人の観客にそれぞれカードを選んでもらい、マジシャンは2枚のカードを取り出します。
覚えてもらったカードを聞き、カードをめくると当たっています。

カードの選び方はそれぞれ異なり、見てもらうだけ、頭の中で想像してもらうだけ、の2つの方法でされています。

片方をシュアファイアにすることで、あとから何やかんやするパターン。

構成やら演出やらで上手いことカバーしていました。

類似のトリックだと、桂川新平氏の「Any Card to Pocket」(DVD『CAPRISE』収録)なんかが近いと思いました。

Velvet Turnover

カードをターンオーバーするときにスイッチする技法。

色々応用が効きそうですね。

普通のカードマジックはやらなくなってしまった、という話をしてましたけど、色々隠し持っているのではないかと感じます。

Extreme Mental Effort

現象観客にちらっと見て1枚カードを覚えてもらい、混ぜてもらいます。
観客に1枚ずつ配ってもらいながら、マジシャンは観客の心読みます。

マジシャンが「STOP」と声をかけて配るのを止めてもらい、観客の見たカードを当て、観客の最後に配ったカードを見るとそのカードです。

マジシャンは基本デックにノータッチで、覚える・混ぜる・配るは観客がやります。

気持ち悪いです!

マインド・リーディングの弱点である「読み取った瞬間を観客に見せれない」を見事に解決した作品かと。
使用するデックはレギュラーではありませんが、準備は容易。

手法にも無理はなく、確実に現象を起こせます。

でもはやりというか、演者のキャラクターが重要なところがあるので、やりたいと思う人は自分のキャラをしっかりと理解してやらないといけません。

Right Caption
ゆき
わたしはやるよりも観てるほうがいいな、と思った作品

ちなみに解説はほぼ口頭で行われ、加えて解説の冒頭でこの手順に至る前の没アイディアの話(原理が全く違う)をするので英語がわからない人は辛いと思う。

Invisible Deal

現象見えないデックを観客に渡し1枚になるまで減らしていってもらう。
残った想像上の1枚と、予め置いてあった1枚のカードが一致している。

1枚のカードをフォースするわけだが、見えないデックを観客に渡して操作してもらうことで情報を引き出し、利用していました。

非常に面白く有用なアイディア

ただ、プレゼンテーションをしっかりしないとグダる可能性があるので初心者とかにはおすすめ出来ない。

Invisible Deal Force

現象見えないデックを観客に渡し1枚になるまで減らしていってもらう。
残った想像上の1枚と、予め観客に渡してあった1枚のカードが一致している。

現象だけ見ると一つ前に収録されている「Invisible Deal」と同じ。

手法に暗示やらが入ってきました

ただこれは、そのまま日本語で演じることは不可能
もしやるのであれば、原理を理解した上でスクリプトを自分で考えないといけません。

メンタル系上級者向けだと思います。

ただ一点、使われている策略の中でわたしが過去されて非常に不快感というか、あー好きじゃないなと感じたものがあったので、そういう感想を抱く人がいる可能性を考慮したほうがいいかもしれません。

メンタル系の中ではメジャーな手法なんですけど、あれ苦手なんですよねー・・・。イラッとする(したことがある)。

どれの事が具体的に言いたいけど、タネに繋がるから自重。

ちなみに実演映像での観客のああいう反応、すごい好き。

Mental Force

現象1枚のカードを観客に渡したあと、1枚のカードを想像してもらう。
想像してもらったカードが渡してあったカードと一致している。

暗示や心理学的なことをフルに利用して1枚のカードに誘導していく方法です。

もうよくわかんね。練習あるのみみたいだ。

どうやって練習するの?という質問に対し、ダレン氏がこういったトリックを練習する際にやってた方法について話してくれてます。

わたしレベルの人間だと、この話が一番参考になったかもしれない。

おまけ

ダレン・ブラウン氏が、ガイ・ホリングワース氏のモノマネをしている映像。

ガイ・ホリングワース氏のDVD『リフォメーション』(日本語字幕版もあるよ)に収録されているものと同じ。

ダ´ω`)つ│ 「マイケル・アマー!!」

最後に

メンタリストとしてのダレン・ブラウン氏が堪能出来ると思います。

そりゃもうこの人に影響受けてメンタリスト目指す人が続出するわーという感じです。

個人的に面白かったのは「Extreme Mental Effort」あたりから全部興味深かったです。
ほとんど全部ですね。

カード・プロブレムのひとつとして知られる「The Three of Clubs」のフェアな解決方法をこんなに叩きつけてくるとは思いませんでした。

おすすめしたいところであるが、英語がわからない人には宝の持ち腐れだから、訳が付いているところから入手するのがいいと思うな

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