所感:MAJION LIVE LECTURE ―NOJIMA LINKING DICE +++ ―
MAJION LIVE LECTURE ―NOJIMA LINKING DICE +++ ―とは?
2019.12.28に行われた(当初の予定は27日)、MAJION主催のLIVE Lecture 野島伸幸氏3回目。
今回は野島氏の代表作「リンキングダイス」(DVDとして発売中)を解説していく。
2019年時点での野島氏の現在のハンドリングや、外し方、派生したアイディア等、DVDには収録されていない内容を含んでいる。
ちなみに、次のライブレクチャーが今の所予定されておらず、今回が一応最終回とのこと。
購入ページは下のリンクからどうぞ。
*DVD「リンキングダイス」のPV
所感
はじめに
- 実演
まずは実演。
基本のリンキング、外して、観客にも手伝ってもらい観客と両手でリンキング。
- リンキングの基本原理について
根本的な原理の話や、リンキングダイス考案の歴史等の話もありました。
- 使用するダイスについて
サイズや形状や個数等について、こういう理由でこれが良いといった話。
必ずしも守らなければいけないというわけではないが、理解していおくことは大事(手品に限った話ではない)。
観客に協力してもらうダブルリンクまでやるには、最低12個必要。
- ダイスの揃え方/ダイスの取り上げ方
これを意識するようになったら、リンキングしたときに崩れて落ちることが劇的に減りました。
偽の種明かしの解説のときに話される、力加減のコツと合わせればさらに安定します。
つなぎ方
- 基本のリンキングの動き
リンキングを始める直前の姿勢・手の位置や、一番不思議に見えるリンキング後の手の配置等、かなり詳細です。
- 観客からの角度
フラッシュしやすい角度や注意点など。
- リンキング時の手の軌道
よく見られる間違いを例に挙げ、注意するべき動きを説明。
- 持ち上げるときのサトルティ
演じるのに慣れてしまうと忘れそうになる有効的なサトルティ。
観客側からすると、こういうところが効いてるんですよね。 - リンキング時によく見られるミス
一度、外し方の解説に話が移りますが、戻ってきます。
鏡とかで練習してると、なぜかこういうの気づかないんですよね。
もしかしたら、リンキングの瞬間に目を瞑っているのかもしれません。
- リンキング時にぶつかった「音」を出す方法
リンキングの瞬間に「カチッ」と音を鳴らす方法。
外し方
- 角度について
入れ方のとき少し違うので把握しておきましょう。
- 基本の動き
若干駆け足気味・・・と言ってはいるが、個人的にはわかりやすかった。
- 質問:親指が・・・
リンキング時の「近づけていく」→「リンキング」→「繋がったことを見せる」の指の動き方を、どのタイミングでどう動いているかをゆっくりと説明。
ダブルリンク(観客と一緒にやるリンキング)
- つなぎ方
左手がメインのリンキング個人個人の指の形で難易度(場合によっては出来ない可能性も)が変わりそうな技法。
指の短い人は泣けばいい。
- 観客とリンキング
自分で6個、観客6個の最低12個が必要。
角度の取り方、観客への指示の仕方等注意点が多く難しい。
- 観客の選び方
演じやすい客についてや、選んだ観客が演じにくかったときについて等。
つなぎ方(偽の種明かし)
SNSで話題になった、いわゆる「ガチメソッド」。
ぶつけて入れ替えれば出来るんじゃね?→本当に出来ました。
“マジックではない、己との戦いです”
精神的なコツ(唐突なTAKAHIROメソッド)が印象深い。
- 力加減のコツ
精神論に続けて、真面目な物理的なコツの話。
ダイスを持つときの力加減の調整の話をしていますが、ここでの話はリンキングダイスをやるとき全般にいえることなので大事です。
- リンキングダイス練習法
真面目なことを最初は言っていたような気がしましたが、最後に言ってた「あまり参考にならない練習方法」の記憶しかない。 - 蛇足のアイディア
“これは気にしない欲しい”
サロンの手順(TV出演時の演出)
基本的なリンキングを使う。舞台等の規模の大きな場所でも使える方法。
クロースアップで演じるにしても、演技の導入に使ってもいいですね。
- そうそう起こらない失敗(談)
野島氏が演じているときに実際に起きた失敗とその対処の仕方の話。
ほぼ絶対に起きない失敗だが、起こすことは出来る(観客視点)。
- 囲まれても状況でも出来る工夫
この演出の仕方だと、覗き込まれてもカバー出来るよ!というハンドリングの工夫。
レストランみたいな、後方をお客さんが通ったりする可能性がある場所で演じるときに意外と助かる工夫です。
クロースアップの手順
6個まとめて消し去る方法
観客に渡そうとしたダイス6個が消える。うぇーーーーい。
色々な使い途を考えたが、実用的な使い途がこれくらいしかなかったとのこと。
ボツネタの話もあり。
パズル的なつなぎ方(ボーナス)
リンキングリングの導入に使える、Do as I do系バーベットのような見せ方。
ダイススルーカード(ボーナス)
ダイスアクロス(ボーナス)
左手に握った3個のダイスが右手に1個ずつ移動する。
現象的にはスリー・ボール・トリックをダイスでやるもの。
ボールで使える技法はダイスでは使えないので、特有の技法を行う。
ダイスを4個使ったバージョンもある。
その他
- 質問:ダイスの目について
リンキングダイスを演じる際、観客に見えているダイスの目の組み合わせについてお話。野島氏が注意している点について。
観客の思い込みについての話も面白いです。
- 質問:違う色のダイスを使うのはありか?
題のとおりです。
最後に
非常にわかりやすかったですはい(配信時はたまにノイズ・映像が停止することがありましたが問題になるほどではないかと)。
DVD版と比較でも出来ればよかったのですが、実は未見です。すみません。
なんかのレクチャーのときに観たことあるだけで、基本的なやり方は出来るけど人前では演じたことはない。ってレベルでしたが、観たら一通り出来るようにはなりました。
すでにDVD版を観たんだけど・・・という人は解説内容と相談して決めてください、としか言えません。
ボーナスとして収録されているトリックですが、リンキングとは一見無関係に見えるトリックでも根本的なコンセプト(メソッド的に)はリンキングダイスと同じ、というのがこだわりを感じました。
今回の配信の説明で「スローモーションメソッドの解説はありません」と記載がありますが、すでに同じハンドリングが発表されていたので解説を見送ったのでしょう。
マジック・エフェクト 藤原邦恭(ふじわらくにやす)氏の「リンキング&アピアリングマーブル」(ギミック一式&DVD)に収録されているので、気になる人はこちらを購入してみると良いと思います。
というわけで、リンキングダイスを覚えたい人にはおすすめです(すでにDVD版を観た人のことはわかりません)。