所感:「Passion by Bernard Bilis」Disc4
Passion by Bernard Bilisとは?
フランスを代表する大御所Bernard Bilis(バーナード・ビリス)の4枚組DVD。
このページはDisc4についてのものである。
所感 Disc4
Open Prediction
ゴリゴリっとスライト使うレギュラーデックのみで行う系。
現象的には本当にオーソドックスなオープンプレディクション。
スムーズに行えればノイズになる部分はほぼ無いと思う。スムーズに出来れば。
演技後、リセットのための工夫もあり。
Voodoo
観客の選んだカードを取り出しそのカードをひっくり返すと、メイトカードがデックの中でひっくり返る。
選んだカードを破ると、デックの中のメイトカードも破れる。
選んだカードをライターの火で炙ると、メイドカードも焦げ付きます。
ガイ・ホリングワース氏の手順がベースになっているそうな。
ガイ氏の手順(note『RENOVATIONS』に収録)と比べると、ビリス氏の手順は選ぶカードの選択を、観客に好きなカードを言ってもらう形になっている。
演技のたびにカードを消費していくが、気に入れば作る価値はあると思います(レギュラーデックがあればOK)。
現象的にビザーマジックとして演じることになりそうなので、使い古したデックを使ったとしても演出的にプラスに出来ると思う。
使い古したデックの再利用にもいいかもしれません。
Triumph Spell
2枚のカードを選んでもらうトライアンフ。
1枚目のカードがトライアンフしたあと、そのカードの数字分配った場所から2枚目のカードが現れる。
ノーフォースで達成してます。つまりどういうことか、あとは分かるな?
1枚目のトライアンフの部分だけで十分な気がします。
いや、上手いですし。あの変なターンオーバーしませんですし。あの解決法好きです。
Acetimation
観客に適当な枚数のカードをデックから取り上げて持っていてもらう。
残ったデックをゆっくりとカットして、そこからエースを1枚ずつ取り出していく。
4枚目のエースは、最初に観客に適当に取ってもらったパケットの枚数と、同じ枚数目から出てくる。
ジョーカーを抜いた52枚じゃないと成立しない気がしますがどうでしょう?
英語分からないと理解するの辛いなぁ、としみじみ思うなど。
Running Gag Aces
エースが1枚ずつ表向きに現れ、都度元に戻す。
4枚目のエースが現れると、今度は3枚のカードが表向きに現れる。
最後には、エースがビジュアルに出現すると、観客の3枚のカードがエースによってコレクトされている。
連続で色んな現象が起きるのでちょっと現象を説明しづらいが、コレクターになるかと。
難しいとは思いますけど、長めの手順を演じたいとき用にでも。
コレクター現象で一番ギルティな操作になりがちな箇所、「選んだ3枚のカードが現れたよ」という見せる動きの中で行うため、わりとカバーされている思いました。
Four of a Kind
4枚のAがデックの中から消える。
好きな数字を言ってもらい、その4枚をデックから取り出すと、消えたはずの4枚のエースに変化。
好きな数字の4枚はデックケースの中から出現する。
レギュラーのみで出来る手順。相変わらずハードですが。
スクエアチェンジやマーローの箱へのロードなんかも解説されています。
現象は分かりやすくて非常に良いと思う。でもハード。
Three Card Monte
ジャンボカードのサイドウォーク・シャッフル手順。
テーブルや台のない状態で、3枚のカードのみを持って登場したので、完全に手に持ったカードだけで完結させるような手順なのかと思いましたが、そのズボン、ポケットにジャンボカード入るんですね・・・。
正直ポケットのサイズが一番驚きました。
すでにサイドウォーク・シャッフルを演じている人は参考になると思います。
マフィアっぽい服装と、ギャンブルにまつわる演出で演じてました。
Rope Routine
ロープ切りから3本ロープ、結んでリンキングロープ、1本になって終わり。
ロープマジックのいいとこを詰め込んだルーティン。
Interview 4/4
マジックの学校を作りたいなんて話等。
pastry cake
お料理動画。ワンダラーサイズくらいのチョコパンケーキみたいなお菓子を作ります。
材料の分量はブランクカードに書かれて出てきます。
Disc4まとめ
こうしてみると、この巻も重めの手順が多いですね。
基本的にどの手順も、どこかしらにエグめの操作が入るのでそのままでは演じにくいかもしれないが、練習していれば実力はつくと思う。
一応ギミックである「Voodoo」の手順ですらも、スライトまったく出来ない人には演じれませんね、そういえば。
4disc通してゴリゴリとスライト力を必要とするため、セルフワーキングしか演じれないような人には観賞用DVDになってしますが、逆にスライトが好きな人にはとても良いDVDだと思いました。
ちまちまとされるちょっとした技法の解説も非常に有用で、Disc3ではパームやパスなんかをみっちり解説してましたが、クイック・スクエアチェンジ(Four of a Kind)やテントバニッシュ(Disc1の「Invisible Palm」)の解説くらいあっさりでも良いので、もっと幅広く色々な技法を見てみたいなぁというのもありました。
日本語字幕がないため、Interviewの内容など一部もったいないなぁと感じる部分がありましたが、スライト好きで、しっかりとした場所でショーとしてカードマジックを演じる機会のある人は観て損のないDVDだと思いました。