所感:「VICTORIAN COINS and GLASS by Kainoa Harbottle」

2020-06-29

VICTORIAN COINS and GLASS by Kainoa Harbottleとは?

コインマジックの名手Kainoa Harbottle(カイノア・ハーボトル)氏プレゼンツのコインマジックに使いやすいグラス(ガラス製のコップ)とカイノア氏の手順が解説されたDVDのセット。

所感

グラスについて

グラスは結構肉厚で高さは約8cmでトランプより少し低め、外径の一番大きいとこ(上の部分)は7.3cmで、小さいとこ(底の部分)は4.8cmくらい。

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ゆき
色々なものと並べてみた

コインマジックをする上で有利な部分がたくさんということで、その辺をちょっと検証。
中に入れるとコインの枚数がどこから見ても分からないらしい。

なのでウォーキングリバティを4枚入れてみた

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ゆき
上から。何枚かは確かに分からない

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ゆき
真横から。よく見ると枚数は分かる

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ゆき
斜め上から。屈折の関係で枚数はまったく分からない

結論:中に入れたコインは見えにくい

一番視認出来るのは真横から見たときだが、内側が丸みを帯びているため、屈折して普通に使っている分には見えにくくなっている。
静止させてガン見させた場合は画像のように見えると思っておけば良いかなと。

グラスの底にコインを隠したときだが、側面からは完全に視認出来ない

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ゆき
真上から見たときのみ、知っていれば分かるかも?程度(ウォーキング・リバティの女神面が上を向いてます)

底のくぼみにコインを垂直に入れたときはこんな見た目(コインはウォーキングリバティ30mm)。

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ゆき
ゆーっくり貫通するのを見せるときに使えるやーつ

底のくぼみにコインを水平に入れると、ウォーキング・リバティ(30mm)はこんな感じ。

ハーフ・クラウン(32mm)だと
アイゼンハワー(38mm)だと
こんな感じである。まぁ参考までに。

一点、デメリット?として知っておいた方が良いかなと思った点があって、グラスをテーブルに置いて転がし逆の手でキャッチする、というフラリッシュをするとき軌道がかなり曲がるのでやりにくいという点は考慮しておいた方が良さそう。
かなり急激に曲がって転がる。

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ゆき
グラス自体は結構好き

解説DVD

収録されているのは3手順。

Victorian Coins and Glass

グラスとコイン4枚(カイノア氏はハーフクラウンで演技)とSを使ったコインアクロスの手順。

四段構成になっていて、そのすべての段が観客の手の上で何かしらの現象を起こしている

ちなみにコインの移動4回だけなのだが、演技に8分程度使っておりかなり長い。
英語が分からないと本当にしんどいと思い知った・・・。

手法的には手順に入る前のSをグラスの下に隠し持つディスプレイが自然で且つ効果的なサトルティになっていたと思う。

バーやホッピングのような観客に参加してもらう形で演じるときに参考になるんじゃないだろうか。
ただ、観客に一枚握らせてそれが消失するというあれは、本当に通用するのかちょっと分からない

観客の手の上で行う際に起きるトラブル(消失後に手を出してきたり)への対処の話は参考になった。

ミゲル・プーガ氏がDVD『ALLEGRO』の中で観客が調べようとする動きを封じる話をしていましたが、ミゲル氏の方法は演者も観客も立っているという状況下でのものでした。

カイノア氏が今回話していた手法は、座っていても立っていても有効な方法でした。

ただ、結構がっつりと観客の手を触ったりするので人によっては合わない可能性もありそうですね。

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ゆき
あ、やりやすさはあるだろうけど、ヴィクトリアン グラス以外のグラスでも出来るで

Coin Production

現象 1個のグラスだけを持った状態からコインが1枚出現。
その後2枚に増えたり、1枚に戻ったりを繰り返した後に4枚のコインが出現する。

レギュラー3枚とS1枚を使う手順。コインはバーバー・ハーフダラー(30mm)になってました。

グラスしか持っていない(ようにしか見えない)状態からの出現はいいですねー、やりたいですよね。

この手順をそのまま演じる場合、コインを重ねて扱う部分があるのでソフトコンディションのコインでないとやりづらいので注意が必要。

この後に続けて演じたいトリックに合わせて、手順を自分で考えるなり調整するなりするのが良さげです。

Two-Coin

銀貨とチャイニーズコインの入れ替わり。

グラスの中にコインを入れると、中身がよく分からない事を利用したカッパー&シルバー。

実演では、コインをトランプケースの下に隠すというやり方をしていたせいでなんだか胡散臭く見えましたが、観客に握らせるという「いつものやり方」でも問題ないのでそっちはさておき、グラスを使ってマジックモーメントを少しずらすというのは良いのかもしれません。

この演技ではSを使っていましたが、エキストラを使うような手順でも応用可能で、グラスを使ってエキストラなりSなりを隠して改めるディスプレイがいい感じに使えます。

最後に

良いか悪いかで言えば「人によるんじゃない?」ですかね。

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ゆき
すまないね、0か1かで評価出来るもんじゃねぇ

今回挙げさせてもらった点が「良い」と思う人であれば使いやすいと思いますし、「これはあかん」って点がある人であれば使えないだろうし、愛用のグラスがすでにあるのであればわざわざ買うものではないかなと。

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ゆき
ちなみにわたしはだいぶ使ってます

解説は全体的にあっさり目というか、基礎的な事を知らない人が見たら丁寧な解説が欲しくなるだろうなレベル。
コイン初心者が購入を検討するときはちょっと注意

ある程度コインをやっていて、自分で手順を考えれる人が買えばいいんじゃないかなー?

グラスとコインの手順ってパッとは思いつかないんですけど、DVD『ファットブラザーズ vol.1』に収録されているミゲル・アンヘル・ヘア氏の手順や、同じくミゲル氏のDVD『ESSENCE』(4枚組日本語字幕あり)の手順がいいなーとか思ってます。
観たことがなければ参考までに。

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