用語:サスペンス理論(Suspense)

マジックの演出に関する理論

「サスペンス」という単語の意味自体は

ある状況に対して不安や緊張を抱いた不安定な心理、またそのような心理状態が続く様を描いた作品をいう。シリアス、スリラー(サイコスリラー)、ホラー(サイコホラー)、アクションものといった物語の中で重要な位置を占める。単純に「観客の心を宙吊りにする」という意味でズボンのサスペンダーを語源だとする説明もある。

また、より広い意味においては、観客や読者が作品(の行く末や登場人物など)に対して不安や緊張の心理、物語の結末を知る事への希求を抱かせ、その作品に対しての興味と関心を持続させる事ができる(あるいは、製作者がそのように意図した)作品もサスペンスといわれる事が多い。この場合には、宣伝などに「ハラハラドキドキ」や「手に汗握る」といった表現(惹句)が用いられる事も多い。

Wikipediaより引用

である。

ここで述べる「サスペンス理論」とは、サスペンスの神様と言われた映画監督・アルフレッド・ヒッチコック氏の「サスペンス」についての考え方を「マジック」に適用させた演出の方法であり、スペインの偉大なマジシャンJosé Carroll氏の著書『52 Lovers』の中で登場、現在はこの考えを土台(特にスペイン圏のマジシャン達の間で)とし、レクチャー等では度々引用されており、演技の中にも垣間見える。

つまりどういうこと?と聞かれれば

観客にこれから起こることを予想させ、
いや、そんなこと出来るわけない・・・絶対目を離さんわ・・・これは無理やろ~~~え?・・・なんでやっっっ(∩゚д゚)

こういうノリだと言えば伝わるだろうか。

「今からまっすぐ行って右ストレートでぶっ飛ばすよ」という宣言を聞いて待ち構えていたら、尋常じゃない速度・威力で反応すら出来ずに右ストレートでぶっ飛ばされる感じの演出です。

・・・微妙にずれているような気がしなくもないが、大筋は合っていると思う。
サスペンス理論についてもっと詳しく知りたい・理解したい方はこちらの本をお読みください(日本語です)。

またサスペンスとともに「サプライズ」という用語が登場するのですが、こちらはその名の通り「観客を驚かす・びっくりさせる」演出を意味する用語であり、観客の思いも寄らない現象を起こす演出のことであります。

相手が右腕振りかぶってきたと思ったら、左でボディを打たれた。っていう感じがサプライズだと思っています。一般的なマジックのイメージはこちらかもしれません。

サスペンス演出」と「サプライズ演出」という2つの考え方があるということを知っておくと、演技を良くするのに役立つので理解しておくことをおすすめします。

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専門用語

Posted by ゆき