マジックの現象別分類法について

演じるマジックを考えるときに、引き起こす現象の種類について考えたことはあるでしょうか?
過去、色々な人達がマジックの現象を分類する基準を発表してきました。

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ゆき
「出現」や「消失」「変化」みたいな分け方だ

現象を分類して何になるの?と思う方もいるかも知れませんが、分類法そのものというよりは現象に種類があるということを認識するということが大事になってきたりします。

マジックを演じる際に「出現」「出現」「カード当て」「カード当て」「出現」なんて、同じ現象のマジックばかり演じてたりしませんか?

「復活」の現象をコミカルなBGMを流しながら真面目な顔で演じてたりしません?

同じ現象ばかりで演じるマジックを構成していると「いつも同じようなことしかしないマジシャン」と思われてしまったり、現象の持つイメージとBGMの印象がチグハグしていると「似合わない音楽をかけてマジックしてる人」なんて思われてしまったりします。

演じるマジックの「現象の種類」を理解することは、演目決め、演出するなんていうときに重要になってくるため、知っておくに越したことはありません。

というわけで、マジックマニアの中ではとりわけ有名なDariel Fitzkee(ダリエル・フィツキー)の「THE NINETEEN BASIC EFFECTS」、カードマジックに限ったT.ペイジ・ライトの「CARD EFFECTS CLASSIFIED」を今回は紹介してみたいと思います。

手元にS. H. Sharpeの「ANALYSIS OF CONJURING FEATS」、Winston Freerの「SEVENTEEN FUNDAMENTAL EFFECTS」という分類のリストもありますので、こっちは次回にでも紹介します。

ではまずダリエル・フィツキーの分類から。

Dariel Fitzkeeの「THE NINETEEN BASIC EFFECTS」

1. 「出現」Production (Appearance, creation, multiplication)

2. 「消失」Vanish (Disappearance, obliteration)

3. 「移動」Transposition (Change in location)

4. 「変化」Transformation (Change in appearance. character or identity)

5. 「貫通」Penetration (One solid through another)

6. 「復活」Restoration (Making the destroyed whole)

7. 「アニメーション」Animation (Movement imparted to the inanimate)

8. 「反重力」Anti-Gravity (Levitation and change in weight)

9. 「付着」Attraction (Mysterious adhesion)

10.「同調」Sympathetic Reaction (Sympathetic response)

11.「不死身」 Invulnerability (Injury proof)

12.「物理的・肉体的変形」Physical Anomaly (Contradictions, abnormalities, freaks)

13.「観客の失敗」 Spectator Failure (Magicians’ challenge)

14.「制御」Control (Mind over the inanimate)

15.「同認」 Identification (Specific discovery)

16.「読心術」 Thought Reading (Mental perception, mind reading)

17.「思考の伝達」 Thought Transmission (Thought projection and transference)

18.「予言」 Prediction (Foretelling the future)

19.「超感覚的知覚」 Extra-Sensory Perception (Unusual perception, other than mind)

ex.「技術」 SKILL

Dariel Fitzkee著『The Trick Brain』
web site「マジェイアの魔法都市案内」

日本語名についてはマジェイア氏の「マジェイアの魔法都市案内」様の記事を参考にしました。

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ゆき
実は私がマジックを始めた頃、非常にお世話になったサイトだったりします
現象別分類:Fitzekke

個々の説明については、上にリンクを貼った「マジェイアの魔法都市案内」様にもあるのでちょっと割愛。
気が向いたら別ページで少し詳しくやってもいいかな?くらいで考えています。

15の「同認」がちょっとわかりにくい気がするのでこれだけはちょっと説明。
「同認」っていうのは、どこに行ったのか所在の分からなくなった物を見つけ出すような、いわゆる「カード当て」に代表されるような現象です。

またスクリプト・マヌーヴァ社から出ている『レストラン・マジシャンズガイドブック』の中では、「同認」ではなく「同定」と訳されています

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ゆき
正直こちらの方がわかりやすい訳だと思う
Amazon.co.jp

exの「技術」ですがリスト自体にダリエル氏は含めておらず番外として位置づけています。

例を挙げるならば、ポーカー・デモンストレーションや記憶術のような現象のことで、手法がどうあれ観客からしてみれば達人芸の類であり「達成方法が謎に包まれているわけではない」ということのようです。

さらにいうとダリエル・フィツキーはこの19(番外含めたら20)のリストの中からさらに、演じる手順を選ぶ際に以下の10種から選ぶことを提案しています。

1. 「出現」Production (Appearance, creation, multiplication)

2. 「消失」Vanish (Disappearance, obliteration)

3. 「移動」Transposition (Change in location)

4. 「変化」Transformation (Change in appearance. character or identity)

5. 「貫通」Penetration (One solid through another)

6. 「復活」Restoration (Making the destroyed whole)

7. 「アニメーション」Animation (Movement imparted to the inanimate)

8. 「反重力」Anti-Gravity (Levitation and change in weight)

10.「同調」Sympathetic Reaction (Sympathetic response)

15.「同認」 Identification (Specific discovery)

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ゆき
良いチョイスです

続けてT. Page Wrightの「CARD EFFECTS CLASSIFIED」にいってみましょう。
これは「カード・マジック」に限定した現象分類で、最も古い分類と言っても良さそうな分類法です。

T. Page Wrightの「CARD EFFECTS CLASSIFIED」

1. 「出現」Production

2. 「消失」Vanish

3. 「変化」Transformation

4. 「技巧」Manipulative

5. 「記憶」Memorization

6. 「推理」Guessing problems

7. 「移動」Transposition

8. 「カード当て」Location and revelation

9. 「カードからの出現」Productions from cards (as water)

10.「カードの復活」Indestructible card

11.「予言」Prophetic

12.「整頓」Arranging of cards (as spellers, dealing hands, etc.)

13. Naming cards

14. Discovery of number selected or moved

Dariel Fitzkee著『The Trick Brain』より引用

ふむ、よく分かりませんね。訳はわたしが適当に付けたものなのでご注意を

この分類は1924年にマジック誌『The Sphinx』に掲載されたもので、印刷物して発表された最初の分類法かもしれないやつだそうです。

Sphinx誌を確認すれば詳しいことも分かるのでしょうが、ダリエル氏の『The Trick Brain』で引用されていたリストをそのまままた引用しているため、タイトルくらいしか分かりません。
なので、タイトルからの想像した内容になります。

4「技巧」なんでしょう・・・?マニピュレーション系かとも思いましたが、それだと見た目は「出現」や「消失」と被ってしまうので、フラリッシュやカーディストリーに該当するものとかなんでしょうか?

6「推理」も今ひとつ分かりません。・・・相手の思ったカードを絞り込んでいって当てるようなものや、マッチング・カーズのような現象もありえそうです。

13. Naming cardsは訳すらまともに付けれませんでした。スペリングトリック系かな?と思いますが、それなら続く14に入れてしまっても良いような気もします。

14. Discovery of number selected or movedはおそらくエニー・カード・アット・エニー・ナンバーのようなトリックのことでしょうね!多分。

といった感じで主流?な現象別分類と、最も古い現象別分類を紹介してみました。

せっかくなので、みなさんがいつも演じている演目がどの分類に属していて、どのくらいの割合になっているか確認してみてはいかがでしょうか?

正解とかはありませんが、自分の演目を見直すきっかけになったり、上手い人の構成を見て参考にしたりとか、色々捗るかもしれませんよ。

残りの分類についての紹介はこちら

続・マジックの現象別分類法について
マジックの現象分類についての2回目。前回記事を読んでいない方は先にそちらからお読みください。今回紹介する現象分類、S. H. Sharpeの「ANALYSIS OF CONJURING FEATS」とWinston Freerの「SEVEN...

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