所感:「Outstanding by Roberto Mansilla」
「Outstanding by Roberto Mansilla」ってどんなの?
「EUREKA」というエニー・カッド・アット・エニー・ナンバーを世に送り出したRoberto Mansilla氏の第2作目。今はどうやら「EUREKA」と「Outstanding」の2つしか作品はリリースしていないようである。
「Outstanding」は古典となった名作「アウト・オブ・ディス・ワールド」の氏の改案であり、サロン・パーラーでスタンディングで演じるのに適したものになってる。
所感
サロン・パーラーに適したスタンディングで演じれるOOTWという触れ込みの通りだが、それ以外に目立っていた点を挙げるのであればガイドカードについてだと思う。
この手順はトランプのガイドカードは使わず、赤と黒に塗られた2枚のボードをグラスの前に立て掛け、観客がシャッフルしたデックから赤と黒、感じた側に立て掛けるようにして次々とカードを置いていき、最終的にはすべてのカードの色がボードと一致しているという形態。
OOTWにある「途中でガイドカードの交換をする」という操作は行わない。
見た目は、かなり理想的なOOTWになっていると思う。
即席で演じることは出来ないが用具の準備は容易。
使うボードはある程度サイズが変わっても大丈夫だが、ポーカーサイズの場合はDVDのトールケースより少し大きいくらいからA5までのサイズが丁度良いかなと思う。あとは立てかけるときに使うグラスやらのサイズ次第。
使用するカードはジャンボサイズくらいになるときついが、パーラーサイズくらいなら問題なく演じれる(ボードを少し大きめにしなくてはならないのと、立てかけるグラス等が倒れないような重さのものにする必要があるかもしれない)と思う。
1組すべてカードを配り分ける必要はなく、ある程度の枚数で止めたり、一度に複数枚取り出して分ける等自由は利く。
原理的にいうならば、ジョー・バリー氏のDVD『インスクリュータブル BLUE』に収録されているOOTWと方向性は同じ。
どちらも一長一短かなって感じ。バリー氏のはスタンディングで出来ないので、いい感じに補完しあえてる気がする。
個人的に感じた欠点は、実演・解説どおりに演ると片方のパケットがすべて同色になっていることを見せた後、もう一方のパケットを見せるまで少しラグが生まれてしまっており、観客のテンションが下がりすぎているように感じた。
ここで間を作るのは良くないんじゃないかなぁと。
解説だとAパケットを確認→秘密の動作→Bパケットを確認。
なのだがここは、
秘密の動作→Bパケを観客に渡す→Aパケ確認→Bパケを確認してもらう。
こっちの方が良いんじゃないかな―と。
現象を起こす直前にギルティな操作を入れるのはどうなの?というのが今度は問題になりそうだが、見た限りここはかなりいけそう。
パーラーで不思議なOOTWを演じたいなら、これは良い手順だと思います。
余談だが、この手順にバラリノ氏の「エスプリ」で使われているギミックを導入したら、さらに不思議に出来ないかなぁとか夢想した。
余裕がある人、やってくれないかなぁ~
おまけ
使うボードを実際に作ってみました。
1mm厚のカルトン紙にカッティングシートを貼って、コーナーに金具を付けただけ。
実際ポータブル・ワイングラスに立てかけるとこんな感じ。
まぁ参考になれば| |Д`)