所感:「At the Table Live Lecture Vol.1 – (SEASON 1) – Jason England」

At the Table Live Lecture Vol.1 – (SEASON 1) – Jason Englandとは?

2014年に始まったmurphy’s magic主催のオンライン・ライブレクチャー、ギャンブリングで有名なJason England(ジェイソン・イングランド)回。

所感

・氏が咳き込んでいて気になる部分あり

Triumph

オーソドックスなトライアンフ。

ザローシャッフルとダローのトライアンフ・ディスプレイを使った手順の解説。
ちなみに観客席にダローが居ることにも注目。

後半にはプッシュ・スルーバージョンもさらっと実演・解説される。上手い。

このトリックは雰囲気でやってる人が多く、そのため見た瞬間にあー・・・これ以上は止めておこう。

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ゆき
ちゃんと上手い人を参考にしたらどうでしょうか?と思いました

またこのトリックだけに限らないのだが、ジェイソン氏はリバース・ブリーザー(以下RBC)を好んで使用している。
RBCがないと出来ないというものではなく、使うことで不思議さが増している、とかそっち。

今回のレクチャーにあるRBCを利用したトリックはすべて、デックが変わっても同じカードにRBCを施して利用していました(ルーティンとして演じれるようになっているわけではないが)。

同じようなロケーターを使用している人には参考になると思うよ。

Twisting the Aces

バーノンの手順を土台にしたツイスティング・ジ・エーセス。2つほどアイディアが。

3枚目のAを戻すとき&4枚目のAのリバースの準備を同時に行う工夫あり。
わたしは好きで結構使っている。

また、すべてのツイスト完了後、クライマックス的に行える案がある。これはデレック・デルガウディオの案なそうな。

有名な古典といえるトリックを続けて行うだけといえばそうなのだが、元々が非常にビジュアルなトリックなので、アッシャー・ツイスト以外にビジュアルなリバースを入れるなら考慮に入れていいと思うんだ。

Dunbury’s Delusion

チャーリー・ミラーのダンバリー・デリュージョン。

ここでもRBCを利用。
シンプルながら上手く演じれば良いトリックだなぁと。

ここではセカンドディールではなくスペリングを使用。そのため日本語ではちょっと演じづらい

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ゆき
日本人はセカンドディールを完璧にやればいいと思うよ

Fingerprint Card Trick

指紋を使ってる当てるカード。
演出的にサカー・トリックでダンバリー・デリュージョンと同じ。

スペリングしなくていいので、セカンドディールが出来ない人はこっちで。

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ゆき
あ、ダンバリーとフィンガープリントトリックで現象に優劣はないので、セカンドディール出来てもこっちが好みならやったらええで

Zarrow Shuffle

ザローシャッフルのコツについて。

Sky Shuffle

デレック・デルガウディオも同名のフォールス・シャッフルを発表しているが別物。

これはベンジャミン・アールのサイコロジカル・テーブル・シャッフル(DVD『パスト・ミッドナイト 2巻』収録)とかと同じ系列。

Grand Slam for Bro. John

現象コントラクトブリッジのデモンストレーション。

4枚のAを取り除き、残りのデックを観客にシャッフルしてもらう。

その後、それぞれのAの上にデックが四等分になるように配っていってもらうが、スペードのAのところにすべてのスペードのカードが集まっている。

ここでもRBC使用。
操作のほとんどを観客に行ってもらうのでとても不思議。でも配ってる時間が長いのできっと退屈。

適した場で演じられればとても有効だと思うけど、即席でやるにはセットがちょっと面倒な気もする。

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ゆき
タイトルの「Bro. John」はブラザー・ジョン・ハーマンのことやで

Poker Tells

ほぼ一組すべてのカードを使ったテンカード・ポーカーディール。ラストには演者に4A。

原理はオーソドックスなヨナ・カードを使うものだが、観客にヨナを押し付けたりせず、その辺りもすべて観客任せにし、ディーラーが相手の手札を読み切る感じの演出になっていて、クライマックスではディーラーが圧倒的に勝つというもの。

1回配るたびに手札はすべて捨てて次の10枚を配るため、ヨナが気づかれることはないのだが、そもそも手順の構成上あんまりその辺は関係ない気はする。

クライマックスまでがちょっと地味な気はするが、これも場に合っていれば良いのかもしれない。

テンカード・ポーカーディールへこのようなアプローチでの解決方法は見たことなかったので新鮮でした。

このテンカード・ポーカーディールというプロットのマジックだと、わたしはデビッド・ソロモンの「The Power of Poker」(『ジョン・バノン カードマジック』収録)とか好きですね。

Instant Full House

現象適当な3枚のカードを抜き出し(2枚の4と1枚の3とする)、そのカードをコントロールして自分に配り、ワンペアを作れるという簡単なデモンストレーションを行う。

観客側の手にAのワンペアがあることに気づいた観客が指摘するが、マジシャンの手は実はフルハウス(3枚の4と2枚の3)。

普通に不思議である。
ちょっとした地味なワンペアのデモンストレーションからのハプニングと観客とのコミュニケーションが入ってからのドーン。

このトリックの前に演じていたテンカード・ポーカーディールではワンペア・ツーペア等の弱い役ばっかりであったためか、「なんでワンペアのデモンストレーションやねん」とは意外とならない。

リアルなギャンブル・デモンストレーションを目指したいならば良いピースになるかも。

ちなみにRBCも利用。

Second Deal

セカンドディールのコツとか練習方法について。

セカンドが出来ない人は、そもそも普通の配り方も出来ていないのではござらんか?

The Gathering

現象観客にカードを配り、手札の中のハイカードを覚えてもらう。

集めて再度配り直すと、マジシャンの手札に観客が覚えたハイカードがすべて集まっている。

マーローのトリックをジェイソンverに改案。
同じプロットをデレック・デルガウディオも発表してるらしい。

この手のトリックはあまり好みではないのだが、ギャンブリング特化のマジシャンがカード当てをしたら?っていうシチュエーションだと映えるのかもしれない。

最後に

やはりギャンブリングに特化したいマジシャンが一番参考になるんじゃないかなーと。

割とバリエーション豊かなギャンブリング・デモンストレーションネタが得られるんじゃないかなぁ・・・?

RBCを普段から使っている人も、どういう使い方が出来るのかを知るのに良いかもしれません。

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ゆき
BCを使っている人は多そうだけど、RBC派は居るのか?

そういえば氏のレクチャーノート『ジェイソン・イングランドと仲間たち』でもRBCを使ったトリックが収録されていましたね(読んだだけだとちょっと良さが分かりづらい内容だと感じましたが)。

ザローやセカンドのコツ、古典トリックのハンドリング等、色々参考に出来るものは多かったので、内容の中で気になるものがあれば見てみたらいいじゃないかなぁ。

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