『モダンマジック』を読んでいて、しれっと書かれている「演じる上での注意事項」を見つけたんですが……これ、現代でもめちゃくちゃ重要なことが書かれていました。
たまにプロのマジシャンでさえ、これが原因でミスになっているのを見かけますし、アマチュアのショーならなおさらよく目につきます。
いくら部屋や練習場で完璧にできていたとしても、これを理解していないだけで「いざ本番で大失敗」なんて事態になりかねません。
その原因というのが、タイトルにもある「照明」です。
「照明」に無頓着だと、何が起こるのか?
照明に対して無頓着でいると、マジックにおいて絶対にやってはいけない事故が起きます。
そう、「ギミックや用具が、光の透けで丸見えになる」という現象です。
現場でよく見かける「照明の悲劇」には、例えばこんなものがあります。
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裏から光が当たって、表のマークが透けているジャンボカード
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強い光で、裏にぶら下がっているネタが影で浮き出ているハンカチ
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特定の箇所だけ、なぜか光を通さず不自然に影になっている新聞紙
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出待ちしている道具がバッチリ見えている紙コップ
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光の当たり方で、1個だけ不自然に透けている四つ玉
どれも一度は目にしたことがある、あるいはヒヤッとした経験があるのではないでしょうか。
道具のせいにする前に、知っておくべきこと
こういうミスをやらかすと、多くの人は「もっと透けない素材で作らなきゃ……」と道具のせいにしがちです。そして、より分厚い布や高品質な特殊素材を探し回る「道具探しの旅」に出てしまう。
もちろん、道具自体を改良するのも対策の一つではあります。
ですが、「光と影」というパフォーマンス環境のリスクについて、先人たちが何百年も前からTIPSとして残してくれていたわけです。それを使わずにスルーしてしまうのは、あまりにも勿体ないと思いませんか?
部屋の蛍光灯の下では完璧に見えても、ステージの強いスポットライトや、背後からの逆光が入る現場では、見え方がガラリと変わります。
以下に、『モダンマジック』に記載されている「ちょっとした注意点」の該当部分を引用しておきます。
自分がステージや現場に立つときの「パフォーマンス環境」を正しく理解するために、ぜひ一度チェックしてみてください。
モダンマジック 日本語版 第3巻より
ここで、すべてのマジックに 大なり小なり通じている「重要な注意点」をひとつ述べておきましょう。
演じる部屋は、どれほど明るく照らされていても 問題ありません。 ただし、照明はすべて 「自分の前方」 に配置し、「自分の真後ろ」 には絶対に明かりがない状態を作るか、あるいは そうなるよう 立ち位置を調整してください。
今解説しているこのトリックは、まさにその重要性を物語る格好の例です。
もし真後ろに少しでも明かりがあると、ハンカチを広げて 「普通のハンカチですよ」 と見せようとした瞬間、布地が透けてしまいます。その結果、裏側でぶらぶらと揺れる エキストラの指輪が 観客に丸見えになってしまうのです。
まったく同じ理由から、 手品を披露するときは常に「暗い背景」を背にするよう心がけてください。 そうしておけば、 演技の陰でこっそり使う糸なども、客席からはまったく見えなくなります。 逆に、白い壁紙や 薄手のカーテンのような 「明るい背景」 を背負ってしまうと、 どれほど細い糸を使っていようと、一発で見破られる原因になってしまいます。
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