所感:「At the Table Live Lectures 6(November 2014) – Jeff Prace」

2020-06-20

At the Table Live Lectures 6(November 2014) – Jeff Praceとは?

2014年11月に行われたライブレクチャーのJeff Prace(ジェフ・プレイス)回。
レクチャー当時弱冠20歳の若手マジシャン。
テレビ出演時にはデビッド・カッパーフォールドに「才能あるマジックの発明者だ」と紹介されていました(レクチャーの冒頭にその時の映像が収録されてる)。

鍵とキーリングが入れ替わる『Keylicious』や、ガムを用いたマジックを収録したDVD『GUM』といった、日用品を利用したマジックの印象が強いマジシャンである。

DLC、DVD、他のマジシャンのレクチャーも一緒になったDVD5枚組セットがあり、「6」はセットDVDに割り振られたナンバーである。

所感

In Your Wallet(実演のみ)

クレジットカードを予言に使ったストップ・カードトリック。

単販されている商品の実演。
目新しい要素はないが、予言のカード名が刻印されているクレジットカードが欲しければどうぞ。

PR-Aces

ビジュアルな4Aプロダクション。

1枚目のエースが現れた後、デック上に4枚のエースがスプレッドされた状態でビジュアルに現れる感じ。

難易度的には難しくはないが、綺麗に行うにはそれなりの時間がかかりそう。

基本のやり方以外にも準備なしの状態から演じる方法や、3枚のエースの裏面が観客に見えないという特性を利用したバックの色が変わるクライマックス等の応用もあり。

マクドナルド・エーセスを演じるときのオープナーにも使えるといったことも言ってました、なるほど。

Where Time Stands Still

観客の選んだ3枚のカードが予言されている。

クレジットカード(のようなもの)を差し込んでもらって、そこから3枚のカードの「数字」がクレジットカードに記されているナンバーと一致しているという現象。

演技では数値しか当てていないのだが、マークも予言可能である。

クレカを差し込んだ場所から~と聞くと、プロフェシー・ムーブを想像する人が多いと思うが、差し込んだところからフェアにゆっくり取り出すためマジシャンの方が不思議に感じる人が多いかもしれない(わたしがそうだったとは言ってない)。

デックはレギュラーではないのだ。

演技後、リセットされるように手順構成も考えられているのだが、この手順を演じるためにわざわざ専用のデックを組んでおきたいかと言われれば微妙だと思う。

レギュラーで演じる用のハンドリングも解説されているが、こちらはよく想像されるあれである。

The Contest

マジシャンと3人の観客で4等分したパケットを持ち、4人で同じ操作をするとフォー・オブ・カインドが出現する。

古典マジックを観客参加型にアレンジした作品。
言ってしまうとエース・ボナンザだ。

原案の良さを活かし上手く構成している。

原案にあった「なんでその数字なの?」という部分も上手くカバーしている。

これは名作である。

No More Card Tricks

デックが瞬間的にビニールテープでぐるぐる巻きの状態になる。

現象的にはソリッドデックですね。
ソリッドデック的な現象はオムニデックが主流ですが、このトリックも負けず劣らずのインパクトです。
レギュラーデックが瞬時にぐるぐる巻きになったように見えるので、オムニデックだとハンカチで覆ったりしてるため少し弱く感じがちな「変化の瞬間」が強い。

演技後一応手渡し可能であるのだが、個人的には一箇所あまり見られたくない部分がり、大丈夫なのであろうかと感じる。

マジシャン特有の杞憂な気もするが。

名作です。

Strawesome

紙コップに入った飲み物をストローで飲むが、途中で飲み物が変化(ストローから透けて見える色が変わる)する。

変化の瞬間はビジュアルなのだが、演じれる状況が全く想像できない。

アイディアは面白いね、としか言えない。

Short-Circuit

MP3プレイヤーの右のイヤホンからしか聞こえなかった音楽が、左からしか聞こえなくなった後に、両側から聞こえるようになる。という手品らしい。

周りで見てる人には一切伝わらない系。

なんだろう、こういうのもセルフワーキングというのだろうかと思ったり。

現象そのままなので、興味がある人はやれば良い。
演じるためには、ある程度のPC操作が出来る必要があるので注意。

Earfun

イヤホンの先端部分が空中に静止した状態になる。

実演を見ると「こーなってるんだよね?」と言われそうな部分が際立って見えていた。

事実、種と直結してる部分なのでアウトかなと思った。

レギュラーであることを示す部分も、そこが種ですよね?というツッコミ待ちなのかと思うほど丸わかり。
現象後、ギミックを取り除いて隠し持ってたレギュラーを渡してあらためるとかの方が良いのではないかと。

Orbit

1個しか入っていないガムの箱におまじないをかけると、箱いっぱいにガムが出てきます。

冒頭のTV出演時の映像で演じていたマジック。

似たような形状のケースなら出来ると思うが、ガムか一部のチョコレートくらいになるのではなかろうか。
ギミックは一度作ってしまえばしばらくは使い回せるので、常用のお菓子があれば作っておくと便利だと思いました。

White Wall

アイフォンの中の写真がめっちゃ増える。

数枚しかなかった写真が増えたように見えるアイディアみたいな。

アイフォンを使ったマジックをよく行う人は参考までに。
アンドロイドで出来るかどうかは分からない。出来るんじゃない?

最後に

「The Contest」「No More Card Tricks」は非常に面白かった。

特に「No More Card Tricks」はこれをクライマックスにして手順を組んでみたいと思うほどでした。

ただ全体的に言うと当たり外れが多く、プラマイゼロかちょっとマイナスかなという印象。

収録内容を確認して、興味があれば観てみれば良いんじゃないかなーくらい。

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