所感:「The Professional repertoire of Etienne Pradier」 by Etienne Pradier

2020-06-19

「The Professional repertoire of Etienne Pradier」とは?

Etienne Pradier氏のクロースアップ・マジックの2枚組DVD作品集。
Disc1はクロースアップマジック、Disc2はカードマジック。

所感

・観客がテーブルに座り、演者は立っている状況、テーブルホッピング/ウォークアラウンドに特化した作品集。
・古典トリックや名作のバリエーションが豊富。
・解説はあまり丁寧とは言い難い

Disc1

Bill Switch
オーソドックスなビル・チェンジ。サム○使用。
丁寧な解説とは言い難いので、初めてビル・チェンジに挑戦するという人には向かない。
何故か「Disc2」の方に少し丁寧になった解説映像がある。それでも初心者向けとは言い難いが。

Finger Snap
自分や観客の指を、ボキッっと鳴らす。
準備不要なので覚えておくと重宝する。氏のような演出で演じると良い掴みになる。

The Broken Glass
ワイングラスの足を壊して元に戻す。

面白い。ギミックさえ用意しておけば演技前・演技後共にレギュラー。
観客のワイングラスでも演じれるし、他の演技に繋げるようなことも容易。

Right Caption
ゆき
ギミックを作るのがちょっと怖い。誰かに作って欲しい

Ring Flight
オーソドックスなリングフライト。
ルイ・ヴィトンのキーケースですってよ。

Bottle Through Table
有名なコインとコップの古典をボトルで。
ちょっとしたギミックが必要。フォーマルな場でなければペットボトルでも演じられるでしょう。

Impromptu Signed Card in Sealed Bottle
観客のサインしたカードが突如出現したボトルの中に現れる、氏の代表作。
中にカードが入っていることを見せるために、ラベルをガリガリっと剥ぐ演出はとても映える。
単品DVDとしても販売されている。

Pocket Management
ポケットの中にどんな道具を仕込んでいるか、の紹介。
こういった事を教えてくれる人は少ないので参考になります。

Disc2

Card to Pocket
腕時計に挟んだカードがセレクトカードに変化、ポケットへ移動、セレクトカード消失、デック丸ごとポケットに移動、が小気味よく起きるカード・トゥ・ポケットの手順。
使用されている技法の解説は本当にざっくり。
ワンハンド・トップパーム、サイド・スチール、バックパーム、ボトムチェンジくらいは解説無くても出来ますよね?くらいの技量は必要

The Wedding Test
アニバーサリー・ワルツ」。DF/DB共に1枚ずつ使用。
見た目スマートに、操作も覚えやすくなっているが、少しばかりテクニカルになっている。

Impromptu Stooge
覚えてもらったカードを、隣のおっさんが当てたりする。
即席のサクラを作るテクニック。

意外とこういった策略は使える機会が多いので、まとめたアイディア集みたいなものが欲しいですね。

Coin under Watch
コインが観客の腕時計の下に移動しジャンボコインに変化する。
鉄板ネタ。

Right Caption
ゆき
でも高い時計にコインを当てるのはリスクがあることは覚えておくのです

Two Card Monte
2枚のカードのどっちがどっちか観客に当ててもらう。実演映像はどこですか
デビット・ウィリアムソンの「メモリー・テスト」のバリエーション。

A Quick Turnover
変化して覚えたカードになるちょっとした手順。これも実演映像が見当たらない
新規性は無いが便利。

Sleights
基本的なカードスライトを解説している。
丁寧な解説、というわけではないので入門には向かない。
こういった技法があるよ、という紹介程度に思ったほうが良い。
「Disc1」にあったBill switchのもう少し見やすい映像もここに収録されている。

「ターンオーバー・パス」というタイトルで「ハーフ・パス」が解説されているので、初学者には注意が必要
(氏はフランス人で、慣れない英語で解説しているせいであろうか?)

Q&A
氏への20分程度のインタビュー映像。英語が分かれば価値があるかと。

最後に

どれも立った状態演じることを前提に調整されているため、テーブルホッピングやウォークアラウンドでするマジックを探している人にはオススメできる。
基本的にクラシックなトリックをベースにしたシンプルで分かりやすい手順ばかりなので、マニアックで複雑な手順を求めている人に向かないかもしれません。

収録されているマジックの内容を見て気になるものがあった人や、氏の演技を見て気になった人は観てみれば良いと思います。

製品情報所感一覧表示へ戻る