所感:「At the Table Live Lectures 7(December 2014) – Chris Mayhew」

2020-10-17

At the Table Live Lectures 7(December 2014) – Chris Mayhewとは?

2014年12月に行われたライブレクチャーのChris Mayhew(クリス・メイヒュー)回。

カード技法「レイジー・ライズ」をはじめ、個性的な作品を数多く発表しているマジシャン。

DLC、DVD、他のマジシャンのレクチャーも一緒になったDVD5枚組セットがあり、「7」はセットDVDに割り振られたナンバーである。

所感

Comedy Rope Routine

Chris Mayhew氏のパフォーマンス。

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ゆき
解説はなし。現象が起きるまでなげぇ・・・・・・

Mr. Hands

現象観客が選んだカードを探し出すが2回とも失敗。
探し出した2枚の違うカードを観客の手の上に乗せ、どちらか一方を選択すると、最初に選んだカードに変化する。

現象自体はよく見かけるものだが、間違って選び出すカードを2枚にすることで異なった印象になっている。

効果がプラスになっているかどうかは個人の好みによるだろうなぁといった塩梅で、現在似た手順を演じてる人なら「今まで通りの手順でいいや」と「こっちの方がよいね」の2派閥に綺麗に分かれそうかなと。

暇なので無駄に難しく言うと、変化前に「観客の選択」というフェイズが入ったことによって生じるタイムミスディレクションの効果をどう捉えるかではなかろうか。

バーナード・ビリス氏の名を関したあのスイッチの解説もありました。

Ambitious Card – Featuring The Lazy Rise

現象 アンビシャスカード。

DLを使わずに1回、その後にRay Kosby(レイ・コスビー)氏のレイズ・ライズの簡略版で有名なレイジー・ライズ。
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ゆき
レイジー・ライズについてのみコメント

DVD『3hree Dee』に収録されていたものと同じ。
本家よりは簡単ということにはなっているが、こっちはこっちで手のサイズによっては本家よりも小指が・・・っていうケースが起こりえそうに思える。

薬指に小指の分まで頑張ってもらえば問題ないかもしれないが、手の小さい人はちょっと注意かもしれない。

あと、DVD『3hree Dee』収録時よりも説明が雑に感じたんだけど、バックビューとかがなかったからかなぁ(見返してみたらそうでもなかったので)。

Running Man

現象 パケットを2つに分け、片方には表面にサインしたカード、もう片方には裏面にサインしたカードを入れる。
一方からサインカードが消え、もう一方に2枚が集合、その後、裏面にサインしたカードからサインが消え、両面にサインされたカードが出来上がる。
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ゆき
「Mr. Hands」「Ambitious Card」「Running Man」で一塊のルーティンになっている

レギュラーデックで演じるアニバーサリー・ワルツ

わたしが最初に見たこの手のトリックは、Lee SmithとGary Jonesの共作DVD『iCANDY』に収録されている「Scoop」という作品だったと思う。

どちらも大筋はさほど変わらず、よく言えば甲乙つけがたい、悪く言えばどっちでもいい。
悪く聞こえるかも知れないが、名作だけど両方覚えることはなかろうって意味だぞ。

サインが飛び移る瞬間のムーブは「Scoop」の方が好き。

Viewer Questions

ある意味今回の目玉。
視聴者からの質問に答えるコーナーのはずだった。

バタフライコントロール、フェイク・ルーティンの実演・解説が行われるのだが、いわゆるクソ技法・クソネタである。

バタフライ・コントロールはDBスプレッド・コントールを行うと見せかけて、デックで蝶を形作り羽ばたかせるという・・・フラリッシュ?である。

フェイク・ルーティンは、なんて言えばよいのか、1枚のカードをデックに入れて手品をした雰囲気を醸し出すルーティンである。

ここでは、フェイク・チェリー・コントロール、フェイク・トップ・チェンジ、フェイク・スナップ・チェンジの解説がされる。
上記から適当に想像して欲しい。

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ゆき
こういう文化、どこにでもあるんだなぁと思いました

Anti Control

実演のみ。

デック内に表向きにしたメイト・カード2枚の間に、観客の選んだカードをジョグしたままメイトカードの間に移動させる、という実演をしていました。

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ゆき
不思議だけど解説はなかった。しょぼーん

Meduimph

現象 トライアンフ。観客の手の中で揃う。

スタンディングでも出来るトライアンフ。
トライアンフによく出てくるイロジカルなあのムーブ・・・トライアンフで使われるイロジカルな動きって結構あるな、まぁ出てくる。

それはさておき、パケットを2つに分けて一方を観客の手の中に置き、マジシャンが持ってるパケットが裏表揃うと観客の手の中のパケットも揃い、選んだカードだけがひっくり返っているという演出は良い。

めっちゃ喜んでもらえると思います。

原理としてはそこまで新しい部分はありませんが、これは良い改案だと素直に感心しました

Safety

現象 2本の安全ピンが繋がる。

繋がる・繋がる・外れる・繋がるの4段構成。

仕組み的にはDan Garrett(ダン・ギャレット)氏の名作「Pindemonium」と同じ。
解説中、Dan Garrett氏や、Jerry Andrus(ジュリー・アンドラス)氏の名前が出てきているのだが、正直「Pindemonium」と何が違うのか分からない。

「Pindemonium」を知らない人にはおすすめ。知ってる人は何が違うのかこっそり教えて欲しいです。

ところでソ○トピ○なんですけど、日本製の安全ピンで作ろうとすると難しくありません?
海外製のやつだと片手で作れますけど、日本製のやつだとラジオペンチ使わないと出来なかった覚えがあります。

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ゆき
頑丈すぎるのも考えものだと思った瞬間でした

Dairy Queens

現象 キックバックっぽいクライマックスのサンドイッチカード。

観客の選んだカードをデックに差し込むとその上下のカードが、無関係のカードである。
無関係のカードが次々とカードをサンドイッチしていき、観客のカードとは別に3枚のカードが選び出される。
出揃った4枚のカードを見てみると・・・。

これは良作でした。動画で見れるので気になる人はリンク先でどうぞ→Vanishing.incのDLCページ

リンク先では『Burgerdog』という名前で配信されているのですが、タイトル違うのはなんでですかね?

古典的なある、面白いんだけど使いにくいよなぁーという原理を上手く使っていました。
これだけ上手くあの原理を使っている作品はBenjamin Earl氏の「FACE VALUE」以来です(わたしは)。

またクライマックスでGabi Pareras氏(ガビ・パレラス)の技法を使っており、それが非常にビジュアルでした。

このトリックで手順を〆るのは、ちょっと絵面的に適さない気がしますが、それ以外は良いトリックだと思いました。

The Hole Thing

現象 真ん中に穴の空いた2枚のジョーカーの間に選んだカードが現れたりする。

実演のみ。
穴から見える、突然カードが消えたり現れたりするビジュアルさよ。

見たことない人は観て欲しい。

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ゆき
不思議だよね

2010年辺り、穴の空いたカードを使ったトリックが妙に流行ったような気がするんですけど、覚えてるのってこの作品が収録されていたDVD『The Whole Thing』と野島伸幸氏の「ホール・サンドイッチ」(週刊マジオン2017年6月配信)くらいなんですよね。

あと「The whole」と「Hole」が混在してるのって、DVD名と作品名の違いって認識してますけど、あってる?

最後に

ギャグのセンスはいまいちだが、手品のセンスは好きだった。

基本的にどれも当たりネタだと思って良い
特にバーなんかで演じてるマジシャンには参考になるネタが多いと思う。
ただしキャラは真似するな。

あと良いか悪いかはともかく、ライブレクチャーでいわゆる「クソネタ」を観れるのは貴重だと思った。
居るかどうか分からないが、クソネタに命をかけてる奴はこれを観てないとクソネタ愛好家は死んでも名乗れない。

最初の10分くらいのを乗り切って、こやつのキャラを許せるようにさえなればおすすめ回

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