所感:「At the Table Live Lecture Vol.5 – (OCTOBER 2014) – Joshua Jay」

At the Table Live Lecture Vol.5 – (OCTOBER 2014) – Joshua Jayとは?

2014年10月に行われたmurphy’s magic主催のオンライン・ライブレクチャー、Joshua Jay(ジョシュア・ジェイ)回。

説明するまでもない気もするが、氏は10代の頃から執筆活動やマジシャンとして各国で講演、アンディ・グラッドウィンとともに「Vanishing Inc」を設立したりとかしている若いながら大物マジシャンである。

所感

Hitchcock

現象1枚のカードを表は見せず、4つに破り置いておく。

4枚のカードを選んでもらい、デックに戻すと選んでもらった4枚だけがひっくり返っている。
4枚のカードを抜き出すと4枚とも1/4が破れており、最初に破いたカードを見ると観客の選んだカードの破れた破片。

今までどこにも公開されていない、と銘打っていたがその後DVD『UNREAL』にも収録。

一度準備してしまえば、思ったよりもカードは消費しない。

4つに破く都合上、選んでもらうカードが4枚にせざるを得ない辺りが弱点かもしれません。

こういうパラドックス系好き。 ショーのトリネタにいいですね。

Inferno

現象観客が想像したカードがマッチ箱の中に入っている。

2013年のトリック・オブ・ザ・イヤーに輝いたことのある作品。

アイディア的には今となってはありふれたものだが、マッチという素材を使い、ストーリーを上手く絡めることでさらに「手数」を減らし、矛盾も感じにくくなっている。

これは上手い。そしてハンドリングも見事。

良いトリック

ただ、英語が分からないと理解できない部分が出てきそう。

似てるトリックは野島伸幸氏の「イマジナリー・プリディクション」とかRus Andrewsの「SPOKEN」とかですかねー。

これらの方がカバーしてる範囲は広いけど、「inferno」はストーリーで手続きを減らしてるので好みでしょうかねー。

Trump Triumph

現象トライアンフ。 一度トライアンフした後に、選んだカードと同じマークのカードがひっくり返る(ストレート・トライアンフ)。

「Trumped Triumph」の名前でDVD『UNREAL』やDVD『CLOSE UP UP CLOSE vol.3』書籍『マジック・アトラス』等色々な媒体に収録されている。

今回の実演ではちょっと微妙な感じがしたけど、それでもストレート・トライアンフの中では指折りの作品。

近い作品だと田中大貴氏の「O.S.P.I.S.T」(書籍『まちかね山の魔法』)辺りが名作(ビジュアルさを上げた代償に少し難しくなったみたいな)。

Card Change

ビクター・チェンジみたいなカラーチェンジ。

Right Caption

ゆき

うめぇ

Four ACE Triumph

現象裏表混ぜたデックからAを取り出し、裏表も揃える。

「Triumph in Aces」や「Totally Triumph」といった名前で色々な媒体に収録されている作品(DVD『UNREAL』やDVD『CLOSE UP UP CLOSE vol.3』書籍『マジック・アトラス』)。

Aがデックの中からポンポンとテンポよく飛び出してくるのが素敵。

そして見た目よりも実は優しい

名作。

Triumph(Back In Time)

現象「時間を巻き戻す」という演出のトライアンフ。

スタンディングで演じられる、と銘打ってた気がする。

ジェニングスのアイディア(手法的な)と、サンキーのアイディア(演出的な)をいいとこ取りしたというトライアンフ。

わたしはジェニングスのサトルティ、サンキーの演出よりもこのジョシュアの手順を先に知ったので、あーーそうだったのかぁ~みたいになっている。

これも名作

Prism Deck & Phantom Deck

現象デックを裏と表を混ぜた後にAだけを取り出し、デックはすべて表向きに揃う。

その後デックの裏面がすべて別の裏(レインボー・デック)に変化する。

この中から1枚選んで覚えてもらい、デックに戻して観客に両手で挟んで持ってもらう。 すると観客のカード1枚を残し、すべて透明なカードになる。

氏の売りネタを2つ使ったルーティン。

個人的はレインボー・デックを使って演じれるトリック(裏は隠したまま)のちょっとした解説が良かった。 「プリズム・デック」を買ったらそれらの解説も付いてるのかもしれない。

ファントム・デックのパートもよし。 ただ、スタンダードなオムニ・デックの手順のように、1枚なんかよく分からないけど取り出す。っていう操作は残っているので、何かもっとスマートな解決が出来たらいいですね。

Any Card At Any Number

現象観客の選んだカードが、観客の選んだ数字の「ページに」挟まっている。

「Any Card at Any Page」というタイトルでDVD『UNREAL』やDVD『Methods in Magic: Joshua Jay Live in the UK』に収録されていたトリック。

これも好き。

ミスを使ってキャンセル・アウトを行うっていうサトルティがすごい好き。

結構大きいサイズの本を使っているのだが、小さいサイズだとやはりやりにくいのだろうなぁ(試してない)。

ちなみに氏がこのとき使っていた本は「Son of Simon Says」というSimon Lovell氏の本のようだ。

Triad Coins

現象3枚のコインが出現し、消えます。

氏の売りネタ。

最後のバニッシュは好き。これはレギュラーコインでも可能。 とある日用品を日頃から身につけていることが条件になるが、わたしそれなりのを買いましたので出来ます!

Cylinder & Coins

現象シリンダー・アンド・コインをTriad Coinsで演じる。

実演のみ。
コルクの代わりに指輪、シリンダーは紙幣を使い、クライマックスではショットグラスが出現する。

ショットグラスの出現は驚くかもしれないが、コイン周りの印象が弱い。

原案の方がいいなぁ・・・。

Closing Effect

現象デックから1枚カードを想像してもらう。
想像したカードだけが印刷されており、他のカードはすべて真っ白。

実演のみ。
「アウト・オブ・サイト」か「Blind Man’s Bluff」のどちらなのかなーと。

これは不思議。

「アウト・オブ・サイト」は単独で販売、「Blind Man’s Bluff」はDVD『UNREAL』には収録されているそうな。

ジョン・ロビック(サンサム・ジャック)氏のトリックの改案なんだって。

きちんとした改案ですね!これにはにっこり。

最後に

収録されているトリックはどれもこれも秀逸

なのだが、他の媒体で発表したものばかりであり、わざわざこのライブレクチャーをおすすめする意味は薄いと思う。

DVD『UNREAL』とかを観てたら無用の長物な気がする。

逆に、一切氏の演技を観たことないのであれば、楽しめると思います。

個人的には懐かしいトリックばかりでした。

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