所感:「Dawn by Miyamoto」

2021-04-29

「Dawn by Miyamoto」とは?

マジックマーケットなどで作品集をリリースしていたアマチュア学生マジシャン宮本氏(2021年1月現在)のDLC映像作品集。

カードマジック3作、コインマジック1作、その他1作、パフォーマンスのみの映像が収録されていて、ランニングタイムは50分ほど。

氏はカードマジックを演じる際は左利き、それ以外では右利きでオブジェクトを扱っているので習得する際は注意すること。

購入はこちらから

氏の作品の中で『風船呑み本』『Crazy Cherry Collection』『Lost Ace Collector』のいずれかを持っている人は500円引クーポンを配っているそうなので、該当者は連絡をとってみてはいかがだろうか。

追記

マジックマーケット2021春でも販売。

みやもと氏は「たのしいそしなや」と「Magic Bar Shift Store」の2サークルに出品しているが、この『DAWN』は「Magic Bar Shift Store」からである。

マジケ価格として少しお安いようなので、購入を検討するのも良いかもしれない。

所感

Lost Ace Collector

現象観客が覚えたカードと同じマークのAがひっくり返った後、Aの間に覚えたカードと同じランクのカード3枚が出現して当てる。

チトセ氏の作品集『Hydrangea Chitose Side』に収録されている「Collector」のディスプレイからからインスピレーションを得たというコレクター。

テーブル上で瞬時にカードが並ぶのは非常にビジュアル。オープントラベラーで集合するときの感じを複数枚でやったらこうなるかな、みたいな印象。

ホフジンザーのロストエーセスプロブレムを合わせているということでロストと付いているが、ロストエーセス要素は弱め。なのだが、コレクトの瞬間をビジュアルにするのに上手く貢献していると思う。

セットが必要、最終的なディスプレイのために広めのマットが必要と、カジュアルさは皆無だがルーティンを締めくくるのにはいいかなーと。

Lost Ace Problem

現象マニアックなホフジンザー・ロスト・エーセス・プロブレム。のようなトリック。

ロスト・エーセスかと言われたらなんか違う気がする。多分、4枚⇔4枚でトランスポジションが入ってしまっているからそう感じるんだろう。

荒削り感があり、出来たからやった。みたいな部分はあったりするけど興味があれば。

マックスメイビンあたりに見せたらキレるような気もする。

力業で良いのであれば、セットなしでも同じようなこと出来なくもない気がする。

Backfire Matrix

現象可能な限りゆっくり示した後にバックファイアするマトリックス。

もっさん氏から大きく影響を受けているバックファイア・マトリックス。

氏はカードは左利きとして操作していたががコインは右利き、やる人は注意。

ゆっくり見せることが出来、非常にフェアに見えるのが良いと思います。

特に左下が(自分から見て)不思議。ただこの部分は少し難易度お高め。

Right Caption

ゆき

この部分さえ乗り越えてしまえば比較的簡単な部類だと思う

Balloon Drinking(swallowing)

現象風船呑み。

風船呑みといえば、Justin Meitz氏の『DEEP』、ふじいあきら氏の『ふじいあきらの風船呑みの極意』あたりが教材として有名だが、みやもと氏の方法は解説中の氏の言葉通りであれば、演技中の事故率が低いらしい。(他にもあるのだが、種に関わってくるので少し避ける。ふじいあきら氏の方法も同じく失敗率の低さを売りにしているようだが、それよりもさらに低いようだ)

ただ難易度とトレードオフになっているようで、実際に今まで主流であった方法をしていた人からすると「難しい」らしい。

氏が発表している作品集(『喪男コインマジック』シリーズ。具体的に言うと鼻ティッシュのあたり)を読んでいると「・・・それお前しか出来んがな」というやつが登場していたのだが、このトリックと無関係では無いように思う。

あんだけのことが出来るから氏は容易に行っているが、他の人からすると難しいと感じる、という側面として出ているのかなぁと。

とはいえ、メリットになっている部分は中々大きいので知っておいて損はないと思う。

Idea of Vanishing Deck

現象観客の手にデックを置きその上にハンカチを被せた状態から、観客のカード1枚を残してデックが消失します。

よくある「1枚を残してデックが消失するトリック」の別演出アイディア。しかも観客の手の上で行う

ハンカチがあれば即席で出来るので覚えておくと重宝すると思う。

観客たちに演じてたときの生の反応も、パフォーマンスオンリーで収録されているので参照されたし。

Card to wallet (performance)

上記「Vanishing Deck」のアイデアを用いた手順。

Eric de Camp氏の手順をアレンジしたもので、みやもと氏が実際に観客を相手に演じている様子が収録されている。

3人を相手に3枚のカードを選んでもらっているので、そういった状況で演じる際の参考にでも。

最後に

今までの氏の作品集を買ってきた者たちからすると「なんで真面目に手品してるの?」ってなってしまう気がします。

故にわたしも正当に評価できている気がしませんが、風船呑み・vanising deckのアイディアなんかはこれからのスタンダードに残り得るポテンシャルを感じました。

変な手品を期待していると肩透かしを喰らいますが、普通の使える手品を求めている人には良いかもしれません。

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