所感:「At the Table Live Lecture Vol.5 – (OCTOBER 2014) – John Archer」
At the Table Live Lecture Vol.5 – (OCTOBER 2014) – John Archerとは?
2014年10月に行われたmurphy’s magic主催のオンライン・ライブレクチャー、John Archer(ジョン・アーチャー)回
氏はコメディマジック・メンタルマジックを演じるマジシャンで、アメリカの人気番組『Penn & Teller: Fool Us』に出演した際に「Blank Night」を演じてPennとTellerを見事に騙しました。
名前は知ってましたが、演技を観るのは実ははじめてです(`・ω・´)
所感
今回は進行役がいつものダニエル・ガルシア氏ではなく、アンディ・グラッドウィン氏ですね。
Balloon Swallow
他の風船のみを知らないので、他の手法との差異はちょっと分からない。
他のマジシャンと比べるとさすがコメディアンといった感じで、ここまで面白く演じているマジシャンは観たことありません。
ガチのお笑い芸人がこの手品を覚えた上、手法もプロマジシャン以上だったらこうなるんだろうな。
Deja2
カップル相手に演じたりするらしい。今回は父とその息子相手。
現象自体は書いてる通りシンプルなもの。
ただ、サロン・パーラーのような、観客からカードのインデックスが見えにくいような状況でも問題なく観ている観客たちが驚けるように構成されてた。
しれっとデック・スイッチなんかもやりやがる。
トリック自体は特筆するとこはない。氏の演技構成力・話術が占める割合が大きいと思う。
Pushing the Envelope
古典的な手法だけど、強いっすなー。
なんかもう、アンネマンのトリックを上手い人が演じればそれでいいんやで。って見せつけられた気分。
Komedy Killer
財布からそのカードが出てくる。
有効だがあまり説得力のないと思っていた手法を、ストーリーに乗せることで正当化していた。
使える手法だが、氏の語りスキルがあってこそ活きるやつかなとも思う。
意味のない動作をギャグに変えたり、意味を持たせるスキルすごくない・・・?
あと途中のギャグ、あれ好き。
笑うもん。あんなん笑うもん。しかも不思議だしずるい。
Zennar Doo
観客がカードを配って3つの山を作る。その一番上のカードを透視する。
ボチボチ。
準備しておけば気軽に演じれるから気に入ったら用意しておくと良いかも。
ただ解説。原理は分かるけど、具体的に説明してなくね?
まぁ、このライブレクチャーを観るような人なら分かるか。
Blank Night
観客が5枚の封筒からひとつずつ選んでいく。最後に残った封筒にだけお金が入っている。
めっちゃフェアなバンクナイト。
登場当時は、紙幣を伸ばしたまま封筒に入れておけるタイプのバンクナイトはなかった気がします。
完全にフリーチョイスで封筒を選んでもらえる。
ただやっぱ、上手い人・面白い人が演じないと微妙なんですよねこの手のネタ。
わたしは演じれる自信がない。
Laura Buxton
これを三度行い、一致したカードの中から1枚カードを選んでもらうと、選ばれるカードが予言されている。
なんか珍しいギミックの名前が出てきた。
あのギミック消耗品なんですけど、安定して入手出来るんでしょうかね、今後。
代用手段を用いるならば、野島伸幸氏の「チープ・トリック」(氏の色々なトリックで登場)が一番かもしれない。というかこっちの方が良いかもしれない。
悪いトリックでは決してないが、この現象で2デック使うのは少し重いなぁとも思う。
カードマジックをこれしか演じないのであればアリか。
Semi-Open Prediction
予言は3つ折りになったちょっと良い紙に書いており、1つ目2つ目はちょっとしたギャグになっているが、3つ目でドンピシャ当てに行く。
観客が選ぶカードは完全にフリーチョイス。
そしてめっちゃクリーン。
ただ、めっちゃゴリゴリのスライトを使うので、セルフワーキングみたいなのを期待している人には向かない。
とはいえスライトを使う場所は上手くタイミングをずらしているので、慣れている人には容易だと思う。
とても面白い。
欠点は作るのが超めんどくさいところだろうか。
The Streets
場所を当てる。
売りネタ。
ブックテストでよく言われる「なんでわざわざ本を使うのか?」っていう問題を、旅行のガイドブック(地図)を使うことで正当化しているのが上手い。
また、ひとつ観客から聞き出さないといけない情報があるのだが、ギャグで上手いこと解決していた。氏のスタイルあってこその芸当で、人によっては合わない可能性もあるけど。
日本語ではこの仕組みの本は作れないと思うが、題材が旅行のガイドブックであるため英語でも良いっていうなら演じれなくはない。
多分辛いのは観客だ。状況をちゃんと見極めれば大丈夫だろう。
最後に
コメディ&メンタル専門のマジシャンと聞いていて、ちょっと不安でした(偏見かもしれませんが、このスタイルのマジシャン、ちょっと合わない人が多い)が当たりでしたね。
どのマジックも細かないところまできちんと構成が練られており、且つギャグだからこそ出来る表現や解決法、いいですね。
レネ・ラバン氏がコメディ・メンタルにパラメータを振ったら、アーチャー氏みたいになるのかもしれません。
語りが長かったりするため、英語が聞き取れないと微妙かもしれませんが(あと早口気味)、面白かったので興味があればどうぞ。