スライハンド vs. セルフワーキング

「テクニックか演出か」「スライトかギミックか」といった論争は、どうやら何百年も前から繰り返されてきたようです。

「テクニックばかり磨いても演出が伴わなければ意味がない」「どれだけ演出が凝っていても技術が子ども並みでは話にならない」など、いずれの派閥も自分とは異なる立場を切り捨てようと必死なのは、昔からあまり変わらないのでしょう。

私としては、手段にこだわるあまり目的を見失い、異なる意見を受け入れられない——そんな子どもの論争にしか見えません。そして、この手の議論に夢中になって相手を貶す人たちには、「相手を下げることに集中している時点で、議論のスタートラインにすら立っていない」という先人の言葉をぜひ聞かせてあげたいものです。

……あれ、どこに書いてあった話だったか? ああ、思い出せませんね。

議論というのは、悪口とは違います。SNSでも同じような光景を目にしますが、これを読んでいる皆さんには、あんなふうにはなってほしくありません。あれは、どう見ても無様でしたよね。

ゆき
ゆき

やだ、chat GPTに修正してもらったら、わたしが書いた文章とは思えなくなったわぁ

という前置きはさておきまして、『Expert card Technique』の理論章には、上のようなことについても載っていたりします。

ざっくりですが訳しましたので、良かったら読んでみてくださいな。

ゆき
ゆき

一部、セルワの定義が今と異なるので、伝わりにくい部分があるかもしんない

*パブリックドメインになっている資料の翻訳です

スライハンド vs. セルフワーキング(SLEIGHT OF HAND vs. SELF-WORKING FEATS)

スライハンドを用いるべきか、それともセルフワーキング・トリックを用いるべきか――この問題を考える際には、自分自身の好みではなく、「そのトリックが観客に与える効果」を基準にすべきです。

たとえば、あなたが以下のような手順を使うとします:ダブルリフトでスペードの8を見せ、その上のカード(スペードの7)を取り、デックのエンドに差し込み、そのカードのインデックス(数字部分)を指で隠し、あたかもスペードの8であるかのように見せ、そして指を鳴らすと、そのカードがトップに現れる――。この手順を、観客がそれを純粋なスキルによるものと思い込んで驚いたとしたら――この方法を、あえてスライハンドありきの手法に置き換える理由があるでしょうか? そんなことをするのは、むしろ愚かな選択です。

アメリカの一流スライハンド・アーティストの中には、セルフワーキング・トリックを巧みにルーティンに取り込む達人がいます。華麗なスライハンドに依存したトリックを演じたあとで、スライトでは不可能なセルフワーキング・トリックを続けることで、観客は「彼は何でもできる」と圧倒されてしまうのです。観客はすべてのトリック――スライハンドもセルフワーキング・トリックも――を「超人的な技術」の一環だと思い込むのです。このマジシャンは一流のスライトの持ち主ですが、同時にその「頭脳」でも観客を出し抜いているわけです。

このタイプのマジシャンは、どんな手段でも使います――事前のセッティング、ダブルフェイス・カード、数学的原理、ダイアキロン(接着剤)、ストリッパーデックなどなど。彼の手にかかれば、一連のスライトの直後でも、Dai Vernonの「ブレインウェーブ・デック」のようなトリックが驚異的なまでに不思議に見えます。それは、トリックそのものの力に加えて、「この男なら何でもやりかねない」というイメージが観客の中に強くあるからです。

同時に、彼は「エブリウェア・アンド・ノーウェア」や「スリー・カード・アクロス」といった古典的なトリックも完璧に演じます。

彼やその他の偉大なカードマジシャンたちの経験によれば、逆説的ではありますが、スライハンドの達人が演じる場合こそ、セルフワーキング・トリックは最大限に効果を発揮するのです。熟達した演者による「セルフワーキング・トリック」は、演奏技術を持つピアニストが、単純なメロディーを魔法のように響かせるのと同じです。――同じ曲を2人のピアニストが弾くとしましょう。ひとりは有能だが凡庸。もうひとりは名人。どちらも正しく弾くが、名人のほうは指から魔法が生まれる――それは音ではなく「音楽」になるのです。そこには積み重ねられたテクニックと内面の神秘的な個性が宿ります。

同じことがカードマジックでも言えます。優れたカードマジシャンは、セルフワーキング・トリックにもその背景としての力量と技術を与えることができるのです。「セルフワーキング・トリックであっても、雑に扱ってよいわけではない」。

優れた演者ほど、セルフワーキング・トリックにも考え抜かれた構成とスムーズな流れを与え、余計な動作をなくし、観客に濁らない印象を残します。逆に、未熟な演者ほど、「えーとどうやるんだっけ」と間を置いたり、デックを無駄に持ち替えたり、ぎこちない進行になってしまうのです。

セルフワーキング・トリックを取り入れるにあたっての注意点として――観客を退屈させないものを選びましょう。よく考えられたもの、セルフワーキングであると見破られないものを。カードを延々と配り続けるもの、観客の動作を逐一監視しなければならないもの、複雑な指示を要するものなどは避けるべきです。

問題は「スライハンドを使うか、セルフワーキング・トリックを使うか」ではありません。「あなたが最も効果的に演じられるトリックを選び、必要に応じてセルフワーキング・トリックもスムーズにルーティンに組み入れること」――これこそが大切なのです。

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