備忘録:シェーン・コバルト レクチャーに行ってきた
2019年6月6日京都
Shane Cobalt Lecture(京都会場)に参加してきたので備忘録代わりに。
レクチャー開始前
開始前の時間を使って「オーバーハンド・シャッフル」のやり方についてレクチャー。
実はなんやかんやあって、レクチャー会場到着前にオーバーハンド・シャッフルをアホほど練習してました。
基礎から見直すの大事だと再認識した。
レクチャー開始・輪ゴムトリック
The Silly Little Rubber Band Trick
輪ゴムを一瞬で右手のすべての指に巻き付かせる。
(ノート:「Chasing Dovetails」に収録)
輪ゴムのレパートリーが増えました。
辻褄の合わない動作が、状況によっては逆に正しく見えると言った内容のお話があった。
古典的な輪ゴムトリック
細かな解説は無かったが、この輪ゴムトリックが好きだと演じてくれた。
輪ゴムを鼻に吸い込むやつ。
輪ゴムを使ったマジックをよくやっていたが、演じる場によっては適さないという話をしていました。
高級な箱から出すなどの工夫もしてみたが駄目だったと。
高額なギャラを貰っての仕事であれば、相応しい道具を使うべきだろうとのこと。
カード技法
好きな方法でカードをコントロールしてください、と書かれていたときの「好きな方法」になるだろうコントロールの解説。
The Cream Control
デックを両手でスプレッドし、選んで貰ったカードをアウトジョグ、デックを揃えてジョグしたカードを入れるがこの時点でトップにコントロールされている。
(ノート:「CTRL」に収録)
観客からの見た目でいえば、フェイス側が常時観客に見える状態で行うコンビンシング・コントロールであろうか。
ルージング・コントロールを思い出す人もいると思う。
非常に錯覚が強く有用。ただ、横からの角度にはあまり強くないと感じた。
The Empty Control
ピークして貰ったカードをトップにコントロール。
(ノート:「CTRL」に収録)
「え、もしかしてコントロール終わってんの?」という感想。
「失敗する演技」についての話、観客は失敗ばかりするマジシャンなんて見たくないという話と、受け入れられる「失敗」とはどんなものかという話。
考えさせられます。
The Helium Control
ドリブル、覚える、中に入れる、もうトップにある。
(ノート:「CTRL」に収録)
同趣向のコントロールにあった「観客に凝視されている時にギルティな操作を行わざるを得なかった部分」のタイミングを変え、観客が凝視する頃にはすべてが完了するように工夫されている。
氏のお気に入り。
Dingle’s Riffle Shuffle Control
テーブルリフルシャッフルでのコントロール。
(ノート:「CTRL」に収録)
氏のリフルシャッフルは、カードに反りが出来ないよう工夫されたハンドリングになっていました。
コイン
コイン・スルー・テーブルはやらない、との声が運営側から聞こえる。
Sleeving for Dummies
先にコイン・バニッシュの方法を「転がす」のと「ドロップ」の2つ解説し、その後スリービングの方法を解説。
(ノート:「Chasing Dovetails」に収録、コイン・バニッシュはドロップのみ収録されていました)
世にあるスリービング技法、あの弾いて入れるやつとか難しいよね。という話からの安全に簡単に出来るスリービングの解説。
おまけで胸ポケットへコンプリートバニッシュもしてくれました。
カードトリック
さて、セカンド・ディール、サイドスチールをレクチャーしてきたよね、という発言に、客席からは「えっ?」と声が漏れるも、これまで解説してきたコントロールがその土台になっていたという説明で納得する一コマ。
LePaul’s Aces
4枚のエースの上にデックを乗せ、トップからエースが上がってくるのを4度繰り返す。
(ノート:「Chasing Dovetails」に収録)
実演のみで解説は無かったが、エースを取り出す際に「A Quadruplicate Mystery」をエースで行っていました。
Raised!
デックに手をかざすたびにエースが現れる
(ノート:「Chasing Dovetails」に収録)
ノートに解説してあるものはセットアップが必要であったが、実演の際は観客からデックを借りて行っていました。
また、ノートではデックを裏向きに扱っているが、実演では表向き。
わたしは表向きの方が良いなと思いました。
ここで客席より、マジカルジェスチャーについての質問あり。
マジカルジェスチャーは必ずしも必要ないことと、マジックモーメントについての話がされました。
ナイスな質問でした。
The Visible Deck
予言を紙に書き記す。
カードを1枚ピークしてもらい、デックをテーブルにスプレッドすると今見たカードがひっくり返っている。
ひっくり返ったカードを元に戻し、また1枚ピークしてもらうとそのカードが予言にするされている。
ギミックがボロボロになってくると、大体は新しく買い直さないといけないのが嫌だった。
だから、ボロボロになったギミックを送ってくれたら新品を送り直すよ!僕か君のどっちかが死ぬまでね!みたいな事を言ってました。
氏から買ったギミックは、カナダへ送ると新品を送ってくれるのだそうです。
50 Faces North
氏の「51 Faces North」の手順。
スチュワート・ジェームズとエド・マーローのやり取りの話がとても面白かった。
郵便局長だったスチュワートは、マーローのオープン・プレディクション手順がマジック誌に載るたびに、マーローの元へ局長権限を使いイチャモンの郵便を速達で送っていたとか。
それは最終的にマーローが諦めるまで続いたとか。
当時のマジック誌を調べれば、マーローのオープン・プレディクションが連続で掲載されているものが見つかるのだろうか?
観客が裏向きにカードを置いた後、「なんでそんな操作をするの?」という部分があるのだが、最終的には裏向きのカードをめくる瞬間を劇的に演出するための準備になっていたので、後から思い返すと、意外と悪くないのかも知れないですね。
レクチャー終了後、リクエストの時間
ボトム・ディール、ザロー・シャッフル、SWEシフト、An Instantaneous Change、サイド・スチール、バートラム・チェンジ、あともう意味の分からんチェンジ等、色々と見せてくれました。
何やっても上手い。
終了後、会場の撤収時間がかなりかつかつで、他の会場と比べあまり時間が取れなかったようでした。他の会場はもっと色々見せてもらえたらしい。非常にそこは残念であった。
おわりに
3時間位のレクチャーでしたが、あっという間に終わってしまいました。
もっと色んな事を見せて・教えて欲しかったです、次があるのであればワークショップ参加したいです。
多分それでも時間足りないので、「シェーン・コバルトが教えるスライト」みたいにDVDとか出して欲しいですね、4枚組くらいで。
現在、マジックを学ぶための良質な教材・指導者が圧倒的に不足してますし・・・。
シェーン・コバルト氏みたいな人が居ると、業界全体のレベルアップに繋がるのだろうなと心底思いました。