サーストンの三原則っていう、手品をやるうえで覚えておくと良いと言われている3つの言葉があるのですが、やれサーストンはそんなこと言ってないとか、やれ間違っているだの言われていますが、少し情報をまとめておきましょう、という話です。

わたし、人に手品教えてますが、サーストンの三原則のことを言ったことないですね、他に教えるべきこともっとあるだろ、としか思いません
サーストンの三原則とは?
マジックを行う上で心に留めておくべき3つの言葉です。
1つ「マジックを演じる前に、現象を説明してはならない」
1つ「同じマジックを2度繰り返して見せてはならない」
1つ「種明かしをしてはならない」
サーストン、というのはアメリカで活躍したマジシャン ハワード・サーストン(Howard Thurston ,1869-1936)のことです。
そしてこの三原則について言われていること
基本、上のことを知っていれば良いと思います。
ただ、色々長く深くマジックを知ってくれば、この三原則について言われてる事も気になると思います。サーストンの三原則についての豆知識みたいなことを挙げてみます。
- 日本人マジシャンしか知らない
- 1つ目、2つ目について、例外が多すぎる
- 出典がよく分からない
- サーストンはそんなこと言ってない
こんなところでしょうか。
実は、日本人マジシャンしかこの「サーストンの三原則」は知りません。ただこれは「サーストンの三原則」という言葉を知らないのであって、三原則で言われている内容自体を知らないわけではありません、っていう意味です。
例外が多すぎる、というものですが、「先に現象を説明してはならない」であれば、反証として先に現象を説明した方が不思議なトリックが実はめっちゃ多いっていうのがあります。まぁ体感ですが、6割くらいは先に言った方が不思議になります。現象において「サプライズ」と「サスペンス」っていう分類があるのですが、その辺りの話を挙げて、間違っていると語る方もいます。
また、「2度繰り返して見せてはならない」ということに対しても、アンビシャス・カードなど繰り返すことで不思議になるトリックが多数存在しているので、これも違うのでは?と良く言われています。
ただ、この例外については、端的な言葉で表現しすぎたため、間違った日本語で伝わってしまい、無駄に語り継いでしまった結果、だと断言させていただきましょうか。
出典がよく分からないという話については、ハワード・サーストンの『The Thurston Magic Box of Candy』というお菓子におまけとしてトリックの解説が付属していたものが、由来になっていて、それを、TAMC(東京アマチュアマジシャンズクラブ)の坂本種芳さんが会報に載せたのが、日本で知られるようになったきっかけだそうです。
この辺については、東京マジックのサイトに詳しい話が載っていますので、そちらを参照で。
また、サーストンはそんなこと言ってない、ということに関してですが、サーストンは当時売れっ子で、執筆なんてしている暇がなく、ウォルター・ギブソンというマジック界では有名なゴーストライターが執筆を担当していたそうです。
The Thurston Magic Box of Candy(Lybrary.com)
そして、英語圏のマジシャンはというと
「サーストンの三原則」という言葉は知らないまでも、その内容自体は覚えておくべき金言として伝わっていたようです。ただ、日本語で知られている内容とはちょっと違い、5つ書かれていたりなんかします。
1.「現象を成立させるための準備動作がすべて完了するまでは、その現象の内容を観客に告げてはなりません」
1.「同じ現象を別の方法で演じれないのであれば、トリックを繰り返してはなりません」
1.「トリックの秘密を明かしてはなりません」
1.「ミスディレクションを活用しなければなりません」
1.「台詞はあらかじめ決めておくべきです」
上3つはサーストンの三原則と同じ内容ですね。上にあった「例外」に関しては、これで補完出来ています。英語圏では少なくとも1950年頃にはすでに、この形で広まっていたようです。
ちなみにこの内容は『The Royal Road to Card Magic』という、非常に有名な本の冒頭に載っている内容です。
日本語になっていなかったから見逃されていた、とかかもしれません。
サーストンの三原則に関して話す際は、こちらの文言も踏まえたうえで話すのが良さそうですね
そして宣伝
世界的に著名なマジック書である『The Royal Road to Card Magic』、日本語版を刊行したので宣伝させてもらいます。
原著は1冊ですが、日本語版は全3巻に分けました。
物理本
電子版

実はっすね、某番組に出たとき、サーストンの三原則について「一般に知られている内容の分を」話してくださいって頼まれまして、まぁ台本通りに喋ったのですけども、本当に言いたかった内容はこちらに残しておこう。あと本の宣伝も出来ないかな?とか思ってのこれっすわー


