プロブレムってなんですか?プロットとは違うのですか?
以前に、手品における「プロット」というワードが何を指しているのかについてお話したことがありました(記事:「手品のプロットってなんのことですか?どんなのがあるんですか?」)が、手品をやっている人達と会話をしていると、「プロブレム」という言葉もたまに出てきます。
「プロット」という用語を知った後に聞くと、「プロット」も「プロブレム」もどちらも同じような意味合いで使っているように聞こえる・・・という人も居るのではないでしょうか?
「プロブレム」もマジックで起こる「大筋」を表しているので、その認識大体当たりっちゃ当たりです。
ですが「プロブレム」という用語は、ある程度区別して使われています。
手品における「プロブレム」とは、「解決方法が提示されていない状態で出題・提案された手品の現象」ということになります。
例えばですが、
「広げたカードの中から、観客が適当に4枚取ったら全部エースだった。っていう手品って出来る?」
こんな感じなのが「プロブレム」だと思ってください。
やり方は分からないけど、こういう手品考えてみて?というノリで出される、文字通り「問題」が「プロブレム」です。
そして、色々なマジシャンが「プロブレム」に対して解決方法を提示し、広く認知されるようになると「プロット」と同様に個別の名称が付けられたりします。
広く認知されたプロブレムは「プロット」と同じに扱われることもあれば、「プロット」と「プロブレム」で明確に分けていることもあり、そのあたりは人によるところが大きいようです。
広く知られているカードマジックのプロットである「Open Prediction」なんかは、元々「The Curry Unsolved Card Problem」と呼ばれていた「プロブレム」でした。
ここ数年の間で話題になったプロブレムだと、ホワン・タマリッツ氏によるトライアンフのプロブレム(記事:「プロット:Triumph」内に紹介あり)や、小説家・斜線堂有紀氏の「シャセンドー・プロブレム」(斜線堂有紀氏の『詐欺師は天使の顔をして』内に登場した手品の現象に、マニアが食いついたことから発生)がありました。