手品・奇術・マジック、色んな言い方あるけど意味に違いはあるの?

2021-06-24

これはひとつの説だと思って欲しい

マジックには色々な呼び方、「マジック」「手品」「奇術」等がありますが、明確な定義はあるのか?という話題が持ち上がっていたので取り上げてみようかと思いました。

発端は「翡翠ちゃん可愛い」でおなじみのミステリー「medium」等で知られる小説家 相沢沙呼先生の「手品、マジック、奇術、の表記揺れ問題をいつか解決したい」というツイートのようで(余談だがわたしは「午前零時のサンドリヨン」の印象のほうがまだ強い。2010年頃ニコニコ生放送で学生マジシャン達が布教していたせいだろう)、色々と意見も飛んでいました。

この疑問、結果から言いますと「どうやら明確に定義はされていない」のようです。

ですが、私をはじめ「こういう分け方だよね?」と同じ定義付けをしている人がおり、その通りに記している書籍があったことは間違いないのでそのことを残しておこうと思いました。

図に示したとおりです。

「手品」はいわゆるクロースアップ・マジックであり近距離・少数の観客を対象に見せるマジックのこと、「奇術」はサロン・パーラー・マジックで中距離・数十人の観客を対象に見せるマジックのこと、魔術はイリュージョンで大舞台・100を超える観客を対象に見せるマジックのこと、そしてそれらをひっくるめて「マジック」と呼ぶ。という定義です。

過去、子供を対象にしたマジック本のいくつかの中で、同じ分け方をしているのを見た覚えがあります。

また、自称「そこらへんの道端にコロコロ転がっている奇術愛好家」ルーン氏より『奇術と手品の習い方』(石川雅章 著)の中に記載があり、著者の考える手品・奇術・魔術の違いが書かれています。と教えていただきました。

以下引用。

「ワンツウスリーと手を振れば 天から降ってくるシガレット アハハと吐き出すなまたまご 手品のおじさんゆかいだナ」

「ワンツウスリーと飛ばす鳩 開いた口から釣る金魚 キングもクインもごかっさい 奇術のおじさんゆかいだナ」

「ワンツウスリーとフタとれば 何でも出てくる玉手箱 乙姫さままでおどり出る 魔術の舞台はゆかいだナ」

そして、最近では、これらをひっくるめて「マジック」といい、奇術師という呼び名もマジシァンといった方が世界中どこへいっても通るし、かえって親しめるようになってきた。

『奇術と手品の習い方』(石川雅章 著)より引用

ということです。

分類や呼び方に疑問を感じた人は、こういったものもあるよ程度に覚えておいて、損はないと思います。

ただ、これが絶対というわけではないのでそれは注意を

ちょっと調べてわかったこと

日本に海外のマジックの情報が入ってきた頃の本である『奇術種あかし』(柴田直光 著)や、高木重朗氏の翻訳した本『サイ エンドフィールドのカード・マジック』や『ジョン・ハーマンのカード・マジック』、『トランプ手品入門』(ガルシアとシンドラーの共著を翻訳した本)を少し見てみると、共通してマジックを「奇術」と翻訳しているように見えました

先に述べた定義の仕方であれば「奇術」は「サロン/パーラー・マジック」という意味になるのだが、これらの本の中ではカードマジックを「カード奇術」、イリュージョンを「舞台奇術」、コインマジックは「銀貨の奇術」としており、「マジック=奇術」としているのだろうと感じた。

Right Caption

ゆき

だが、よーく見るとなんか違うのである

『奇術種あかし』を読んでいると、ほぼ「奇術」という言葉で統一されているのだが、「手品」という単語も出てくるのである。

お、これで何か分かるか?₍₍ ◞(。´ω`)◜ ⁾⁾

「種なくては何んのおのれが手品かな」という月並(古臭くて平凡な俳句の意)が一句あってもよさそうな程、奇術と種というもの切っても切れないような関係にある。ところが、種を知っていても出来ないのが、奇術というものである。

引用:『奇術種あかし』(柴田直光 著)

ほぉ、これはもしかして、日本に古くからあるものを「手品」、近代に海外から伝わってきたのを「奇術」で分けてるパターン?和妻はまた別口とかそんなんかな?と思ったりしたわけだ。

Right Caption

ゆき

よし、その前提で行こう

そこからさらにずーっと読み続けていくとこんな言葉が出てきた。

これは著者が発見した奇術である。

ふむ、海外から伝わってきたマジックに影響を受けた上で発見したから「奇術」判定。大丈夫。

さらに少し読み続ける。

これは日本に古くからある奇術である。

あぁぁぁアウトだよぉっヾ(⌒(_´д`)_

うん、駄目だ。わかんね。

これはもっとまとまった資料とか調べないと分からないやつだ。

あんなんとかこんなんとか、読んだら分かるかなぁ?

誰かが調べてくれるのを待とう。

よくわからない。という事がわかりましたって話。

異文化交流が始まった黎明期に用いられはじめ、各人が違ったニュアンスで伝え、結果として意味がふわっとしたまま現代までやってきた言葉なのかもしれませんね。

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Posted by ゆき