手品をしていると、たまに「ホフジンサー・プロブレム」っていうワードに出会うことがあると思います。
多分。そうであれ。
大体の場合は
4枚のAを取り出しておいて、残りのデックから1枚カードを選んでもらい、戻してシャッフル。
4枚のAの内、選ばれたカードと同じマークのAだけが裏向きにひっくり返り、デックを表向きに広げると1枚だけ裏向きにひっくり返っている。
デックの中にある裏向きのカードを見てみると、観客の選んだカードではなくて同じマークのA。
4枚の中で1枚だけひっくり返っていた、Aだったはずのカードを見てみると観客のカードである。
というような現象のカード・マジックを指すことが多いです。
「ホフジンサー・プロブレム」や「ホフジンサーのロスト・エース・プロブレム」、「ホフジンサー・エース・プロブレム」などと呼ばれたりしていますね。
これは19世紀、1806年6月19日~1875年3月11日にオーストリアのウィーンで活躍したマジシャン、Johann Nepomuk Hofzinserが残したエースを使ったマジックのプロブレムを解決した作品ですよって意味合いだと思ってください。
ちなみにプロブレムってなんぞや?って人はこの記事を読んでください。簡単にですが説明してます。

実は、ホフジンサー・プロブレムと呼ばれるものって18個存在していて、上で説明した現象もその中のひとつ・・・と思わせて、どうやら違うとも言われています。
なんで?と思われそうですけど、わたしもそう思ってるし、原因についてなどはもっと詳しく書いてる人が居ますのでそこを読んでくだされ。
マジシャンの中では広く常識として知られているホフジンサー・プロブレムですが、その18個すべてを日本語で紹介しているとこってどこかにあったっけ?となったので、ここで紹介しておきます。
- ホフジンサー・プロブレム
- (1)The Choice Of Suits
- (2)The Changed Cards
- (3)The Cigarette Packet
- (4)The Mystery Of The King Of Spades
- (5)The Five Changed Cards
- (6)Carte Blanche (or The Blank Card)
- (7)The Magic Finger-Ring
- (8)Strange Harmony
- (9)Card And Banknote
- (10)Card And Handkerchief
- (11)Card And Watch
- (12)The Magic Separation
- (13)The Flower Puzzle
- (14)The Toss Of The Cards
- (15)The Card And The Turnip
- (16)The Visiting Card
- (17)The Pack Of Knaves
- (18)The Mysterious Card
- 関連記事
ホフジンサー・プロブレム
(1)The Choice Of Suits
8枚のカードをデックから引いてテーブルに裏向きに置いてもらいます。4つのマークから1つ言ってもらってテーブルのカードを見るとすべてそのマークです
*picquet用のデックを使っているので8枚。32枚で1組のデックなので8枚で1つのスート全部です。ちなみにと言いますか、松田道弘氏の書籍の中で「フランスのトランプは1組32枚」というような記述がありますが、正確には「52枚だったけど、フランス(及びその周辺国で)でpicquetというトランプゲームが流行り、それが52枚の内32枚しか必要としないため、picquet用のデックを作って販売したらそれが主流になった」っていうのが正しいです。
(2)The Changed Cards
2枚のエースをテーブルに置きます。デックから1枚のカードを引いて戻します。1枚のエースが消え、代わりに引かれたカードが現れますが、このカードは再び消え、元のエースが戻ってきます。
(3)The Cigarette Packet
1引いたカードを観客が持つタバコの箱に入れます。2枚目のカードを引いておまじないをかけると、タバコの箱の中に入れたカードと、マジシャンが持っている2枚目のカードと入れ替わっています。
(4)The Mystery Of The King Of Spades
4つのパックから4枚の絵札を取ります(ハートのキング、スペードのキング、クラブのジャック、ハートのクイーンなどです)。パックは裏向きにして置きます。マジシャンは手に持ったクラブのキングを見せますが、キングは消えてしまいます。それから、手品師は4枚のカードのうち1枚を指差し、それがクラブのキングに変わっていることを示します。残りの3枚のカードも、順次にクラブに変わっていきます(クラブのジャック、クイーン、エースというように)。最後に、元の4枚の絵札は他の場所から現れます。
(5)The Five Changed Cards
5枚のカードを引き、デックに戻してシャッフルします。マジシャンは5枚の内の3枚のカードについて尋ね、その中の1枚を出現させます。残りの2枚を取り出しますが、言われなかった2枚に変化し、消えた2枚はデックのバラバラな位置にあります。
(6)Carte Blanche (or The Blank Card)
ブランク・カード(または白いメモ用紙) に、ゆっくりと引いたカードの絵が表れます。
(7)The Magic Finger-Ring
選ばれたカードが、観客が背後に持った指輪の中に突然現れます。
(8)Strange Harmony
観客に数字のカードを引いてもらい、残りのデックからさらに2枚のカードを引いてもらいます。この2枚のカードの数値を合計すると、最初のカードの数字になります。
(9)Card And Banknote
デックから数字のカードを引いてもらいます。それから何枚かの紙幣を見せ、1枚を選びます。カードの数字と紙幣のナンバーの合計が合います。
(10)Card And Handkerchief
カードを白いハンカチで包み、ハンカチを開くとカードはブランクになり、数字または絵札が白いハンカチにゆっくりと現れます。
*タマリッツ・シルクなんかが近そうです。
(11)Card And Watch
引いたカードが変化して、時計の文字盤の絵が現れ、マジシャンがカードを振ると、針が今の時刻を指します。そしてカードは元に戻ります。
(12)The Magic Separation
混ざったデックを見せます。2つの山に分けると、赤と黒の山に分かれています。仕掛けのないカードです。
*Out of this worldがそうかもしれませんね。あとO&W。
(13)The Flower Puzzle
ハートのクイーンが選ばれますが、カードが花の絵に変わります。マジシャンがカードから花を摘むと本物の花が現れ、カードはハートのクイーンに戻ります。
(14)The Toss Of The Cards
マジシャンが手に持ったデックを全部投げ捨てたように見えますが、デックが消えます。突然、デックが手に戻ってきています。また空中に投げて落ちてくるカードを両手でキャッチ。さら投げると今度は消えます。がしかし、デックは再び手の中に現れます。
(15)The Card And The Turnip
引いたカードがマジシャンの手から消え、カブを切ると中には引いたカードが入っています。
*日本誕生かよ!ってツッコんだけど、多分誰にも伝わらなかったと思います。
(16)The Visiting Card
名刺を封筒に入れます。引いてもらったカードが消え、代わりにさっきの名刺が現れます。そして封筒の中から引かれたカードが出てきます。
(17)The Pack Of Knaves
トランプが小さな旗に変ります。4枚の旗を取り出して振ると、民族衣装を着た4人のジャックに変わります。
(18)The Mysterious Card
カードを引いてもらったら手を出すように言います。片手にはカード、もう片方の手には残りのデックを置き、引いたカードをデックに入れてシャッフルしてもらいます。そのカードは別の場所に現れ、デックの中からは消えています。
関連記事
手品のプロットってなんのことですか?どんなのがあるんですか?(2025.03.06)
プロット一覧(2025.03.06)
プロブレムってなんですか?プロットとは違うのですか? (2025.03.06)