所感:「At the Table EXPERIENCE 18(January-March 2017) – Menny Lindenfeld」

2020-06-20

At the Table EXPERIENCE 18(January-March 2017) – Menny Lindenfeldとは?

2017年1月に行われたライブレクチャーのMenny Lindenfeld(メニー・リンデンフェルド)回。
日本だと、ベンディング用のツールや輪ゴムマジックなんかで知られてるマジシャン。

DLC、DVD、他のマジシャンのレクチャーも一緒になったDVD5枚組セットがあり、「18」はセットDVDに割り振られたナンバーである。

所感

Metal Spoon Bending

2本のスプーンを使ったベンディングのパフォーマンス。

ゆっくりと時間をかけて行っています。
また、触れていないのに曲がっていく、というのを意識しているようです。

ベンディングを行うに当たってのアドバイス等を色々と話してくれており、チャプターも細かく分けられている。チャプター名は以下のタイトルになっている。

  • What kind of spoons to use
  • Table Spoon VS Tea Spoon
  • Going back to Roots

「演技に適したスプーンについて」「使うスプーンの種類」「メニー氏のベンディングのルーツについて」といった内容なのだが、英語が分からないと基本的に理解は難しい。

スプーンについてのアドバイスは、日本語で出ているベンディング系のDVD等でも大体同じことが書いてあったり言ってたりするので、この部分を聞くためにライブレクチャーを観る程ではないと思う。

肝心のベンディングの方法だが、「手のひらにおいて曲がっていく方法」と「指で先をつまんだ状態で曲がっていく方法」が主に解説されています。

どちらも今やメジャーになった方法ではありますが、持ち方・掴む位置・置く位置などかなり詳細に解説をしていました。

また、観客に先を掴んでもらい、マジシャンが一切触れずに曲がっていくように見せる方法は参考になりそうです。

すでにベンディングを行っている人でも、復習的な意味で良いかもしれません。

余談ですが、スプーンと持つところを「柄」、先端部分を「先」、すくう部分を「つぼ」、持つ部分の先端を「柄尻」というそうです。へー。

Twisting the Spoon

マジシャンが触れずにスプーンが捻れていくハンドリングの解説と、ちょっとしたベンディングツールの紹介。

高価なベンディングツールは結構なお値段することがあるが、ここで紹介しているツールは、見つかれば100円200円くらいで手に入るものに少し手を加えるだけで調達出来る。

ツイストや柄尻をベンディングするのに便利そう。
フォークの先端はどうだろう?出来なくはないだろうが多分向かない。
手の中に隠し持つタイプではなく、道具に偽装してる系。

シャーピーではないぞ。

Torn and Restored Rubber Band

輪ゴムをちぎって復活させる。

よくある古典的なトリックを2種類のハンドリングで解説。

演技までの準備段階を片手で瞬時に行っているため、知っていてもスムーズさに驚く。

V2ハンドリングでは、ちぎれる部分、復活する部分等すべてのパートを細部までハンドリングを作り込んでいます。

このやり方が正規の手法だったんじゃないかなとまで思う決定版。

Color Changing Rubber Band

指先にかけた輪ゴムの色が一瞬で変化する。

変化後はフェアに見せれるがセットがちょっと面倒。
手首に輪ゴムを巻かないといけない系。

チャプターにはないが、「Torn and Restored Rubber Band」の片手での準備を利用した、輪ゴムが手首を貫通するトリックのアイディアもあり。

Bending Key

鍵が繋がったペンダントを示して相手の首にかけます。
演者が念を送るとキーが捻る。

シンプルだが良い方法。
曲がった後は思う存分に調べてもらえる。

言ってしまえばスイッチなのだが、ベンディング以外にも応用の利きそうな手法である。

ペンダントを首にかける・外すたびにピンマイクに触れているようで、ノイズがすごい。

Bending Keys with a Sharpie Cap

シャーピーのキャップを利用して鍵を曲げるアイディア。

The Kreskin Altoid Effect

複数の缶の内のひとつの中にコインを入れ、よく混ぜてもらうが演者はコインの入っている缶を当ててしまう。

手法は古典的な方法だが良いと思う。

氏の売りネタである「Occultatum」(オクルターツム)と現象はほぼ同じだが、今回のは簡易版と言うべき感じ。

*動画は「Occultatum」のものです

レパートリーにするなら、売りネタである「Occultatum」を買った方が高く付くが良い気がする。
あと、メンタル系は英語が出来ないとやっぱり辛い。

日本語解説付きがいいよね・・・。

The Ox Bender

氏の売りネタの実演。サインしたコインを曲げてしまえるギミック。

実演のみで、ギミックも映らない。
サインした直後、本当に一瞬で曲げてしまっている。

コインベンディングでは非常に強力なツールになりそうだが、日本円でやると法に触れるのがネックか。

実演では観客の手の中で曲げていたのだが、このあたりはベンジャミン・アールのDVD『スキン』を参考にするのが良いんじゃないかなー。

最後に

スプーンのベンディングに関しては、手法的には新しいものはなかったが、見せ方の復習にはなったと思う。
贅沢を言えば珍しい手法なんかも欲しかったが。

また、スプーンをツイストさせるためのベンディングツールの作り方と、鍵のペンダントのアイディアは面白かった。

見た目地味だが、輪ゴムの復活は本当に決定版とも言える出来なので、習得しておきたい。
神は細部に宿るって言葉はこういう手品のためにあると思います。

全体的に面白くはあったが、人に勧めれるかと言われれば他に優先して見るべきものあるんじゃね?といったところ。

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