所感:「At the Table Live Lectures 7(December 2014) – Alan Rorrison」
- 1. At the Table Live Lectures 7(December 2014) – Alan Rorrisonとは?
- 2. 所感
- 2.1. Linked
- 2.2. Broken Home 2.0
- 2.3. First Trick Alan Created
- 2.4. Card to Wallet
- 2.5. Card Transposition
- 2.6. Slick Sandwich
- 2.7. Monte
- 2.8. Alan Talks About Roughing Sticks/Roughing Wallet
- 2.9. Quick Cap
- 2.10. Peters Beer
- 2.11. Coin in Envelop
- 2.12. Dollar Through Headphones
- 2.13. Pebble
- 2.14. Alan Talks About Any Dice
- 2.15. Coin Vanish
- 3. 最後に
At the Table Live Lectures 7(December 2014) – Alan Rorrisonとは?
2014年12月に行われたライブレクチャーのAlan Rorrison(アラン・ローリソン)回。
「Linkey」等をはじめ、精力的に商品を出しているマジック・クリエイター。
名前に覚えがなくても、検索すれば「この商品この人だったのか」と思うほど色々なものを作っています。
DLC、DVD、他のマジシャンのレクチャーも一緒になったDVD5枚組セットがあり、「7」はセットDVDに割り振られたナンバーである。
所感
Linked
キーホルダーの束から鍵を外すが、鍵が一瞬で束に戻る。
演技後、観客にそのまま手渡し調べてもらうことが可能。
確か氏のギミック付きDVD『Linkey』に収録されていたボーナストリックと同じものだったと思う。
即席とはいかないが、キーホルダーや鍵を使ったマジックをレパートリーに入れている人でかつ、ギミックが干渉する(セットする場所にすでに他のネタをセットしていないの意)レパートリーを持っていない人であれば、いつでも演じれるようにセットしておくのはありだと思う。
Broken Home 2.0
鍵を2つに千切るが、元に戻る。
「Linked」と原理自体は同じ。
ただセットする場所は考えた方が良いのかもしれませんね、「Linked」と別の箇所にセットしているのですが、いつも演じるときと姿勢が異なっていて余計な力がかかっていたのか、実演時フラッシュしていました。
類似のトリックを演じる人であれば誰でも起こり得ることだと思うので注意ですね。
First Trick Alan Created
4枚のジョーカーが1枚ずつ裏向きになり、4枚のエースに変化する。
レギュラーで出来るパケット・トリック。
Card to Wallet
サインしたカードが財布から出てくる。
実演が上手くいかなかったのか、演技の途中から解説に入る。
パームを行わないカード・トゥ・ワレットで、面白いアイディアを使っている。・・・のだが実演で失敗しているように、パームとは別種の難しさがある。
マットやテーブルの質にも左右されるようである。
ワレットはレギュラー(ちょっと加工はした方が良いようだが、してなくても出来なくはないので言い方に困る)であり、2つ折りタイプであれば大体使えそう。
Card Transposition
手に持ったジョーカーが、デックの中に入れたサインしたカードと入れ替わる。
無理のある技法を使ったアイディア的な話。
なんていえばいいのだろうか、古典的なアイディアなのだがそれをカバーなしにやろうという発想。
解説でもあんまり成功してない。
野島伸幸氏の「チープ・トリック」のアイディアを使えば成立するぞ。
Slick Sandwich
観客がサインしたカードをデックに戻した後、2枚のジョーカーをドリブルしているデックの中に投げ入れ、デックをスプレッドするとサインカードがジョーカーにサンドイッチされている。
非常にクリーンなサンドイッチ・カード。
ギミックカードをを使用する。
演技後デック内にギミックが残るが、処理は簡単な部類。
またギミックは観客が調べたくなる場所からは遠く、リボンスプレッドからのターンオーバーくらいは余裕で出来る。
Monte
2枚のジョーカーと選ばれたカードでのモンテ。
最後は3枚ともジョーカーに変化。
非常にクリーンなスリー・カード・モンテ。
単売もされているトリック。
Harold Cataquetの「UltiMonte」を観客のサインカードでやる、といったような見た目。
手に持たず、3枚ともテーブルに置いたままでも入れ替わっているところとか好き。
ジョーカーだけパケット・ケースに入れておいて、サインしてもらう手順の後に演じたら便利そうだなと思いました。
Alan Talks About Roughing Sticks/Roughing Wallet
ラフスティックを使うときのチップス。
Quick Cap
ボトルの中にサインした王冠が貫通して入ります。
瓶と王冠の貫通だと、Charlie JusticeのDVD『Prohibition』(現在はボーナスのディスクを追加した『Prohibition 2.0』が販売している)を思い出す&良いと思っているのだが、このアイディアはそれに匹敵するか越えていると思えるものであった。
特徴を上げると
- 本当に瓶と王冠しか使わない
- 王冠にはサインをしてもらえる
- 王冠は曲がった状態ではなくほぼフラットなまま貫通する
といったところである。
なんか超強い。
タネに少し触れてしまうのだが、王冠を超安価・簡単にフォールディング化するというアイディアだと思ってもらいたい。
サインしたフォールディング・コインを使った貫通を想像してみて欲しい。この手順はまさにそれだ。
おすすめ。
Peters Beer
王冠をボトルの口に置くと飛び跳ねて落ちる。
テーブルに置いておいても跳ねる。
ちょっとした小ネタ。
ギミックを王冠に仕込むことになるが脱着は容易。
王冠自体小さいので、スイッチで済ませても良いだろう。
小ネタのためにギミックを作るのは面倒な気がするが、そのへんは好みだろう。
作成に必要な素材は、これを作りたいと思う人はほぼ間違いなく持っているであろうものである。
Coin in Envelop
サインしたコインが消え、財布の中の封筒から出現する。
財布は「Card to Wallet」で使っていたのと同じものを使用しているが、特に制限はなくどんな財布でも問題ない。
封筒にちょっと細工するが、あとはすべてハンドリングで解決する系。
コインにサインしてもらうことに抵抗がなければ、候補のひとつにどうぞ。
コインを消失させてた技法は、レクチャー後に別映像として差し込まれます。
Dollar Through Headphones
紙幣がイヤホンのコードを通り抜る。
シルクがマイクスタンドなんかを通り抜けるアレを紙幣でやるのだ。
あの音と、紙幣と貫通させるものが擦れる音って似てますね。
良いかもしれません。
Pebble
予言を書いてその上にスマート・フォンを置く。
シャッフルしてもらったデックを1枚ずつ表向きに配っていくとスマホのアラームが鳴り、そのカードが予言が一致する。
んー、好きじゃない。
手品を見慣れていない観客がまっさきに想像するアイテムを使っている。
そう、アップルウォッチだ。
普及しすぎた現在では、そのまま演じるには辛いと思う。
電子機器を使ったマジックを演じる際に「これ(アップルウォッチ)が気になるんですか?しょうがないですねぇ」と言いながら外して、もう一度同じことをするって演じ方を観たことがありますが、演じる際にはそういったキャンセルアウトをしないと駄目かなと感じました。
リモコンを隠し持ってくれてたほうがまだマシ。
Alan Talks About Any Dice
スマホとウォッチを使ったアイディア。
サイコロのアプリを使ってました。
Coin Vanish
「Coin in Envelop」で使っていたコイン・バニッシュの解説。
類似の技法はよく見かけるが、勢いをつけて滑らせるみたいな動きがなく、地に足がきちんとついた合理的な動きしてました。
一番最初、あの動きに苦手意識を持つ前にこれを知りたかった。
最後に
全体的に面白かった。
イチオシは「Quick Cap」、次点で「Monte」かなというところではあるが、基本的にどのトリックも面白く、これはやらないだろうな・・・と思うトリックであっても、どこかしらに光るアイディアが見てとれた(ウォッチは除く。レクチャー当時は良いアイディアだったのだとは思う)。
ゴリゴリなスライト大好きマンだと物足りないかもしれないが、それ以外のクロースアップが主戦場のマジシャンは楽しめると思います。
当たり回。