所感:「50 Faces North by Shane Cobalt」
50 Faces North by Shane Cobaltってどんなの?
カナダのマジシャン・Shane Cobalt(シェーン・コバルト)氏のギミック付きレクチャー・ノート。
載っているトリックは1つだけ。
カードマジックのプロットのひとつである「オープン・プレディクション」の中でも、さらに条件を絞った俗に「51 Faces North」と呼ばれるプロットのシェーン・コバルト氏のアンサーである。
2019年当時、日本ではほぼ無名であったシェーン・コバルト氏来日の際は、氏のレクチャーでしか観ることが出来ない「51 Faces North」のバリエーションがある。というのがウリ文句の一つであったと記憶している。
もっと細かく
「51 Faces North」というプロットについての詳細は以下記事を参照。
記事を書いた当時とは少し情報が増えたので、手直ししている。
1枚予言のカードを宣言し、メモ用紙にも書きつける。
デックを観客に渡し、1枚ずつ表返しながらテーブルに重ねていってもらい好きなタイミングで止めてもらう。
観客が配るのを止めた位置のカードが予言のカードである。
さて、シェーン氏の「50 Faces North」がどの程度条件を満たしているかというと、「デックへ付け加えない」「借りたもの以外、余分なものを使わない」ここらがアウトかなー(こそっ
シェーン氏は実演時に、スチュワート・ジェームス氏とエドワード・マーロー氏の間で起っていた出来事を語りながら演じていました。
その経緯を聞くと、スチュワート・ジェームス氏が重要視していたのは「観客がそのほぼすべての操作を出来ること」であるように感じた。
その点でいうならば、なんかこう「51 Faces North」の条件はほぼクリアって判定でいいんじゃないかなーって気になってくる(一応わたしがそこをクリアする方法、思いついたっていうのもあり、だとしたらこれは、モダン風に演じやすく変更したものを発表したんじゃ?と無粋したりとかした)。
オープン・プレディクションとして見れば手順の質は高く、かなりフェアな手順である。
オープン・プレディクションというプロットが持つ「クライマックスがすでに分かっている」というサスペンス・エフェクトにせざるを得ない状況設定において、最大限盛り上げれる構成になっているのは参考になった。
実演を観た際に「面白い!」と感じたのは、この構成とシェーン氏の演出が大きいかもしれない。
このアイディアは「50 Faces North」に限らず、他のオープン・プレディクションでも有効だと思うので上手く利用したいと思った。
実演時にシェーン氏が話していた、スチュワート氏・マーロー氏の逸話がコラムとして載っていたら個人的には嬉しかったのだが、ノートにはその辺書いていなかったのがちょっと残念であった。
このノートを入手する機会がするとすれば、おそらく実演とセットになっているはずなので、実際に観て決めるのがいいのではないでしょうか。