フラリッシュとカーディストリーって何が違うの?
「フラリッシュ(Flourish)とカーディストリー(Cardistry)って何が違うのですか?」
という質問をされましたので、せっかくなのでここでも答えてみようと思いました。
簡単に言うと
- フラリッシュとは、マジックを行うにあたってトランプ等の道具を使った曲芸的な技のこと
- カーディストリーとは、フラリッシュの中でもトランプを使ったフラリッシュからさらに派生したもの
といったところです。
「Flourish」という単語は、「華やかに〜する」や「見せびらかす」という意味を持つ単語で、トランプを使ったリボン・スプレッド(テーブル上に綺麗に並べる技)やスプリング(右手に持ったカードを左手に次々と弾き飛ばしていく技)、
コインであればコイン・ロール(指の背をコインがパタパタと移動する)、ウォンドであればウォンド・スピン(鉛筆回しのような技)のような技を指し示していた。
歴史的なもの
1990年代から2000年代初めにかけて、Brian Tudor(ブライアン・チューダー)やDan and Dave(ダン アンド デイブ)といった、当時はまだフラリッシャー(Flourisher)と呼ばれていた人達が台頭してきました。
カードのフラリッシュがどんどん複雑になっていくに連れて、「今までのフラリッシュと、最近のフラリッシュを同じ枠組みのままにしておくのはどうなのか?」という流れが起きてきました。
そこで、近代の複雑化したフラリッシュを「Cardistry」と呼称し、分けて考えるようになったのが現在です。(たまに「kardistry」という頭文字がCではなくKになっているものがありますが、それは「Cardistry」が定着する前の案のひとつです)
流行り始めた頃は、フラリッシュをメインにする人を「Flourisher」と呼んでいましたが、「Cardistry」が定着した現在は「Cardist」と呼ぶのが一般的なようです。
最初はマジックを飾る技として存在していた「Flourish」ですが、現在はマジックから独立し、単体でもショーになる存在になってきました。
「マジック」は出来ないけど「カーディストリー」をするのが好きなんて人も居ますし、カーディストリーの大会も開かれています。
興味のある人は、カーディストリーの世界に足を突っ込んでみると楽しいかも知れませんね。
おまけで
Cardistryをする人は「Cardist」と呼びますが、
カードマジックを専門に行うマジシャンを「Cardician」と呼びます。
似てますね| |Д`)
知っておきたい出来事
- 1992年 「Sybil」「The Five Faces of Sybil」が Chris Kenner(クリス・ケナー)の著書『Totally Out Of Control』に掲載。
- 1999年 Brian Tudor(ブライアン・チューダー)がフラリッシュ集のVHS『Show Off』を発表。
- 2002年 「フラリッシュマン」という通り名で呼ばれていたJerry Cestkowski(ジェリー・チェストコフスキー)が、550pものフラリッシュ百科事典『Encyclopedia of Playing Card Flourishes』を作成・発表。
- 2004年 Dan Buck(ダン・バック)とDave Buck(デイブ・バック)の兄弟、通称Dan and DaveがDVD『The System』を発表。