所感:「Super Cards – Richard Sanders」
「Super Cards – Richard Sanders」とは?
サンダース氏のギミック・カード+αを使ったカードトリック集DVD。
かなり古い物(2004年くらいにはすでに世に出ている)なのは間違いないのだが、DVDのパッケージには発売年なんかの記載は無いので詳しくは分からない。
元々はこのDVDに収録されていたトリックだが、後にリリースされたDVD『Ace by Richard Sanders』からもわかるようにとてもフェアでビジュアルなカードトリックが収録されている。
*こっちはDVD『Ace by Richard Sanders』のPV
所感
この手の原理のトリックは数年おきに優秀なものが登場してるイメージがあるのだが、そのたびにチェックしたいなぁと思っていたところに、DVDを入手できたので書き残しておこうと相成った。
加工用具の方は、昔よりも用具も簡単に手に入るし、このDVDで紹介されているものよりも便利な用具も増えている。
収録されている手順で使用されるギミック・カードはどれもメジャーなものだけど、組み合わせの問題で自作出来たほうが都合が良いなーと思った。
多分、DVD『Ace by Richard Sanders』を購入すると、ジョーカー→A用のギミックが添付されてるんじゃないかな。あの組み合わせは意外と入手しづらい気がする。
収録されている手順の中には気になるものが結構ありはしたのだが、DVD自体入手しづらいのでわざわざ調べなくても良い気がする。なんなら『Ace』の方にバージョンアップ手順が再録されている可能性すらある。
「4Card Crunch」「4Some」はちょっと演じてみたい。
また、「Color Killer」「Marked Triumph」あたりは部分的に取り入れたいなーって部分がありました。
もしこの記事を読んで気になるなーって人が居たら、後継の優秀な作品集があるので野島伸幸氏のチープ・トリック系のLive LECTUREやShiro Ishida氏のDVD『Project』とかが良いと思うな。
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所感:「MAJION LIVE LECTURE ―野島伸幸 カードスペシャル―」
4Card Crunch
基本となる変化現象。ある程度の技法は必要なので注意。
DVD『Ace』のPVでやってるのと同じだ!
あと、触ってほしくないカードは演者の手元にあるのでそこそこ安心。
Transformer
基本の現象に「交換現象」を足した感じ。現象のかさ増しをしたいときにでも。
Doc Dailey Variation
「Transformer」から、カードの組み合わせと多少表現が変わってDr.デイリーのラスト・トリック感が増した感じ。
解説もほぼ無しである。正直「4Card Crunch」からここまでと、この後に出てくるいくつかのトリックに関してはひとまとめにして欲しかった。
Super Duper Jumping Gemini
フル演技があったのでペタリ
ジャンピング・ジェミニをSuper Cardsにした感じ。ラストはフェアに4枚示せるのが良いですねー。
あとペイントブラッシュチェンジによる同時変化が強いなーと。
Open Prediction Gone Wild
タイトルはオープン・プレディクションだが、現象はミステリー・カード系。
マジック慣れしてる人からだと「あーーね」となるムーブはあるけど、デックとテーブルにある3枚のパケットの接触時、いい感じに別の箇所にフォーカスされているので、観客からはデックとパケットが接触した記憶は残らないだろうなぁと。
また、最後には3枚ともフェアに示せるのが良いですね―。
Zing King
「4Card Crunch」と組み合わせが違うだけじゃないですか嫌だー。
一応、ジョーカーのようなデュプリじゃなくても出来るよみたいな。ひとまとめにしてほしかったやつ。
Doc Dailey Meets Zing Kings
割愛で。Zing Kingの別表現みたいな。
Color Killer
終盤までの手続きは説得力に乏しくどうでも良いのだが、クライマックスの変化(ペイントブラッシュなんだけど)はとても綺麗。変化後はフェアに示すことが出来、調べられたくないカードも1枚なので(何の処理もせずに放り出したとしても、調べられなさそうな場所に沈む)色々な手順に組み込めるんじゃないかなっと。
Marked Triumph
色々詰め込んだ結果というか宿命と言うか、序盤の手続き(ヒンズーシャッフルを使ったサトルティとかフォースとかその辺り)はちょっと好みではないものの、カード揃う・デックの裏の色が変わる・選んだカードの裏に文字が現れるっていうのは非常に強い。
最初はダイヤの7の裏に「♢7」っていう文字が現れるっていう現象を見せられ、あーうん。ってなったけど、お客さんに対して「誕生日おめでとう!」みたいな祝いのメッセージとか出せるので便利だな―と。
Clearly Impossible
かなりクリーンに見えるブランクデックトリック。
ただ、デックをフェアに示せはするけど、観客には一切触れて欲しくない・調べさせれないので、観客が手を出せないような状況下で演じるのがベストだと思う。
そういえば、ブランクデック版のブレインウェーブ・デックみたいなのあったよね、そうそうあんな感じだ。
お客さんが居る状況で類似のトリックを演じるなら、ブリザードとかあの辺りが良いのかな―と思うので、その辺は個人の好みとか使い分けで。
Shooting Blanks
よくある「1枚ブランクカードを加えて頑張る」系の手順をSuper Cardsにした感じ。
これもペイントブラッシュを使ってるんだけど、2枚の同時変化が与える印象は本当に強いなーって思いますです。
4Some
Oz Pearlmanの「3Some」(DVD『Watch Magic』収録)のバリエーション。
良いミステリー・カード現象だと思います。ゴタゴタした部分が無いので観客からとても見やすいかと。
間違って取り出す2枚のカードの意味がこのトリック単体だと薄いので、このトリックをラストとして前段の手順で2枚のカード使って上手く意味付けしたら綺麗にまとまったルーティンになるんじゃないでしょうか。