松田道弘さんのカードマジックベスト50について語ってみる(*゚ー゚)2回目

松田道弘さんが面白いと思った・歴史に影響を与えたと判断したトリックを紹介した「松田道弘さんのカードマジックベスト50」を、30年経った今、見返しながら色々語るコーナーの続き。

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松田道弘さんのカードマジックベスト50について語ってみる(*゚ー゚)
手品を始めた頃ってそもそも、どういった手品があるのかも知らないもの。とりあえずGoogleさんがおすすめしてくるものを確認するだけになってしまった昨今、あえて能動的に色々と調べようとする人の助けになるようなものがあったらええなーと思った次第...

11 Colour Changing Deck

デックの裏の色が変わるトリックの総称
ちなみに「colour」(イギリス英語)でも「color」(アメリカ英語)でも間違いではないらしい。

松田氏はKen Brookeの作品を挙げていて、この作品はHarry Stanleyのノート『Feke Card Tricks』に収録されていて、日本語になっているものだと『トリック・カード事典』(少し簡素化された手順だが)、『カードマジック大事典』に収録されていました。

原理含め、色々な人が発表していて良い作品が多いのですが、印象に残っているのはGlennWestの「Colour-Changing Deck」、John Careyの「Color opener」、David Williamsonの「Funner Color Stunner」(最初に見たのがこっちなのでPaul Harrisじゃないのは勘弁を)などなど。

この手のトリックはデックを表向きにしてシャッフルするような動作をする作品が多いですが、私はそれに反して、マジシャンがよくやる動作にカモフラージュするように工夫したサトルティを使っている作品が好きなんだろうなぁと。

Feke Card Tricks Harry Stanley(Lybrary.com)
Series of Unfortunate Effects by Chris Mayhew and Ben Train(Vanishing inc.)
24Seven Vol. 2 By John Carey(Vanishing inc.)
Ridiculous by David Williamson(Vanishing inc.)
Magic Farm by David Williamson(Vanishing inc.)

12 The Gossips

Peter KaneのProgressive Aces(別名でSuccession Aces)。

Progressive AcesはAce Assembly系の現象の中でも、4つのパケットをabcdとしたときに、aからAが消えてbのパケットにAが2枚、bの2枚のAが消えて、cのパケットにAが3枚、cにあったA3枚が消えて、dのパケットに4Aが集合する。というように段階的に集まっていく現象のこと。

ちなみにProgressive Aces自体の初出はKen Krenzelということ。

「The Gossips」はPeter Kaneの『KANE』という書籍に載っているそうな。

この書籍は見たことがありません。モジテジさんがPeter Kaneの3部作を翻訳し、まとめて日本語版として出版されたことがありましたが、それにもこの「The Gossips」は載っていない様子。

松田氏は自身の作品集によく「Progressive Aces」の手順を発表していましたが、『松田道弘のカードマジック』に掲載されている「プログレッシブ・クイーンの悪夢」という作品が「The Gossips」の直接的な改案ということなので、この作品を並べるくらいしかPeter Kaneの作品に思いを馳せる手段はないのかもしれません。

Progressive Aces自体はたまに見かけるものの、なんかこう琴線に触れる作品はなかった気がします。スン・・・

Combined Card Sessions by Peter Kane 日本語版(モジテジ)

13 The Conus Aces

原案とBruce Cervonが演じていたものについて言及していました。

このトリックについては以前、原案を翻訳した際に色々と調べて書いたことがあるので、ここではあまり詳しくは触れない方向で。

1800年代にフォー・エース・トリックといえばConus Acesのことと言われており、アンビシャス・カードのようにマジシャンが各々自分の手順を持っていたようで、この手順が良い!というのは中々に断言しにくいものですねー

あ、カードマジック大事典にも載っていて色々書かれていますが、あそこで原案と言われているものはヒューガードらの改案のことで、そいつぁちょっと違うんでねぇんかい?となりました。

Ultra Cervon by Stephen Minch and Bruce Cervon(Vanishing inc.)
Modern Magic by Professor Hoffmann(Lybrary.com)
Conus’ Ace Trickについて(Fantia)
Conus’ Ace Trickについて(Creatia)

14 Aces for Connoisseurs

Cy Endfieldのコリンズ・エース。

コリンズ・エースは、それぞれのAの上に3枚のカードを乗せて4枚の山を4つ作るが、すべてAが消えてしまう。その後山を集めて配り直し、観客に山をひとつ選んでもらうとその山にすべてのAが集まっている。という現象のトリックのこと。

Cy Endfieldの「Aces for Connoisseurs」は、原案では4回とも同じ方法で消失させていたものを、すべて別の方法に置き換えた感じのもの。

4Aの再出現の仕方にも最初は感心したのだけど、その方法はDai Vernonのものでした(『Expert Card Technique』に収録)。

コリンズ・エースでは「これは画期的!」みたいなものより、地味だけどいいなっていうアイディアが多いイメージなんですけど、Francis Carlyleのやり方や、カズ・カタヤマ氏のやり方が良かったなぁ~って思いました。あとDai Vernon(*゚ー゚)

Cy Endfield’s Entertaining Card Magic by Lewis Ganson(Lybrary.com)
The Magic of Francis Carlyle by Roger Pierre
Expert Card Technique by Jean Hugard & Fred Braue(Lybrary.com)

15 Collectors Item

4枚のAで観客の選んだ3枚のカードを挟んで見つけるコレクターズ現象のPeter Duffie版。

Peter Duffieはギャフを1枚使い、操作もそこまで複雑ではなく、かなりフェア。

Peter Duffieの『Close-Up to the Point』か、Peter DuffieとJerry Sadowitzの共著で二人の作品集5冊の合本でもある『Card Zones』で読む事ができます(『Close-Up to the Point』も含まれているので『Card Zones』のが良い)。

なぜか分からないが、長らくDon Englandの「Ultra Collectors」とごっちゃになっていました(ちなみに未だにどうなってるのか知りませぬ)。あれも知る限りではとてもフェアなコレクターズです。

コレクターズ現象はいろいろな作品を右往左往見てきましたが、Allan AckermanがDerek Dingleのコレクターズ(事典とかに載ってるあれだよ)を演じているのを見たとき(コロナ禍中)、「あ、これでいいやー」ってなってしまい、小細工を弄するよりも上手い人が上手いことやるのが一番不思議なんだなーってなっちまいましたよ、えぇ。

Close-Up to the Point by Peter Duffie(Lybrary.com)
Card Zones by Peter Duffie & Jerry Sadowitz(Lybrary.com)
Don England’s Ultra Collectors by Don England(Vanishing inc.)

16 The Vernon Poker Demonstration

タイトル通りDai VernonのPoker Demonstration。

Poker Demonstrationっていうのは、ギャンブル(この場合はポーカーを題材にした)のイカサマを再現するっていうプロットのトリックで、Vernonのこの手順は2段階になっていて、1段目はA4枚を自分のところに来るようにする「積み込み」の実演を行い、2段目では他のプレイヤーの手札をドロー・ポーカーのように交換していき、すべて強い手役に変えていくというもの

とても良い手順で日本語訳もかなりされているのですが、ちょっと問題だなと感じる部分もありまして、実は結構な枚数のセットが必要なのですが、その組み方をきちんと解説している日本語訳がほとんどないんですよね。この順番で並べろ。だけなんですわ。

一見すると完璧にランダムで、到底覚えれないようなセットに見えますが、実は組み方を覚えたらほぼほぼセットは忘れないようになっているんですよね。

記憶にある限り日本語だと、『松田道弘のクロースアップ・カードマジック』くらいにしかその組み方は載っておらず、セットが覚えれないから結局演じなくなるっていう人が多いだろうなって。ちなみに英語だと『The Dai Vernon Book of Magic』にその方法が載ってます。

もし「面白いけど、覚えれないなぁ」って人は、組み方について書かれてる資料のチェックをおすすめします。

Poker Demonstrationはたくさんの種類がありますが、Lennart Greenの「Poker Deal」を見た際に「フォールス・シャッフルが上手ければいいんだわ」と、Poker Demonstrationに関しては小手先の工夫よりも必要なのは圧倒的なスキル。という主義になったので、みんな違ってみんないいよねっていう感じです。

松田道弘のクロースアップ・カードマジック(東京堂出版)
The Dai Vernon Book of Magic by Lewis Ganson & Dai Vernon(Lybrary.com)

17 Sidewalk Shuffle

Martin Lewisの売りネタでスリー・カード・モンテ。

作成してショップに売り込むも「売れそうにない」と断られたが、Fred Kapsに1組プレゼント、その後Kapsが演じるのを見たことでショップ側が気に入り、今でも(2025年現在)人気のサロン・パーラーネタのひとつになっているという逸話を持つ。

ちなみに、最初断ったのも、気に入って売り始めたのも、Ken Brooke(11 Colour Changing Deckの人)だ。

フェアさは落ちるものの、わたしは「Virginia City Shuffle」を好きでよく演じていました。

Sidewalk Shuffle自体の演技で言うと、Charlie Fryeのものが印象に残っています(遠い記憶だけど)。

Sidewalk Shuffle Redone by Martin Lewis(Vanishing inc.)
Eccentricks Vol 3. Charlie Frye(Penguin Magic)
Making Magic by Martin Lewis and Magikraft Studios

18 Card in Purse

そういえば・・・知らないな・・・(・ω・)

名人Albert Goshmanの手順。もしかしたらこれ・・・?というのを貼っておきますね(6:00~あたりから)。

Magic By Gosh by Albert Goshman

19 The Jet-Propelled Card

Al Bakerのトリック。未見。

『松田道弘のマニアック・カードマジック』の中で、ジェット・プロペルド・カードを演じたら、見た人達がワンウェイ・フォーシング・デックを持って「あのトリックを作らせてもらいました!」と報告され、デックを観客に渡して調べさせるというアイディアが完全に空振りに終わっててがっかりした。という話をしていたのが印象に残っています。

この話の中に出てくる描写から、なんとなくこんな感じかな~と推測できる程度ですわ、わたしの理解度は。

Al Bakerの本は著作権が切れているので、誰か翻訳しないものですかね~。

Secret Ways of Al Baker(Penguin Magic)

20 Shinkansen

Max Mavenのパケット・トリック。
赤裏4枚と青裏4枚の8枚だけを使ったカードアクロス現象で売りネタ。
東京堂出版から『パケット・トリック』という名前で出ている本(原著はPhil Goldsteinの『Focus』)にも載っているのでアクセスはしやすいかなと。

ゆき
ゆき

ちなみにPhil Goldsteinが本名で、Max Mavenがステージ・ネームのようなものだったんだけど、改名してMax Mavenを本名にしたっていう経緯があるから、知らない人はちょっと混乱するよね

このトリック位でしか使うのを見たことがない、個人的カッコイイ技法名No.1「アンリミテッド・ディスプレイ・シークエンス」(マルロー/オズボーンがクレジットされるらしい)が好き。無駄に流行らせたい。

新幹線は、あ、Shinkansenってタイトルは普通に新幹線のことですよ。新幹線みたいに速いカードアクロスみたいな。

マイナーチェンジやハンドリング違いくらいのものがほとんどですが、のじまのぶゆき氏が2段に手順をしていたので、それだけ紹介していおきますねー。

週刊マジオンSP:しんかんせんのバリエーションを作りました
Shinkansen by Phil Goldstein(Vanishing inc.)

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