所感:「LETS GO DUTCH by Fritz Alkemade」

2020-10-19

LETS GO DUTCH by Fritz Alkemadeとは?

FRITZ ALKEMADE(フィッチ・アルケマデ)氏の作品集。

あとは分かりませんでしたっ!!!

本人がyoutubeチャンネルを持っていたのでそれを貼っておきます。

所感

・実演時カメラのアングルが良くない(見えないとかではなく、フラッシュしてたり、マジシャンの背後から見ているようなアングルだったり)

・ミスディレクションを使ったトリック多め

Boxing Day

現象カード・アンダー・ザ・ボックス。
箱の下、箱の下、デックが箱の下に、箱の中に、箱の中に、デック全部が箱の中に。の6段構成。

3段目までは無難に良い。4、5段目はディテールに拘りたい人からすると気になる動きがある。6段目は強引なんでないかい?って感じ。

悪くはないし、きちんと全部成立はする。アンダー・ザ・ボックス系統のトリックの中ではかなり良い方の手順だと思う。

4、5段目の気になる動きってのも「マジシャンから見たら何をしてるのかすぐに分かる」程度の意味なので人によっては気にならないと思う。わたしが気にし過ぎなだけだ、多分。

6段目はほぼオフビートに頼ったもので、At the table live Lectureでグレゴリー・ウィルソンがアンダー・ザ・ボックスのラストにやってたことと似たようなもんである。

実際通じるのでいいっちゃいいのだろうが、まぁ気になるよね。っと。

アンダー・ザ・ボックス系の手順の中では比較的長い手順なので、これをベースにして削るなり置き換えるなりして自分に合わせれば、いい感じの手順が出来上がりそう

あと使われている技法の個別解説は無いので、トップチェンジやらパームやらコントロールやらは最低限知ってた方が良いですね。

Another Ambitious?

現象アンビシャス・カードの手順。
基本的な現象に、口に加えるやつ、ポップアップ、ワレットへの移動、オムニ・デックと続く。

特に語ることが思いつかないが、オムニ・デックの部分だけ「あぁ、そこまで手を抜くか」って感じであった。
オムニ・デックの演技にありがちな、よく分かんねぇけど1番上のカードは抜くで?って操作が不要になるのでありっちゃありなのかもしれない。

Four King Production

現象4枚のキングが1枚ずつ出現する。

実演ではフラッシュしている(全体を通して多い)。

4枚目のキングはすでにテーブルの上に出現していた系

簡単なセットが必要。 テクニックは必要だが、どれも良く使う技法なので初心者の練習としてもいいと思う(サイドスチールが一番辛いかな)。

Right Caption

ゆき

あ、でも技法の解説がねぇなぁ

Y.A.M.S.M.A.T

現象カードが出てきたり、変わったり、口に加えてたり、耳に挟まったり、2枚だけになったり(観客に2枚選んでもらってる)、デックが箱の中に入ってたり。

DVD『スティル・ファンシー・ア・ポット・オブ・ジャム?』収録の「カード・オープナー」と大体同じ。

クライマックスの箱にデックが入るやつは準備がいるが簡単。もしやるならば大原正樹氏の技法(note『大原のこだわり』収録の「Fake out」)を使うと不可能性が増すのでやってる人・やろうと思った人は参考にしてみてはどうでしょう(入手困難なノートだと思うけど)。

Boxed Musketeers

現象箱に入れた観客のカードと、4枚のキングが入れ替わる。

箱を使ったオフバランス・トランスポジション。

実演のときに行われているサンドイッチ・カードは「Roppongi Revelation」っていう作品でこのDVDの最後くらいに収録されてる。

最初に行われてるイロジカルなスイッチが気になりました。 何か色々他にも使い途がありそうな。

そのくらいですかねー。

TOKYO SANDWICH(Wallece’s Opener & Tokyo Transpo)

テロップに出てる名前と、パッケージに書いてある名前が全然違う。 このDVDちらほらそういうのが目に付く。適当すぎんだろ(´・ω・`)

現象デックのプロダクションから、2枚のカードのトランスポジション。

デビット・ストーンのフラッシュ・ペーパーを使ったデックの出現をD’liteでやるだけのオープナーからの、デュプリケイトを使ったトランスポジション。

え、うーん。まぁ、いいんじゃないかな。

The Ace Team

現象4枚のエースのプロダクション。 1枚目は飛び出し、2枚目は1枚目を差し込んだところから、3枚目はサンドイッチで、4枚目はデックが消えてエースだけになる。

特に難しいテクニックも使わないので気に入ればどうぞ、といったところ。

A Mouthful

現象観客のカードをいつの間にかマジシャンが咥えている、っていうのを何度も繰り返します。

「どんだけ適当にやったらバレるかチキンレース」みたいになっているけど、お酒の席ではウケそうなトリック

嘘の種明しでやっていた「投げたカードを吸い込んで咥える」のが一番すごいんじゃないかな。

まぁ・・・参考にはなるとは思う。そのまま演じるのはどうかと思うので、自分なりに上手く調整しましょ。

Just in Time2.0

現象立ってやるトライアンフ。

ジェニングスのあれ。

観客にカードを引いてもらうのではなく、現在の時刻をカードで表す

何度も観客にカードを覚えさせてて悪いなぁ、と思ったときにでも。

Multiple Selection and Revelation Routine

現象観客の選んだ9枚のカードを当てます。

これといって特異な点はない。

解説ではスペードのA~9までを使っており、スート・アピアランスとしても使えると思う。

あとは、一番最初にサインしてもらったカードの裏が、全く別の物に変わっているっていう、ミステリー・カードとかドリーム・カードのような現象も行っている(やってもやらんでもいいアイディア的な)。

難しいテクニックはないので、これ系の持ちネタがない人は良いかもしれない。

複数枚当てるという現象であれば、ジョン・ガスタフェロー氏のやつが思う浮かぶんだけど(multi-mental)、当て物としてはあちらの方が上質だと思います。

Roppongi Revelation

現象4枚のキングが観客のカードを探しに行きます。

「細かすぎて伝わらないサトルティで賞」を進呈したいです。

一番最初のカウントのとこ。いいよ、そういうの好きよ。

それ以外は何ていうか、普通じゃないでしょうか。

Euroutine

現象ワン・コイン・ルーティン。

ちょこっと演じるのに便利なワン・コイン・ルーティン。 奇をてらった現象・手法はありませんが、非手品人に見せるのには丁度いい作品だと思います。

最後に

バーなどで演じるのに適したトリックが多数収録されており、レパートリーを探している人には良さげなDVD。

ただ、尖った部分が無いため面白みは感じにくい。うん、似たやつは見たことあるけど良いトリックだね。で終わってしまう。

Right Caption

ゆき

強いてあげると、ミスディレクションを多用してる感じかな?

どの技法も詳しいやり方なんかは解説されていないので知っている人向け。基本的には難易度の低い技法ばかりであるが、パス・パーム・サイドスチール・トップチェンジあたりも普通に使う。

おそらく氏は、ミスディレクションがかかっていれば多少雑でも成立する技法と、凝視されても問題なく安定して行える技法を主軸にした、バー特化&完全に非手品人を対象にして演じているマジシャンなのだろうなと感じた

収録されているトリックは良いものの、マジシャンのことが全く記憶に残らないのはちょっと物悲しさを感じる。

あ、実演動画でカメラの位置が悪く、めっちゃフラッシュしてたり、裏の動作が丸見えなのも良くない(バーマジシャンの演技を、カウンターの中から見てます、みたいなアングルもあったで)。

この頃のRSVP MAGIC社の「現場で磨かれてきた、良質な手順を多数収録している作品集」っていうコンセプトには合ってるわけではあるけどさ。

とはいえ、ある程度技法が出来るようになって、ネタを増やしたいという人には良いDVDだと思います。『スティル・ファンシー・ア・ポット・オブ・ジャム?』とか好きだった人は多分気にいると思うよ。

あと、Discにpdfとして収録されているtipsやreferenceは中々良かったで。

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