所感:「The Step System Vol.1 by Lee Smith」

The Step System Vol.1 by Lee Smithとは?

イギリスのマジシャンLee Smith氏の2本組DVD。

氏はDVD『iCandy』や『More iCandy』シリーズ(共にGary Jonesとの共作)で知られ、結婚式や企業・トレードショーでの活動を主とするマジシャン。

本作品は「Simple Tricks Extraordinary Power」の頭文字から取って「STEP」というタイトルにしているようで、「シンプルなトリックの並外れたパワー」というコンセプトに沿った作品が収録されている。

現場で使えるトリックを多数収録しているRSVP MAGIC社のDVD作品集のひとつであるが、このDVDは同じ傾向を持ちつつも、ウォークアラウンドで演じれるトリックが多い

所感

・氏は左利き

Ice Breaker

現象「適当なカードが観客の選んだカードに変化する」を3回行う。

手順・・・というには些か不足だと思う。

マジックを始める前に軽く実力を見せる、まさにアイスブレイカー。

使われている手法はどれも一般的なもので、難易度的にも簡単。

初めて人前で演じるときの参考にでも

まぁ「こういうのでいいんだよ、こういうので」という気持ちは分かります。が・・・うーん。

ポット・オブ・ジャム(「カード・オープナー」)やレッツ・ゴー・ダッチ(「Y.A.M.S.M.A.T」)とかにもアイスブレイクな手順入ってましたね。そっちを参考にするのが良いのではなかろうか。

Walkaround 2 Cards to Pocket

現象観客に2枚のカードを覚えてもらって行う手順。
リバース、ポケットへの移動、変化を連続で起こす。

2枚のカードをグリンプスしつつ、一方はデック内にリバースするという手法が参考になる。手法自体はOllie Mealingというマジシャンのアイディアだそうな。

ポケットへの移動にミス・コールを使うのはちょっとなぁ。

Bold Business

現象いわゆるDesign DuplicationとかDrawing Duplicationとか呼ばれるやつ。
観客の描いた絵を読み取って、マジシャンもその絵を書く。

DVDは実演のみ収録、解説はVol.1のDiscに収録されているpdfファイル内でされる。

演技見て、解説読んで、もっかい演技見たら多分分かる。

名刺の束があれば即席で演じる事が出来るが、とあるメジャーなカード技法を使ったりするので難易度はメンタルマジックとしてはそこそこ高めである。

Trans-Box-Ition

現象観客のカードが箱の下にあったり、観客の持っていたカードが変化したり。

「Walkaround 2 Cards to Pocket」でも使っていた2枚のカードに対するムーブと、箱を使った手順。

箱の下に移動したりするが、ミスディレクションを必要とする一般的なカードトゥーボックスと比較すると遥かに容易。

ミス・コールをダイレクトに使うのはちょっと・・・と思うけど

この手のトリックに初めて挑戦したいときなんかには良いかもしれない。

You Keep Mine

現象観客のサインしたカードが、マジシャンの持っていた別裏のカードに飛び移る。

説得力は無いが楽ですね。うん・・・。

Third Degree

現象観客のカードをなんやかんやあって当てる。

無関係なカードが観客のカードに変化する現象だが、間にバイプレイのようなあってもなくても良い現象が挟まっている。

技術的には本当に簡単。ウケるはウケると思うので気にいればどうぞ。

最後に

トランプを初めて持った人でも出来そうなレベルで難易度は低い。

観客が「今まで一度も手品を観たことがない」という層ばかりであれば猛威を振るう手順だが、まぁもうちょっと欲しいですよねと言ったところ。

どれもyoutubeにあるんじゃないかね?レベル。

ウォークアラウンドでマジックすることになった初心者がいれば参考になるかもしれない。

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