Theodore Annemannの初作品集を翻訳・・・と思ってたら、初はカードの方だったらしい。おーまいがー
ここ2ヶ月位(2024年初期くらいの話)はパブリック・ドメインの翻訳に注力していましたが、それ以外の手品関係の資料を見ていないわけではないので(新しく買ったりはしていませんが)、レビューもたまには投稿したいですねぇ( ˙꒳˙ )
以下、『Annemann’s Mental Mysteries』の簡単な内容。
演じるときのTIPSやサトルティが半端ないですね。現代だと容赦なく省かれているだろう行間を余さず書いてるみたいな感じでしょうか。
翻訳したもの(Fantia)
翻訳したもの(Creatia)
THE BOOK TEST
ブックテスト。
ページの選択にデックを使ったりしている部分は微妙かもしれませんが、そもそもブックテストという現象が観客にどのような印象を与えるものだったのかがよく分かると思います。現在の利便性に寄りすぎて、必要なところまで削ぎ落としてしまったブックテストを原案だと勘違いして苦言を呈す前に読んで欲しいトリックかなと。
(本に目を落とす、手帳を取り出すといった)日常的なムーブの中に潜んだ情報を得るムーブが、非常に参考になると思います。
The Mentalist’s Card Staggerer
観客がカードを1枚見て覚え、数枚のカードを演者のポケットに入れた後、1枚ずつ取り出していきますが、最後に残っていたのが観客の見たカードです。
特に難しいテクニック自体は使っていないけど、解説されている細かなTIPSをすべて正確に行おうとするとべらぼうに難しくなるタイプのトリック。
積み上げられた細かなサトルティのひとつひとつを理解するだけでも、演技のクオリティを上げるのに役立ってくれるはずです。
構成的にはオープナーが適しているけど、現象的にはクライマックスに持ってくるのがベストに感じるあたりが欠点かもしれない。
The Psychic Writing
2枚の白い名刺の4面の見せた後、1面に観客の名前が大きく現れます。
とても賢いと感じるトリック。他に何か別の現象と組み合わせるのが良さそう。
『Annemann’s Mental Bargain Effects』にも収録されているけど、挿絵があるのでこちらの方が理解しやすい。
Instantaneous Card Memory
カードを使った記憶術。
カードに仕掛け等はいらず、覚えることも特に必要ない記憶術。
条件的に演じれる機会が少なく、現代だと優れた手順も多いので演じることはなさそうです。
Phantasma – A Mental Card Feat
観客が選んだカードがありえない場所から出てきます。
言ってしまえばマルチプルアウトを準備しておくトリック。アンネマンがどう準備していたかを知ることが出来る資料です。