所感:「The Newsletter Tricks」 by Mathieu Bich

The Newsletter Tricks by Mathieu Bichとは?

フランスの鬼才Mathieu Bich(マシュー・ビシュ)氏のDVD付き冊子。

オフィシャルサイトのメルマガで配信していたものをまとめたものらしく、DVDには実演のみ収録、解説は冊子にされている。

解説されているトリックに使うギミックカードがセットになったデラックス版も存在するらしい。
今回入手したのは普通版。

メルマガ(Newsletter Tricks)で配信されていた(らしい)トリック10種と、今回の冊子のために収録された5種、隠しメニューとして2種の計17トリックが収録されている。

所感

Visual Sandwich

現象ジョーカーが観客のカードを挟む。

ほぼモンキー・イン・ザ・ミドル。種の部分で別の方法を用いてるだけ。

原理の新規性とかはさておき、いいトリックだとは思います。

Rise

現象フェアなライジング・カード。

解説を読んだだけだったら絶対にスルーすると思う。

でも動画で見たら不思議

気に入ったら割とありかもしれない。

ただ一点気になるのは、体質的に出来ない人がいるんじゃないかということ。

わたし出来ませんし。

ちなみにわたし、ブーン・ライターとか使えないんですよ。弾くんです。マジでマジで。

Behind the Spade

現象スペードのAが開いて、中からシルクが出てくる。

これ面白い。カードはあらため可能

なんか続けてシルク使ったネタをやりたいですねこれ。

Bich’s acrobatic double

技法。ダブルのままぶっ飛ばす。

ダイビングボード・ダブルとかと同系統(名前合ってましたっけ?リー・アッシャー氏の)。

まぁ、好きなら。

Rifflewich

現象デックのトップとボトムにジョーカーを置いて、リフルすると観客のカードが飛び出してる。

トップとボトムにジョーカー置く必要ある?

まぁ、確かにあらために使ってたりはするけど、どうなのさー。

ポール・ル・ポール氏のトーン・アンド・レストみたいな構成でいいんじゃないの?

Fisher Sandwich

現象観客のカードをジョーカーが挟む。

ちょっと違和感あるけどまぁ。
有名なあのギミックを1枚だけ使用するので、デックに忍ばせてる人は覚えてもいいと思う。

わたしは・・・やらないかなぁ。

Check-Match

現象2枚のカードと2本のマッチを使い、フェアに移動させる。

不思議。これ以降youtubeに動画はなかった。
解説見ると?ってなる。まじか。

コインとかでやってるのは見かけるけど、マッチと来たかー。ええですね。

でも正直、マッチの姿も見かけなくなってきてるのでマッチ以外のオブジェクトでやりたいなぁ、って思うけどなんか良いのあるかなぁ。

Beat It

現象シュッとすると挟まる。

ホフジンザー・トスを使ったラインハートミュラーのスリーカードキャッチを、公明正大にセンターに入れたカードで行う感じ。

マジシャンから見ると不思議だけど、普通にやった方が多分ウケるかなと。

Flip Flap

現象観客のカードが挟まる。

ギミックを使う。きっと見たことあるけど、微妙に使い方があまり思いつかないアレ系のカードだ。

このギミックをこう使うとこんな風に見えるのかぁと。

ビジュアルである。ふむ。

Right Caption

ゆき

実際に見てもらわないと何も伝わらねぇ

なんか他にも応用できそうな気がする。

Blue Levitation

現象トップカードが浮かびあがる。

あーこんな方法もあるのかーと。

とはいえこの手の現象は、テンヨーから出ているものと、ねすもあさんのライブレクチャーで解説されていたものくらいしかぱっとは思い出せませんねー。

Ex1 Dribble Sandwich

現象観客のカードを挟んで当てる。

この辺りから収録されているのが冊子にのみ収録のもの。

この冊子にしては珍しくスライトオンリーのトリックですね。

オルマックがやってそう。

Right Caption

ゆき

・・・やってなかったっけ?

Ex2 The most expensive card

現象観客の選んだカードをジョーカーで挟むと、クレジットカードになる。

不思議。でもクレカを出す意味は分からない。

挟むカードを消して、別のカードを出したいときの案の一つとして使えるかもしれない。

Ex3 Card thru deck

現象カードをデックの横から差し込むと、反対側から色が変化して出てくる。

デックでやるカード・ワープみたいな現象。

出てきたカードは手渡し可能。

へーこれは面白いですね―。

Right Caption

ゆき

カラーチェンジング・デックと組み合わせれないかなぁ?

Ex4 Delayed Ambitious

現象テーブルにデックを置くと、トップに「ぽこん」と折り曲げたカードが上がってくる。

よくあるポップアップのアンビシャスを、テーブルに置いたハンズフリーの状態で行う

覚えておいて損はないかなーと。

Ex5 Little House Ⅱ

現象家の形にくり抜かれた青バック3枚と、ダイヤの形にくり抜かれた赤バック1枚の計4枚のカードを使ったパケット・トリック。
赤ダイヤのカード1枚を取り除くが、枚数が4枚に戻る。
そして4枚のカードが、すべてダイヤの形の赤いカードである。

これは面白い

物理的に形状の違うカードで起きる変化は面白い。

ただ1箇所、動きに看過できない矛盾があるのでそこはなんとかしたいなぁと。

実際にセットを作って考えたい。

Easter Egg1 Change 4 Magicians

現象1枚のカードが4枚のAに変化する。

ヒロ・サカイ氏のダック・チェンジを使ったトリック。

ここからは隠しチャプターになってる。
やり方はメールすれば教えてくれる系。

この類の解説方式、早ければ数年、遅くても数十年後には確実に見れなくなるのであまりやらない方が良いと思っている。

某マジック集団AS○SのDVDなんかには「ここのURLにアクセス!」という方式を採用しているトリックがアホみたいにあるのだが、軒並み視聴不可になっている(あいつら解散したので)。

ストック出来ない情報なんざ、リリースしないで墓場まで持っていけよと思う次第である。

一度正当な手段で見れなくなってしまえば、あとは流出したDATAをなんとか手に入れるくらいしかなく、真っ当な方法で対価を支払う気がある「正直者」だけが損をする状況は正直好きではない。

Right Caption

ゆき

作品は単独で完結させろや

というわけでASISのDVD『3Secrets』はまじもんのクソですよ。商品になってない。

その辺はさておき、このトリックはおそらくマジシャン向け。即座に変化前のカードがあるはずの場所から2~4枚目のAが出現するため、あれ?と思うのかもしれない。

正直このトリックをやるために、わざわざあの準備をするものではないと思う。

同じセットを利用しているときに、おまけで演じれるトリック、という位置づけでしょう。

Easter Egg2 Gemini on 6

現象4枚のジョーカーが4枚のAに変化する。

ダローさんのライジングなんちゃらディスプレイを使ったトリック。

似たようなのたくさんあるけど、最終的に4枚のAがフェアに示せるのは良いですよね。

最後に

短いトリックばかりだけど、面白いものが揃ってますね

わたしが特に気に入ったのは「Behind the Spade」「Card thru deck」「Little House Ⅱ」辺り。どれもユニークな現象でした。

基本的にどのトリックもちょっとした工作が必要なので、ピュアスライト派の人は微妙かもしれないが、それ以外の人であればフックとして最初に演じるのに使ったり、上手く構成してショーの中に取り込むなり出来るのではないでしょうか。

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