【レビュー】ビデオ・マインド 第2巻 by マックス・メイビン

総評的な

マックス・メイビン氏の全3巻からなるメンタル・マジックのDVDシリーズ。第2巻は「CLOSE-UP MENTALISM」という副題が付いていて、クロース・アップで演じやすいトリックが集められています。

シンプルな原理だけど、それ故にインパクトがあるトリックが多いです。

現象がわかりやすいこと。それが観客に「今のは本物の魔法かもしれない」と感じさせる重要なカギである。

という言葉をポール・ルポール(Paul Le Paul)氏が残していますけど、まさにそんな感じです。

初心者にも良い内容だし、これを1巻に持ってきても良かったんじゃないのかなと思いました。

Fantia版はこっち

第1巻の記事はこっち

個別に

SHAPE UP(シェイプ・アップ)

ESPカードの予言。ストップを掛けた場所のカードが予言されている。

シンプルなあれ(ワン・オー・ワンの原理)、を使ったトリック。もはや定番感あるけど不思議ですよな。

この原理を使ったトリックのヴァリエーションや応用はたくさんあるけど、個人的に印象に残ってるのは北原禎人氏の「Vibgyor」(ノート『The ESSENTIAL』収録)。演じたいけど、思ったよりも日本人は無知な人が多いことを知ってやれずにいましたけども(混合色、別々の2色混ぜたらこの色になる。っていうのを観客が知っていた方が良い)。

CHANGELING(チェンジリング)

小銭の予言。観客の小銭の枚数が予言されている。

小ネタ的なトリック。
ちょっとしたタイミングで軽く演じるカジュアル系。

名刺も使うので渡す口実に使ったり、貰った名刺にちょっと細工して使ったりしたらいいかもしれませんね。「これで何か出来る?」って言葉よく聞きますし。

準備は簡単なものの、渡された名刺で演じようとすると咄嗟に仕込むのはキツイかもしれませんが。スライトでなんとか出来なくもないので、その辺の塩梅は各々で決めてもらえれば。

ISOLATION(アイソレーション)

雑誌を使ったブックテスト。

複数の雑誌から1冊選んでもらって、好きなページの中央付近からワードを選んで当てる感じ。日本の雑誌などでも問題ない。

覚えてもらう単語は、開いたページの冒頭や何個目みたいに指定することはなく、ランダムに選んだ感が出るのが、他のブックテストやマガジンテストとの違いかなと。

選んでもらう際に小道具を使うせいで、生半可な演技力の演者だと途端に面白くなくなるのが厳しい。難しいところです。

KEY TO THE FUTURE(キー・トゥ・ザ・フーチャー)

錠前でロックされた箱を取り出し、4つの鍵を1つずつ試して開けてもらう。箱を開けると、何個目の鍵で観客が開けるかが予言されている。

Right Caption

ゆき

観客がアスカニオにしか見えない

準備さえしっかりしておけば、難しいところはなし。
やっていること自体は単純だけど、使っている道具や演出がきちんとしてるだけで、不思議に見えます。

錠前が付けれるそんな箱って中々無くない?と思ったけど、よくある手品道具に「黒い厚紙を付けてそこに錠をしてるだけ」で、めっちゃ簡単な作りだった。

鍵が最初から4個付いてる錠前を買って、4人で分けれないかなー。

アンネマンの「Seven Keys to Baldpate」の名前が出ていて、訳して読んだなーってなりました。
Fantiaでそのときの事を書いた記事

SYMBALANCE(シンバランス)

ESPカードを2人の観客に5枚ずつ渡し、それぞれが選んだカードを当てます。

ESPカードさえあれば演じれるので、覚えておきたいトリック。
弱点があるとすれば観客は必ず2人以上必要なことと、2人目の観客で運の悪いパターンに当たったときの処理が、最初は大変かもーくらいかな。

POSITIVE NEGATIVE(ポジティブ・ネガティブ)

想像上のコインを弾いてもらい、裏と表のどちらが出たかを聞くが、どのコインが選ばれてどちらの面が出てかが予言されている。

名刺が1枚あれば演じれる・・・のだが、解説そのままの方法は日本語だと出来ない

ただ、何人かの日本人マジシャンが海外でレクチャー?のようなことをした際に、ヒロサカイ氏がこれを日本語で演じていた気がします。
以降はタネに少し触れたのでFantia版にのみ書いた。

THE HAWK(ホーク)

観客の選んだ2枚のカードを当てます。

インポッシブル・ロケーションの類。
2つの原理を組み合わせていて、マジシャンが見ても不思議です。

演技後のリセットは困難なので、同じトリックを短い準備でまた演じるのは不可能。ただ、デックはレギュラーなので他のトリックを演じるのは問題ない

原案はチャールズ・ジョーダンとのことで、ジョーダンの作品集を訳したときにそんなのあったかなーと見返したけど見当たらなかったので、『THIRTY CARD MYSTERIES』にはないっぽい・・・?1910年代に出してる本はこれだけなのであるはずなんだけどなぁー。

単発のショーで、一発だけ不思議なカードマジックを演じたい、というときには候補になりそう。

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