EMCから出ているジョシュア・ジェイの4枚組DVD。Disc4のレビューっぽいの。
技法セクション的な要素が多いかな。
Disc1のレビュー
Disc2のレビュー
Disc3のレビュー

aces in hand
ヘンリークライストエースをテーブルを使わずに観客の手の上で演じる。
at the table lecture2回目出演時にやっていた「In the hands Christ」と同じ。
クライスト・リバースを使わず、スペルカウントの部分も無くし、演じられるようになっている。
スペルカウントは日本人向けじゃないなんていうけど、アメリカ人もスペルカウントは普通に嫌いらしい。そんな気はしていた。
at the~ではやっていなかった追加の出現アイディアもあり。ただ、正直考案者しか覚えんだろそんなセット感は拭えない。
全体的には好きなので機会があれば演じるかもしれない。
Joshua Jay Live Lecture 2 by Joshua Jay(Vanishing inc.)
waltzing cheek to cheek
2枚のカードを選んでトライアンフ後、アニバーサリー・ワルツされる。
アニバーサリー・ワルツは適した場で演じるのには良いトリックだけど、準備がちょっと面倒だなと思っているけど、ジョシュア・ジェイ氏のバージョンは本人が「トリックデックは2ついつも準備して持ち歩いている。プリズム・デックとこれだ」と言ってるだけあってとても良いと思う。
デック全体がトリックデックのようにはなってしまうが、演技後リセット、観客にくっついたカードをプレゼントしても、20回程度は補充なしに使いまわせる(5,6回演じたら補充くらいが良いとは思っている)と銘打っている。
構成はスマート、現場パフォーマーにもおすすめ出来る作品。
Waltzing Cheek to Cheek by Joshua Jay(Vanishing inc.)
discreet displacement
氏の初DVD『クロース・アップ・アップ・クロース』でも解説されていた技法。バーノン・ストリップ・アディションを下ではなく上でやる、なんて紹介されていたと思う。
やらなくなってしまっていた技法だけども、コントロールやフォースやスイッチなど応用も色々効くのでどんぞって感じ。個人的には見せたカードはパームして別のカードをスイッチして置く使い方が好み。
使用例としてコレクターとソート・オブ・カードを解説している。コレクターは今ひとつ好みではない(複数枚選択が必要になるときは、フェアに観客が引いたっていう状況にしたいという私の好みがあるのと、マジック・モーメントにあやふや感があるので好かん)。
ソート・オブ・カードは見た目で言うと完全な上位互換(レイ・コスビー氏の『インポッシブル・カード・マジック』にあったあれ)があるものの、難易度は大きくこちらが易しいので悪くはないと思いました。
Close up. Up Close By Joshua Jay(Vanishing inc.)
Impossible Card Magic – Volume 2 by Ray Kosby(Vanishing inc.)
kings all over
4枚のKが観客のカードに変わったと思ったら次の瞬間Kに戻り、テーブルに置いてあった観客のカードが4枚のKに変わり手に持っていたKが観客のカードになっている。
現象が説明しづらいアレ系トリック。
discreet displacementを使った導入の部分は好き。その後は他に同じような現象がたくさんあるのでまぁどうでもってところ。
ヘルダー・ギマレス氏の「ヘルダー・スケルター」とかゆうきとも氏の「ワイルドワイフ」とか、あちらの方が上質かもしれない。
関連記事:所感:「レッド・ミラー by ヘルダー・ギマレス」
diamond cut
観客のサインしたカードからピプスが抜け落ちて、裏面が焦げている。
ブードゥー・カード系のカードマジック。
クライマックスのために準備されたカードを、レギュラーに偽装しつつサインしてもらう部分のアイディアが面白い。
グラスやフラッシュペーパーが必要で、カジュアルなトリックではないため演じるシチュエーションはそこそこ限られると思う。
oil and water
4枚4枚の3段構成オイル&ウォーター。AとJで演じている。
連載していたコラムで紹介したトリックの集合体。
2段目のビル・マローンがエド・マーローから教わった未発表アイディアと、3段目のヤニック・クレティアンの「リフリップド」はおすすめ。
card in ring
観客の指輪をカードケースに入れた後、1枚カードを選んでもらうとデックから消えて、カードケースの指輪に丸まって刺さった状態で現れる。
選んだカードが消えるのはよくある仕掛けのやつ。このトリックの価値の大部分は指輪に丸めたカードを通す部分だと思う。現象が気に入ればといった感じ。
私的にはそこまで好みじゃないし、もっと別の出現の仕方を考えたい。
three coin vanish
3枚のコインが1枚ずつ消失。
ジョシュア・ジェイのコインといえばこれだ。わかるね?
半袖でも出来るし好きなアイディアなんだけど、コロナ禍のせいで腕時計をすることがなくなってしまったなぁ。
Triad Coins by Joshua Jay(Vanishing inc.)
royal assembly
2段構成のエースアセンブリ。2段目はエースが集まると思わせてロイヤル・フラッシュ。
簡単で実用的。
でもまぁ、カウントで成り立っているだけなので個人的にはあんまり好きではない。
2段目をもうちょっとコリンズ・エースのような感じにしたら好みになったりはしないだろうかと思案。
ジャズ・エーセスでエルムズレイ・カウントの練習するのに飽きたらこれが良いかもしれない(適当)。
haunted pack
ホーンテッドデックの手順。
ループスを使った手順。一応既存手順よりもゆっくりと動かせるあたりがこだわりポイントのこと。
coins under card
3枚の銀貨が1枚のカードの下に1枚ずつ移動していき、最後には3枚ともチャイニーズコインになり、カードの絵柄が変わっている。
3枚のギミックコインが必要だったりする割に、効果が見合っているかといえば微妙。
取り出してから演じるまでのギャンビット(完全未準備状態から演技可能なセット状態まで持っていくこと)の手法は好き。
bluff shirt work
ブラフ・シフトの解説。4種解説されているけど、どれも便利。
サムブレイクについてのアドバイスは聞いておくべきかなと。
同じことわたしもよく言うのですけど、僕は大丈夫です。って言ってるやつほど丸見えなのに直さないのはあるあるでしょうか?
false cut bluff shift
マルチプルシフトの代替に出来そうなムーブ。凝視されるとあれなので、さり気なく使う感じで。
bottom deal
グリップがストラドル気味なボトムディール。
ボトムディールの教材もってないならここでどうぞ。
ボトムディールの良い教材って何でしょうかね。ジェイソン・イングランドの『Foundation』とかその辺りかな。スティーブ・フォートの本(通称40本)とかはさすがに高額な上英語なのでおすすめしにくいし。
FOUNDATIONS by Jason England(THEORY11)
interview 4/4
- 教えることは学ぶことでもある
- コラムを続けた12年間の話
- アイディアノート
- VANISHING inc.誕生の経緯
そんな内容。
pool trick idea
プールにカードを投げ込んで沈めた後、観客の覚えたカードだけが浮かんでくる。
ideaと書いてあるだけあって実用性は皆無。TVで「プールでマジックしてください」となったときに使えるか?くらい。まぁそうなったとしてもバーノンのフローティング・トライアンフの方が良い気はする。
バニ・ボッシの『The Aretalogy of Vanni Bossi』の中にも、プールに投げ込むと浮いてくるってやつありましたよね、そういえば。マジシャンにプールで泳ぐという発想はないのかもしれません。